Daily Oregraph: 釧路駅まで
本日の最高気温は10.3度。晴れ。
早くも弥生三月、驚いたことに気温が10度を越した。そこで今日は駅まで散歩してきた。
この暖かさである。釧路川の水面に浮かんでいた板氷は影も形もなくなっていた。幣舞橋の上に立ち止まっている人影はたぶん観光客だろう。
どうも中国人観光客らしいが、よくごらんいただきたい。誰一人として景色を眺めてはいない。みなさんスマホに見入っている。それなら自宅の茶の間にいるのとあまり変わらぬような気もするのだが……
北大通をまっすぐ北上すればまもなく釧路駅。駅の右手に黒煙がもくもくと立ち上っているし、めずらしくも一眼レフをぶら下げた人を何人か見かけたから、ははあSL冬の湿原号だなと気がついた。
入場券を買わなくとも、駅の東側に隣接する駐輪場から列車を見物することができるので、回ってみた。スマホを構えている人々にまじって、ミーハー丸出しでぼくも一枚パチリ。
昔々函館から釧路まで通しの鈍行(少なくとも一部区間は二重連だったはず)に乗ったことのある男にとって、やはり蒸気機関車はなつかしい。所用時間はたしか20時間半(!)。いくらSLがなつかしくとも、いくら美しくとも、もちろんこの年になれば体がもたないから長距離はごめんこうむりたい。
その点冬の湿原号のコースはほどよい距離だから、爺さん婆さんにもおすすめできる。来たれ、釧路に。
さてめずらしく予告編である。
入舟の廃墟群。本日はここを通ってから幣舞橋を渡ったのだが、明日は25年前の姿をごらんいただきたい。家屋も人も年を取る。君もあなたも、いつかは必ずこうなるのだ(SLは植物でも動物でもないし、金と手間をかけて整備しているからピカピカなんだぞ)。
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