December 29, 2024

Daily Oregraph: TG-820 2004年9月~10月 奈良・大垣・大阪編

 本日の最高気温は0.8度。晴れ。

 まずは奈良編。このときはかたじけなくも三友亭先生にご案内いただいた。なお前回と前々回はあまりにも愛想がなかったので、今回は簡単なコメントを付け加えておく。
 
9月23日

140923_02  天理大学附属天理参考館。異世界への入口として一見の価値あり(ぜひ再訪したい)。

140923_03  飛鳥寺。坊さんのありがたい説教から解放された喜び。

140923_04  飛鳥寺付近。日本のふるさと。

140923_05  近鉄大和八木駅。なぜか旅愁を覚えた。

 次は大垣編。同窓の奇人麦穂亭があちこち連れて行ってくれた。

10月4日

141004_01  養老の滝にて。リフトには乗らなかったが、この看板の様子だと運行していたのかどうかは疑問である。

141004_02  その名も御首(みくび)神社。帽子の数だけ首がある。

141004_03  明星輪寺の不可思議空間。御首神社といいこの寺といい、大垣は実に奇妙な町だと思った。

141004_04  麦穂亭の車で米原駅へ向かう途中の夕焼け。

 そして最後は大阪編。同窓のI君のお世話になった。

10月6日

141006_01  地方都市から大阪に来ると、東京とは別種の街のゴチャゴチャ感にまず圧倒される。

141006_02  十三駅前のクラシックな喫茶店。

141006_03  夜はI君とこいつで一杯。鶏の刺身ははじめて食べた。

10月7日

141007_01  十三大橋付近。フェルメールもビックリの看板。

141007_03  新世界。こういう場所に来ると、田舎者はついシャッターを切ってしまう。

141007_04_20241229201601  これも新世界のあたり。大阪はほんとうに立飲みの店が多い。入ってみたくもあるが、このあと歩く都合もあるから、結局はながめるだけ。

141007_05  ピントが合っているようないないような十三の夕景。

 以上で TG-820 の宣伝を終えるけれど(もう入手できないが……)、写真がまずいのはお詫びするとして、この程度のカメラでも(失礼)たいていのものは撮れるという証明にはなったと思う。でかいカメラなんて怖くない。

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June 30, 2017

Daily Oregraph: 小樽散歩 (3) 無情の雨

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 手宮線跡地から運河に出る。このあたりでは、人力車に乗って車夫のおにいさんの説明を聞いている観光客をたまにみかけるが、そう人出は多くない。

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 上の写真に見える橋(北浜橋)のたもとにある像。「カモメ呼ぶ少女」(斎藤吉郎作)という題名を見るまでは、彼女がなにをしているのかわからなかったけれど、スラリとした、かたちのいい像である。

 なおこの橋の向こうは北海製罐の敷地であり、立入禁止なのがちょっと残念。橋があれば渡りたくなるのは人情だろう。

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 その北海製罐の建物がいい。工場というよりもモダンアート風で、調和を保つために不要な煙突まで立てたのではないかと思われるほどだ(昔の客船にはそういうのがあった)。できれば斜め上あたりから撮影したいところである。

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 敬意を表して(笑)もう一枚。

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 北浜橋の次の橋(竜宮橋?)を渡って、ちょっとだけ港に挨拶することにした。あたりまえなら港をゆっくり歩くところだが、夕方に予定していた散歩のために体力を温存しようとしたのである。

 手宮線跡地でもみかけたけれど、ここでも倉庫の壁一面が緑に覆われていた。釧路ではついぞみかけぬ景色である。

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 小樽港でもひときわ異彩を放つこの埠頭(たぶん港町埠頭)も見逃せない。ここに来るたびに、つい見とれてしまうのである。

 はじめて目にしたときは、世の中にこんな倉庫があるとは信じられず、すっかりたまげてしまった。重要文化財クラスの値打ちがあるのではないか。まさにワンダフル。


 運河もいいけれど、小樽を訪れたら、北海製罐と大同倉庫はぜひごらんになるようおすすめしたい。

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 ふたたび運河へ。このあたりが現在の南端であろうか。北側とちがって観光客が多い。

