Daily Oregraph: 一歩前進二歩後退
本日の最高気温は0.3度。晴れ。
たぶん……と予想していたとおり、数日前15センチほどの降雪があった。そうすんなり春が来るわけはないよなあ。雪といっても今の時期だからすぐに融けるはずだが、雪かきをさぼるわけには参らない。
あいつボーッとしてばかりいるんじゃないか、と思われるのもシャクだから、少しは本を読んでいるところを強調しておきたい(したってしょうがないけど)。
まずはジョージ・オーウェルの『戦時放送集』。彼は第二次大戦中、BBC のインド向け放送を担当していたのである。作家だけあって、主にインドの大学生を対象にした文学関連の番組作りに熱心だった。その様子が手に取るようにわかる。戦時下だから情報省の検閲があって、ずいぶん苦労したことがうかがわれるけれど、さすがに当時の日本よりはかなり自由度が高かったという印象を受ける。
なお彼の名を高めた『動物農場』や『1984年』などの腹案はこの時期に得たらしい。E. M. フォースターや T. S. エリオットらとの手紙のやりとりが興味深かった。
次にいま読んでいるのがトマス・ハーディの『ダーバーヴィル家のテス』。これは駄文学部にとっては必読書のひとつなのだが、情けないことに今頃になってやっと取りかかったのである。「1991年4月13日 岡山市丸善にて」購入したという鉛筆書きのメモがあるから、なんと34年間も放っておいたわけだ。積ん読にもほどがあるね。
本棚にある未読の本は、時間はかかったもののここ数年一冊また一冊と読破して、かなり減らすことが出来たけれど、本棚にはまだたくさん残っている。悲しいことに、本を読むにも体力は必要らしく、若いころのように分厚い本を一日でかたづけるなんて芸当はもはや無理だ。弱るのは足腰ばかりではないんだ。やれやれ。
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