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June 04, 2025

Daily Oregraph: 5月20日 秋田市から大曲へ

5月20日

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 奥羽本線10時16分発院内行き普通列車。

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 車内はごらんのとおり。ぼくは根っからの「鈍行」ファンだが、この手の座席で不便なのは、車窓からの景色を撮影しにくいことだ。

 さてこのたびとまどったのは運転室のとなりにある運賃箱である。どうやら無人駅対策らしく、ワンマンバス同様、無人駅では乗車の際整理券を取って、下車の際に運賃を支払うようだ。なんだ、そんなこと……というなかれ、昔はこんなシステムはなかったのだ。ながらくローカル鉄道のお世話になっていなかったから、ちょっとビックリ。

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 どこで下車したのかというと、大曲駅11時11分着。初めて訪れる町である。秋田県警のパトカーがわざわざ出迎えてくれたのには恐縮した。

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 「花火通り商店街」という派手な看板には少々驚いた。ぼくは不勉強のため知らなかったのだが、ここは花火で有名らしい。

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 ぼくの地理的知識はほとんど半世紀前に固定されたままだから「大曲市」といいたくなるのだが、現在は大仙市大曲地区、人口は約3万5千人。花火商店街はその名称に反して、地方都市にふさわしい、ごく地味で落ち着いた通りであった。

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 ろくに下調べもせずにうろうろ歩いていたら川があった。丸子川という。写真は大盛橋。

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 こちらは大盛橋から見た丸子橋。

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 丸子橋上にはブルーノ・タウトの文章を記した案内板があった。今どきの若者はタウトという建築家の名前をご存じないかも知れないが、ぼくの怪しげな記憶によれば、けばけばしい建築を「いかもの」として嫌い、桂離宮を大いにほめたのがタウトである。

 そのタウトがこの橋から見た月夜の冬景色をほめたたえているのは、大曲にとってまことに名誉なことにちがいない。

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 丸子川河畔の散歩道は品よく整備されており、その落ち着いた雰囲気は実に心地よかった。高層ビルひしめく大都会にはうんざりしているという方にとっては、こういう地方都市はまさに別世界で、一種の精神的解毒剤として有効かもしれない。

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 町はどこも人通りが少なく、出会った通行人のほとんどは高校生諸君であった。これといった目的もなく、ほんの数時間立ち寄った大曲だが、ゆったりとした気分になれて愉快であった。別に花火がドンと鳴らなくてもいいと思った。

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 時刻は13時20分。表示板を見ればわかるとおり、ここから普通列車で盛岡へ向かうのは田沢湖線14時55分発である。新幹線が出来て便利になった分だけ普通列車の便数は減ったにちがいない。

 さすがにそれまで待ってはいられないから、ちょっと味気ないけれど、13時39分発こまち24号を利用することにした。

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