 このあとホテルにチェックインして休憩し、夕方に備えたのだが……

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 雨がポツポツ降り出したので、露店見物を断念した。ホテルの玄関には備え付けのビニール傘もあったけれど、ぼくは行列に並ぶのと傘をさすのが大嫌いなのである。

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 6月22日朝。深夜激しく降った雨も幸い小降りになったから、傘をささずに駅へ急いだ。ほとんど濡れずにすんだのは、やはり日頃の精進がいいからだろう(精進がよければそもそも雨は降るまい、というイヤミは受けつけない)。

 次回は手宮線跡地全線制覇が目標だ。それにまだ見ぬ駅の西側地区も歩いてみたい。

 さらば、小樽。

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June 25, 2017

Daily Oregraph: 小樽散歩 (1) 市場縦断

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 6月21日。小樽は四年ぶりである。

 ここは何度か訪れているけれど、いつも一泊か日帰りなので、市内のほんの一部しか見物していない。いかに地方都市とはいえど、一回りするには最低二泊三日、いや三泊四日は必要だろう。

 今回も一泊だから、目的を手宮線跡地の散歩に決めてきたのだが、地図をながめると三角市場なる奇妙な名前の市場が駅のすぐそばにあるので、ちょっと寄ってみようと思った。

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 まずはこの日のコースを示しておこう。歩いた場所がすべてカバーされているわけではないけれど、大体は間に合うと思う。

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 土地と屋根が三角のかたちをしているから名づけられたというのだが……?

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 こじんまりした市場で、通路も狭いけれど、たしかに独特の雰囲気はある。なにを買い求めるわけでもなく、肩身の狭い思いをして通過した。

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 海鮮料理のお店などもあるので、興味をお持ちの方はぜひ(と、冷やかしたお詫びに宣伝しておく)。

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 三角市場の斜め向いに小樽中央卸市場を発見。当然入ってみる。

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 なぜこれ一枚しか撮らなかったのかは思い出せないが、市場であることはわかる(笑)。

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 中央卸市場を通過すると、おやおや、今度は中央市場か。

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 市場である(笑)。

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 これにはビックリした。行商のおばさんを再現したものらしいが、マネキンは使っておらず、なにかの枠組みに着物を着せたように見える。

 顔のあたりはつげ義春のマンガを連想させるし、両手の軍手にはなんとも形容しがたい超現実的効果がある。一見の価値あり。

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 第3棟を抜けると、当然のごとく第2棟が現れる。

 通りに露店が出ているのであたりを見回すと、

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竜宮神社の例大祭なのであった。竜宮神社は上の地図にもちらりと見えるが、残念ながら、このたびはご挨拶できなかった(夕方からの雨のせいである)。

 露店を見物しようかとも思ったが、散歩の計画が狂いそうなので、夕方ふたたび訪れることにして、中央市場第2棟へ向う。

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 市場はつづく。

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 第2棟の展示物は昭和30年代の室内を再現したものであった。第3棟の行商のおばさんもそうだが、市場内にこういう展示があるのはめずらしいと思う。

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 第2棟を出たぼくはポカをやってしまった。通りの向い側にあったこの不思議な建物に気を取られて、つい第1棟に入るのを忘れてしまったのである。

 ひょっとしたらおもしろい展示物があったかも知れないのに、実に惜しいことをした。竜宮神社も見物し損なったし、いずれ再訪せねばなるまい。

 それにしてもこの木造建築、一部に鱗のような模様はあるし、三階の窓の上には日活のマーク(?)もあり、いったいどんないわれがあるのだろうか(インターネットでざっと調べたかぎりではわからなかった)。

 木造建築に剥製というものがあれば、これがそうだろう……などと感心している場合ではない。手宮線跡地へ向うことにしよう。

(つづく)

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June 24, 2017

Daily Oregraph: 地獄にも極楽はあり登別

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 6月20日。登別温泉を訪れるのはこれが二度目である。ここは多くの泉質を楽しめる有数の温泉地で、今の時期は道東よりもずっと山の緑が濃い。

