本日の最高気温は-4.5度。曇りのち雪のち曇り。
すでに書いたように愛用していたオリンパスの TG-6 が故障したので、TG-7 を購入した(いつの間にか OLYMPUS が OM SYSTEM に変わっていた)。あたりが悪かったのだろうけれど、わずか四年半しか持たなかったことになる。
どういう症状かというと、電源を入れてもジージーと音がして一瞬液晶画面が現れてはすぐに消える。最初のうちは二三回電源を入れなおすと撮影できたのだが、だんだんその回数が増えて、十回が二十回、とうとう何十回オン・オフを繰り返しても反応がなくなった。これは完全にアウトである。
OM SYMTEM のサイトで修理の概算料金を調べたら、なんと 17,600~38,500 円だという。人件費の高さを考慮しても、冗談はよしてくれといいたくなる。しかも完治して今後何年も使える保証はないのだから、新しいカメラを買ったほうがいいに決まっている。
ではよせばいいのになんで同じ機種の後継機(しかも中身はほぼ同一)を買ったのか? その理由についてお話ししたい。
まずぼくの場合、日常持ち歩くこと、旅行用として使用することが前提である。だから、すでに所有している旧式のデジタル一眼レフを買い足すことは今のところありえない。一眼レフはでかい、重い、ヤボ、いくら使いやすくて写りがいいといっても、邪魔でしょうがない。
ではマイクロフォーサーズはどうだろうか。一眼レフよりはるかに軽くてコンパクトだし、旅行カバンに入れて持ち運んでも苦にならない。実際何度か旅行の際に使ったこともある。しかし下の写真をごらんいただきたい。
やはりレンズが出っ張っている。これが案外やっかいなのだ。もちろんポケットには絶対に入らない。ものものしさや邪魔さの程度がましというだけだから、写りには満足できたけれど結局嫌気がさして、いつしかほとんど使わなくなってしまった。しかもこいつは今年に入ってから電池を交換するたびに日付の設定を要求されるようになったので、もはや実用にはならない(13年持ったから文句はいえないが……)。だからこのタイプもパス。
君、それなら高級コンデジにしろよ、という声が聞こえてきそうだけれど、まあお待ちなさい。「高級」コンデジは値段が高すぎる。そんなに金を出すくらいなら一眼レフを買います(笑)。
たとえ高級でなくともほかのコンパクトデジカメを選びたくない理由は、下の写真をごらんいただければわかると思う。
電源を入れるたびにレンズがギュイーンと突き出すから、やっぱりいささか邪魔くさいのである。見た目もよろしくない。左のカメラは現在ときどき使っている CASIO EX-ZR3000 で、発色にややクセはあるがセンサーが一回り大きいこともあって、総合的に右の TG-7 よりも画質はいい。電池の持ちも驚異的にすぐれている。
それでもオリンパス(現 OM SYSTEM)の tough シリーズを TG-820 以来ずっと使い続けているのは、防水カメラの性質上ズームしてもレンズが外側に突き出ることがないからだ。なにも考えずにポケットに出し入れできる。画質に多少不満があったとしても、優秀な携帯性はそれをはるかに上回る利点といっていい。
あ、忘れるところだったが、TG-7(TG-6 も同様)のマクロ撮影性能はすばらしく、マクロモードでは 1 cm、通常モードでもズーム全域で 10 cm まで寄れるのだから実に使いやすい。これだけでも買う価値のあるカメラだと思う。
肝心の画質についてだが、TG-7(TG-6 も実質的にはほとんど同じ)はノイズが多いからダメだという意見をネットで拝見した。しかしそういう方はセンサーの小さいコンデジに文句をつけずに、ノイズレスの高級品をお使いになればいいのだ。第一、普及品を高級品と比較してどうしようというのだ。
問題のノイズについていえば、フィルムカメラ時代から写真を撮ってきた人にはノイズ耐性があると思う。たとえば ISO 400 のフィルムなんて、ふつうにノイズが乗っていたしね。それにノイズまみれになって被写体が満足に見えないのならともかく、写真を写真として鑑賞できるのなら、ノイズなんてたいした問題ではないよ。画質評論家としてノイズを見るのか、愛好家として写真を見るのか、だ。
それではここで肝心の TG-7 のノイズをお目にかけよう。
どちらもRAW 現像で明るさを上げているからノイズは増えているはずだが、このサイズではなんとも判断はつかないだろうから、それぞれから一部を等倍で切り取ったものをごらんいただきたい。
なるほど ISO 800 だとザワザワしたノイズが目立つ。目立つけれども、この程度ならぼくとしてはノー・プロブレムである。だから ISO オートの上限値を迷わず 800 にセットした。撮った写真の一枚一枚を大伸ばしにして印刷するのならともかく、ディスプレイ上でながめるぶんには大した不満はないと思うからだ。
もちろん画質はいいに越したことはない。そんなことはわかりきった話である。けれどもカメラは用途(と体力?)に応じて選べばいいわけで、一文にもならぬヘボな散歩写真や旅行の記録写真を個人的に楽しむのなら、画質よりも携帯性を優先してもおかしくはないということだ。それに鑑賞にたえない劣悪な画質のカメラなんて、今どきまずありえないのだから。
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