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August 16, 2021

Daily Oregraph: 寒い日の時代劇

 今日の最高気温は16.6度。寒いじゃないか。

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 これは昨日撮影した特に意味のない生存証明写真。なにしろ絵日記だからね、絵がなくてははじまらない。

 さてアントニー・トロラップ氏の見解では「この世に混じりけのない善はなく、また善の種を宿さぬ悪はない」(The Warden 第15章より)というのだが、前半はなんとなくわかるような気もするけれど、後半にはかなり疑問がある。

 完全無欠の悪人としかいいようのない連中もたしかにいると思えてならないのである。たとえば口入屋の平蔵親分や嘘八百の前宰相などはいい例だろう。あそこまでワルだと、別の意味で希有の人材といえよう。

 さきほどなつかしい大映の座頭市シリーズを見ていたら、出るわ出るわ、絵に描いたようなワルが大勢登場する。ぼくみたいな非力な市民は怖くてとても手が出せないけれど、ヒーローはちがう。「てめえたち、それでも人間か!」といいざま、市の仕込み杖が一閃……スカッとしたよ。

 まさか刀一本であんなにたくさん斬れやしまいとは思うが(笑)、たまには時代劇映画もいいものだ。

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Comments

薄氷堂さん、こんにちは。
YouTubeで綾瀬はるか版座頭市を見た関係で、
本家、勝新太郎の座頭市を見ました。
なんというか「すごい」の一言です。
迫力がまるで違いますし、
いま見てもまったく色褪せてない感じがしました。

Posted by: 只野乙山 | August 18, 2021 22:56

>只野乙山さん

 座頭市シリーズは大体1960年代半ば頃からですので、さすがに封切館では観ませんでしたが、3本立て上映の低料金2番館でシリーズの一部が再上映されたものをリアルに観た覚えのある世代です。

 勝新の座頭市は殺陣が芸術級のうまさだと思います。絵空事といってバカにはできないほどの凄みがありますね。

 勝新太郎といえば、同じく大映の市川雷蔵とはちがって、さすがにインテリやハムレットみたいな役どころは無理ですけど、座頭市や兵隊やくざ、そして悪名シリーズなどはまさに適役、名優だと思います。

 スーパースターがワルを懲らしめる時代劇は結局庶民のガス抜きといってしまえばそれまでですけど、そんなことを現実に実行すれば物騒なテロリストですから(笑)、世の中で一定の役割をになっていることは確かですね。

 検察が一向に頼りにならない以上、本物のアウトロー座頭市や、体制内準アウトロー(?)である旗本退屈男や水戸のご老公に期待したくなるのは当然かも知れません。

Posted by: 薄氷堂 | August 19, 2021 09:15

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