 たいして見物したわけではないが、これもなにかの縁だろうから、写真をほんのいくつか。

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 ぶらぶら歩いていたら神社があった。前回は気づかなかったので、神社マニアとしてはぜひ挨拶せねばなるまい。

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 社殿は比較的新しく見えるから、たぶん改築したのであろう。

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 瀧川湯本翁命(たきがわのゆもとおきなのみこと)とは、この地の基礎を築いた滝本金藏翁のことらしい。ご祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)だが、立派な人物として尊敬された滝本翁も、とうとう神様として一緒に祀られるようになったのだろう。あなかしこ。

 ぼくみたいに毎晩酒をくらっている酔っ払いはもちろん、どこぞの徳のない首相なども永遠に神様として祀られることはあるまい。

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 境内の一隅にはたいへんコンパクトな三吉神社の祠がある。ちょっとゲゲゲの鬼太郎の妖怪ポスト風味があっておもしろい。

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 この温泉のシンボルは鬼である。地獄谷からの連想なのだろう。あちこちに鬼が立っている。

 こちらの公園にも鬼が数体あって、写真の鬼は学業成就を担当しているからパチリ。この子鬼にでかい鉄棒が持てるものかどうかは疑問だけれど……頼んまっせ、学業成就。

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 登別温泉にあるのは地獄だけではない。温泉街の人々はちゃんと極楽通りを用意して、救いなき末世に一筋の光明を点じていた。このバランス感覚がすばらしい。

 前回訪れたときは友人たちに地獄谷や温泉の湧く川原へ案内してもらったのだが、今回はパス。温泉につかって宴会で酔っ払うだけというていたらくであったが、のんびりできたから、まずは極楽、極楽。

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May 07, 2017

大阪一日散歩 京橋昭和ロマン編 (2)

 大阪一日散歩もこれが最終回。

 朝から歩き回って昼食はウドン一杯。そしてまた歩く。われながら貧乏観光客の鑑ではないかと思う。

 京橋編第二回は、まったくテーマなしの、ひたすら歩く編である。気楽に読み流していただければ、と思う。

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 いったん商店街を抜けて、どこをどう歩いたのかは不明だが、

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ふたたび商店街に入る。京橋の商店街は全体的に道幅が広く、空間がゆったりしている。鶴橋とはえらいちがいである。

 「さくら祭り」という文字が見える。そういえば「さくら通り」もあったし、京橋を象徴するものはサクラなのだろうか?

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 このおええさん、存在感があった。あとでなぐられては困るから目元をぼかしておこう(笑)。

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 画面左のおっちゃんは……

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詰め将棋七手詰。

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 Begin Kyobashi とは商店街らしいが、なにゆえ begin?

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 とりあえず入ってみたが、このあたりから完全に方角を失ってしまったらしい。

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 八百屋さんを見ると、なぜかホッとする。やはり地面から生えるものは、百円ビールよりも強いのだろう。

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 商売熱心な煙草屋さん。いろんなものを売っており、数珠に線香、ロウソクまで取りそろえている。

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 いつの間にかこんな場所に出た。そういえば「森友学園疑惑」、この写真を撮ってからもう一ヶ月以上もたつというのに、どうしてまだ総理大臣は辞職していないのかな?

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 あたりまえといえばあたりまえだが、こんな通りもある。京都で撮った、といっても通用しそうな感じがする。

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 駅から遠ざかるのが不安だから、また商店街へ戻る。

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 ここがどういうお店なのか、人形に気を取られて確認し忘れてしまった。タイ雑貨?

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 14時40分。さすがに歩き疲れ、有料駐輪場前の歩道の縁石に腰かけて一服した。

 金を払って自転車を駐めるからには、よほど盗難が多発しているのだろう。駅のすぐ近くの一等地なのに、駐輪場にしても十分商売になるとは驚きである。

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 ふたたび環状線のお世話になり、

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大阪駅で阪急に乗り換えるのだが、阪急の駅までは遠いのなんの、おれになんの恨みがあるのだ。

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 16時40分、十三着。二年半ぶりである。

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 駅前の喫茶店「なにわ」へ向う。

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 昭和風味満点のこの喫茶店で一休みしながら一日をふり返ってみると、雑多な印象が交錯して収拾がつかない(笑)。

 思えば、大阪一日散歩とはまことに無謀な試みであった。京都の町を一通り飲みこむには、少なくとも三年は歩きつづける必要があるらしい。では大阪はいったいどれくらいかかるのだろうか?

