Daily Oregraph: 裏庭に花はなし
本日の最高気温は 5.5度。晴れ。
いっぺんに暖かくなった。車の中はポカポカである。
例年なら裏庭に咲いているはずのフクジュソウが見当たらない。去年草取りをしすぎたせいで姿を消したのかもしれない。ほんとうに加減がむずかしい。
しかたがないからエゾヤマザクラのツボミをパチリ。こうして見ると老木であることがよくわかる。たぶん軽く力を加えただけで枝がポキリと折れてしまうだろう。しかし花を咲かせてくれるうちは切り倒してしまいたくはない。
ホーソーンの『緋文字』を読み終え、お次はがらりと趣向を変えてオスカー・ワイルド(Oscar Wilde, 1854 - 1900)の戯曲集を選んだ。堅苦しいピューリタンの世界を離れて気分転換しようと思ったわけだが、『レディ・ウィンダミアの扇(Lady Windermere's Fan)』を読み始めたら、さっそく Puritan という単語が現れたのには笑った。
ワイルドといえば頭脳明晰、才気煥発、機智縦横、ああいえばこういうの代表みたいな人物(ただしどこぞの軽薄な「論破王」などと比較してはいけない。大秀才のワイルドに失礼である)だから、言葉につまるということは絶対になかったはずである。芥川龍之介の『侏儒の言葉』などは明らかにワイルドの影響を受けているけれど、失礼ながら切れ味はワイルドのほうが一枚も二枚も上手だと思う。
セリフを読んでいるとチクチクと挑発的なところがあるし、きらめく才気がちょっと鼻につくと感じる人がいてもおかしくはない。しかし『ウィンダミア』には人情味もあって、後味は決して悪くはないと僕は思った。
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