Daily Oregraph: リンゴを食う話
本日の最高気温は13.2度。曇り。
京都通信員撮影による大阪市内の某墓地(「何々家」というのが全部読み取れるから画像処理を施した)。列車の窓から本州の田畑の間にいくつかの墓が並んでいるのを見た記憶はあるけれど、こういうのははじめてである。
Bleak House を読了した。本文を昨日読み終え、本日は Introduction である。いくつかわからんところは残ったが、自分の実力を考えればそれは致し方ない。とにかく読み切ったというところをほめていただきたい(笑)。
なにしろ大長編だし、複雑きわまる内容なので、感想を聞かれても困る。ただ一応ハピー・エンディングで終ってはいるけれど、万事めでたしという感じはしないといってもいいだろうと思う。最後まで死者の暗い影が去らないのである。
さていつも疑問に思うのだが、あちらの本はどうして巻頭に詳しい解説を置くのだろうか? イントロダクションを最初に読むな、というのはおかしいとおっしゃるかもかも知れないが、けっして最初に読んではいけないというのがぼくの変らぬ意見である。
解説を担当するのはたいてい名のある大学のえらい先生である。なにしろ文学を飯の種にするくらいのえらい先生だから、実際読みが深い。だからこそ影響力も大きく、本文を読む前に先生の手ほどきを受けてはいけないのだ。まずは無心に本文を読むべきである(この点は美術も音楽も同じだな)。そのあとで解説を拝読して、なるほどと膝を打ち、ときには異議を唱えるのが読者の道(?)というものだろう。
もうひとつ、えらい先生の解説というのは、頭がいいだけにたいてい立派な文章にはちがいないけれど、ぼくの乏しい経験によれば、作品そのものよりおもしろいということは決してない。リンゴを知るにはリンゴを食うにしかず、といったのはたしか毛沢東だったと記憶しているが、たしかに毛さんのいうとおりである。甘いの酸っぱいのという先入観を持たず、まずはリンゴを食おう。
えっ、おまえ毛沢東主義者だったのか……などとトンチンカンなことをいうお方にはお引き取りいただくとして(本当にいそうだから困る(笑))、ただいま次に食うリンゴをどれにしようか思案しているところだ。もう余命いくばくもないから、深く研究なんてしているヒマはないのである。
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