(京都神社編につづく)

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May 03, 2017

大阪一日散歩 京橋昭和ロマン編 (1)

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 京橋の駅から受けた第一印象は、ちょっと澄ましたお上品な町なのかなあ、というもの。

 いや、もし見当ちがいだったら、幾重にもお詫び申し上げよう(笑)。

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 立呑み屋は大阪ではユビキタスな存在だから驚くには当たらないのだが……さっそくありましたなあ。京橋編第一回は呑み屋をまとめてみよう。

 本日のサービスドリンク、ぼくが選ぶとしたら、やっぱり角ハイボールのダブル270円だろうか。時間がたっぷりあって、このあとの予定がなければ、おっちゃんたちの仲間入りをしたところだが……

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 ご参考までに値段表をトリミングしてみた。競争が激しいから、どこのお店も値段に大きなちがいはないだろうと思う。500円玉一枚あれば、肴一品つまみながらハイボールを一杯飲めるのは魅力である。

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 このカラオケ屋とツーショットキャバの複合施設(?)はすごい。わずかの面積もムダにせず、宣伝にこれ努めている。

 「ええ女いまっせ~!!」か、う~む……(笑)

 同じ並びに、またしても立呑み屋が見える。

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 これも立呑みではないかと思う。

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 まごうことなき立呑み屋。

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 おお、この暖簾、相当の老舗と見た。こちらもお客さん入ってますなあ。

 電車一本で呑みに来て帰ることができるから、略して電一というらしい。天神橋六丁目を天六というのと同じセンスである。

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 こちらは開店準備中。戦場のようなあわただしさであった。

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 昭和ロマンの香る街……ここから今回のタイトルをお借りした。

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 さくら通りの焼鳥屋さん。「外でも呑めます」というのがいい。コソコソ隠れず、通りでおおっぴらに呑めるのである。

 「安心して下さい、焼いてますよ」とは親切。これが大阪流なのだろうか。

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 ここもビックリ。なんと百円ビールである。

 画面左のノボリは風に揺れて文字が読めないけれど、たしか「焼酎六百円 飲み放題」とあったように記憶している(!)。まさか? と思って見直したから、まちがいないとは思うが、なんとなく気になる。確認のためもう一度行かずばなるまい。

 もし看板どおりだとすれば、これをお読みのあなたにおごってさし上げよう(笑)。

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 大通りにもちゃんと酒場はある。THE FINEST OLD WHISKY と Highball は英語なのに、酒場は Sakaba であるところにセンスを感じる。いいじゃないか。

 さまざまな誘惑にも負けず、この日ぼくはシラフで歩きつづけた。丸の内のサラリーマンスタイルなら昼間の立呑み屋では浮いてしまうだろうが、ぼくは薄いヨレヨレのコート姿だったから、白い目で見られずに一杯やれたはずなのに。残念。

 次回は京橋の商店街をごらんいただこう。

(つづく)

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April 29, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (3)

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 一般人が卸売市場に入りこんでもかまわないのだろうか? 遠慮しながらおずおずと入ってみると、ほとんど人気がない。そうか、卸売市場は早朝が勝負である。ちょうどじゃまにならぬ時間でよかった。

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 しばらく進むと、前方が急に明るくなった。はてな?

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 えっ、鶴橋卸売市場協同組合?

