Daily Oregraph: AI 画像処理-ちょっと待てよ
本日の最高気温は -0.3度。晴れ。
Google Gemini によるAI画像処理というのを試してみた。
これが処理対象の画像である。2010年2月に東京都内の電車内でたまたま窓ガラスに映ったものを撮影し、多少加工してモノクロ化したものだが、(もう時効だろうけど)人様が写っているので、お顔にはすべてボカシをかけておいた。
まず最初はノイズの除去とコントラスト強調を指示した。結果は掲載しないが、これは納得できるものであった。
その状態から次にカラー画像化を指示したところ、
これはビックリである。女性の目鼻立ちがはっきりくっきり見えるのにはギョッとした。ボカシをかけなければお叱りを受けるレベルである。
しかしシートの背もたれをごらんいただきたい。なぜか実際には存在しないシール(右から二つ目)が出現している。どうしてそんなことをするのだろうか?
さらに最高解像度にするよう指示すると、
車窓にはいきなり夕方の街並みが現れ、それに合わせたかのように、車内は全体に明るく見える。当然女性のお顔はいよいよ明瞭に確認できる。だが不思議なことに、前の写真に出現した背もたれ上の謎のシールは姿を消しているし、残ったシールの文字の色がちがっている。女性の背後に見えるポスターの色もちがう。
全体に元の写真と比べると小ぎれいに加工されているのだが、こうも変わってしまうと、ちょっと待てよといいたくもなる。
まず窓外の景色だが、いくらなんでも元画像から外の風景を推測するのは不可能なんだから、やりすぎの感は免れない。車内の様子も、一つ前の写真にもあった作り物めいた不自然な感じがさらに強調されているような気がする。
もっとも疑問に思うのは、加工された女性のお顔がどこまでご本人に近いのかという点だ。もちろんしげしげと眺めたわけではないけれど(笑)、ぼくのおぼろげなる記憶によれば、ほんの少しちがうような気がするのである。とにかく窓外の景色といい、指示されてもいない余計な処理をするのは大きな欠点である。
結論からいうと、ノイズ除去などの単純な処理をする分には有効だし、たまに画像をいじって遊ぶ分にはおもしろいと思うが、日常的に使おうという気にはとてもなれない。
しかも今回の処理などは初歩の初歩に過ぎず、指示次第ではどんな加工も可能だから、フェイク画像などは作り放題、白を黒にするなどはお茶の子さいさい、多くの人が調子に乗って乱用すれば、今後問題続出するのはまちがいないと思う。
たしかにAIの機能はすごいとは思うけれど、依存し切っているとえらいことになりそうなので、どこかで歯止めをかける必要がありそうだ。
【おまけ】さてさんざん好き勝手なことを書いたが、ご参考までに(お顔のボカシ以外は)まったく未加工のままのオリジナル・カラー写真(RICOH CX2 使用)をお目にかけよう。
AIがモノクロから加工した画像と比較すると、あちこち色がちがっているし、これでは証拠として法廷に提出できないだろうと思う(たしかカメラによっては画像が真正かつ未加工である証拠をファイルに残せる機能があったはずだ)。
【12月14日追記】昨日はこの一枚の写真だけに気を取られていたため、情報が不十分だった。そこでこの前後の写真とそのタイムスタンプを確認してみると、おもしろいことがわかったので付記しておく。
この写真は東京モノレールの車内で13時50分に撮影したものである。直前の写真のタイムスタンプは13時48分で、発車前の車内が写っているから、このとき列車は羽田空港の駅を出発した直後で、まだ駅舎内の遮蔽された空間を走っていることがわかる。流れて見える光の筋は、駅名表示板かなにかだろう。
次の写真のタイムスタンプは14時14分で、新橋駅前の景色が写っている。この時間だから、空は曇っているがまだまだ明るい。つまり三枚目の写真はサービス過剰もいいところで、よくもまあ平気でこんなウソをつけるものだ。
写真の場合は改変された部分が視覚的に一瞬でわかるからいいけれど、文章に微妙な偏向を加えられたら困ったことになる。つまり見えもしない空、しかもまだ明るいのにそれを勝手に夕暮れに変えて見せてしまうように、一つの事実の解釈を巧みにある方向に誘導し、人々に悪影響を及ぼす恐れがあるということだ。ゲッベルスみたいにずるがしこい人物なら、当然権力者に都合のいい AI を開発しようと考えるにちがいない。要注意である。





























































































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