Daily Oregraph: 絵に描いたきしめん
本日の最高気温は19.9度だから、もう冬も近い(?)。
さて架空の国『エレウォン(Erewhon)』では、なんと病気は犯罪である。病人は逮捕されて監獄に放りこまれ、病気なのに懲役刑に処せられる。
どうにもひどい話だが、病気だけではなく、この国では不幸一般が犯罪とみなされ、たとえば金を盗んだほうではなく、盗まれたほうが法の裁きを受けるのである。自分に責任のない不幸が自己責任とされる一方で、犯罪者は一種の病人として保護され治療されるというのだから、この小説を読んでいると頭が混乱してくる。
しかしよく考えてみるに、案外日本国の実情に近いところもあるように思われる。「え~、ウソ~」とおっしゃるかも知れないが、まあお聞きなさい。
たとえば不運にも新型コロナに感染した人々はどんな扱いを受けるだろうか? 恐るべき差別、迫害が待っているではないか。コロナだけではない。ホームレスは人間扱いされていないし、難病患者や体の不自由な人々は、社会の邪魔者扱いされてはいないだろうか?
コンビニからパンを盗むようなケチな窃盗犯は逮捕されるけれど、大胆不敵な税金泥棒たちは上級国民扱いされて検察も手を出さず……つまり重大犯罪者どもが国家に保護されているんだから、そのアベコベ度はエレウォン並みといってもおかしくないだろう。
ぼくはまだ左足が本調子ではないから、足を引きずってヨタヨタ歩けば犯罪者とみなされ、逮捕される恐れがあるので(笑)、外食をして料理の写真を撮るなど思いもよらない。
そのとんでもない写真が京都通信員から送られてきたので、生存証明写真として使わせてもらうことにした。
新京極のきしめん専門店(京都にそんなお店があるとは知らなかった)の、「冷たいきつねきしめん」だそうな。いくらうまいといわれたって、目で見るだけ。こちとらコロナ以来外食とはとんと縁がないから、いささかうらやましくもあるが、フラフラ街をうろついて感染せぬように願いたいものだ。病気に苦しむ上に迫害されて、ひどい目に会いかねませんぞ。
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