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 そうか、ここは本来の卸売市場機能を果たす場所と、一般向けの小売り商店街の二つに分れているのか。一般向けの出入口はこちらなのだろう。

 お気づきになった方がおいでかどうかは知らないけれど、実は前回の記事中、最後から三枚目の写真を拡大して見ると、

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看板には「鶴橋卸売市場」の文字があったのである。つまりぼくはいつの間にか「つるしん」から卸売市場の商店街に迷い込んでいたわけだ。両者はどこかで連絡しているらしいのだが、ぼくはあとで写真を見直すまで気づかなかったのである。

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 さっき抜けてきた暗い通路がまるでウソのようなにぎわいである。

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 またもやウロウロしているうちにさしかかった、衣料品店と八百屋さんが向い合せのこの場所は……おや、「鶴橋市場 中央会」とあるから、別の商店街らしい。おいおい(笑)。

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 ……と思う間もなく、今度は「中央商店会」とは、いったいどうなっているんだろう?

 「つるしん」だけでも迷子になりそうだというのに、ほかにいくつかの商店街が一緒につながっているんだから、まるでわけがわからない。それこそ学芸員を配置すべき場所ではないか。

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 すっかり頭が混乱したので駅へ向おうとして時計を見ると、すでに12時50分。さすがに腹が減ったところに、立ち食いうどんの暖簾が……

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 実はぼくは大阪でうどんを食べるのはこれが初めて。初経験は鶴橋のキツネうどん、三百円也。

 われながら安上がりな男だと思うが、大きな油揚がのっかっていて、ふつうにうまかった。「孤独のグルメ」のセリフじゃないが、こういうのでいいんだよ、おれは。

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 立ち食いうどんのお店で目にしたのがこれ。缶ビール260円は安いよなあ。宣伝文句もやさしさに溢れている。

 しかしご自身へのご褒美は遠慮しておいた。このあともう一箇所歩かねばならないからである。

 鶴橋よ、見ておれ。きっといつかこの迷路を制覇してやるとも。

(「京橋編」につづく)

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April 28, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (2)

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 ちょっと通路の狭い商店街かな……最初はそう思った。ふうん、案外洒落た感じじゃないか。

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 あとで思えば、どうやら扱う商品によって住み分けがあるらしい。衣料品は不得意とするところだから、どんどん先へ進むと、

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 やがてキムチの提灯とともに雰囲気は一変する。

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 チヂミ、韓国のり巻。なるほどここは朝鮮半島文化が優勢らしい。

 写真を見直して気づいたのだが、正面奥のおっちゃん二人は昼前からビールを一杯やっているようだ。うらやましい。

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 知らぬうちに青空の下に出た。左側のお店では、ベンチに腰かけてチヂミを食べられるのである。 おばちゃん、うまそうですなあ。

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 この場所には案内地図があったけれど、一度見たって、とても覚えきれるようなものではない。

 どうやら東西南北にいくつかの「班」に分れているらしい。地図を見るかぎりでは「迷宮」とはちと大げさなのだが、アーケードの中では方角の見当がつきにくいから、初心者泣かせであることはまちがいない。

 次回は印刷された案内図を手に歩こうと、かたく心に誓ったのであった(笑)。それでも何度か通わねば「つるしん」の達人にはなれないだろう。

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 ふたたびアーケード内に入る。

 ぼくはあまりキムチは得意ではないけれど、この色彩は鮮やかでいい。

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 すてきな笑顔のおばちゃん、何も買わんと冷かしで、ほんまに申し訳ありまへん。堪忍してや。

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 こちらは魚屋さんに八百屋さん。

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 店先には見たことのない品も並んでいる。

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 おもちゃ屋さんもある。キムチとチヂミのあとに見ると、いささか異質なものが出現したようだ。

 お隣の菓子屋さんの看板がまたいい。かなりの歴史を感じさせる。

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 昭和に生まれ育った男にとっては、記憶の奥底を揺すぶられるような景色である。

 ツンと澄ました高層ビルやのっぺらした巨大商業施設には、貧乏人を見下したような傲慢さと一種の敵意さえ感じるから、ジジイの居場所はない。ここなら冴えないおっさんがウロウロ歩いていても景色に溶けこんでしまうから、なつかしい場所に帰ってきたような心地がする。

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 どこをどう歩いたのかさっぱりわからぬまま、大きな通りに出た。たぶん「つるしん」の半分も見ていないと思う。

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 ふうん、鶴橋卸売市場か……なんだか平凡でつまらなそうな建物である(今思えば、たぶん外側だけ補修したのだろう)。どうしようか迷ったけれど、思い切って入ってみることにした。

 なんとここも見かけと中身は大ちがい、第二の迷宮といってもいい場所なのであった。鶴橋恐るべし。

(つづく)

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April 25, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (1)

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 JR鶴橋駅を出ると、目の前に鶴橋駅前商店会の看板が見えたので、素直に通りを渡り、

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ブラブラと歩きはじめた。

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 へえ、歩いてまっせ。最初から自転車はありまへんけど(笑)。

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 税込み50円ショップ。これにはビックリした。ここは21世紀じゃないぞ。ほんとうに商売になるのかしら?

 おもしろそうなものがたくさん並んでいるので、じっくり見たかったけれど、時間があまりないから、それは次の機会にゆずることにした(また訪れる気になっている(笑))。

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 この一角、昭和がそっくり残っている。ジーンと胸が熱くなった。

 しかし……ずいぶん人通りが少ない。鶴橋ってこんなところだっけ? と少々疑問を感じながら先へ進むと、

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なになに、「玉造 日之出通」とな……えっ、玉造?

 どうやら方向をまちがったらしい。西も東もわからないとはこのことで、ぼくは駅の西側をウロウロしていたようだ。

 だが、ここはここで味があるから、十分再訪に値すると思う。日之出通も見物したいしなあ。

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 ふたたび駅前に戻ってキョロキョロしていると、

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通りの向こうに「鶴橋商店街 振興組合」の文字が見えた(このあと知ったのだが、通称「つるしん」)。ひょっとしたらあそこだろうか。

 さよう、この一見何の変哲もない看板こそ、恐るべき迷宮の入口なのであった。次回はアリスもビックリのワンダーランドに、いよいよ足を踏み入れることにしよう。

(つづく)

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April 24, 2017

大阪一日散歩 天満ウォーミングアップ編

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 JR天満駅。この日は今までほとんど利用したことのないJRで大阪までやって来た。市内の移動も、もっぱらJR。

 ぼくは大阪の土地勘ほぼゼロである。何度か訪れてはいるのだが、文字どおり西も東もわからない。迷子になって POLICE の世話になるのはいやなので、駅から遠く離れるわけにはいかないのである。

 一応ポケット版の地図を用意はしてきたのだが、方角を心得ていればこその地図である。東西南北のわかりやすい京都とはずいぶん勝手がちがい、地図を開こうという気がすぐに失せてしまった。

 当然駅の回りをウロウロしたにすぎず、なんとも情けない結果に終ってしまった。やはりこの町には長期滞在する必要がありそうだ。

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 おお、ここはおもしろそうな場所だな……そう思ったけれど、まずは駅周辺をもう少し歩いて、空気になじまなくてはいけない。

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 いい感じである。どこがどうとはうまく印象を表現できないが、東京とはもちろんちがう。札幌ともちがう。京都ともちがう。

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 地理がわからないから、どこをどう歩いているのかまったくわからない。まさに徘徊ジジイである。

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 これは天満市場内だと思うのだが……自信はまるでない。同じところを何度もぐるぐる歩いたような気がするのである。

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 ここが「天五 天神橋筋商店会」とは、あとで写真を見直してわかったのである。

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 道路の向こうは「天五中崎通商店街」……してみればここは、

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 天神橋五丁目。これを天五と省略するからには、大阪人はかなりせっかちなのかもしれない。

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 天神橋四丁目(これも写真を見直して知った)。

 この一帯はとにかく商店街だらけで、それらが狭い小路によって縦横に連絡し合っている。半日やそこらで地理を飲みこむのはとても無理と悟って、結局ほんの三十分ほどで撤退したのはわれながらくやしい思いがする。

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 この日はじめて乗った大阪環状線。

 天満ではほんの足馴らしに終ったけれど、さてお次の鶴橋ではいかがあいなりまするや?

(鶴橋編につづく)

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