« Daily Oregraph: サバの思い出 | Main | Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾノシモツケソウ »

July 03, 2020

Daily Oregraph: ギョウジャニンニク―枯れたり咲いたり

200703_01
 この花を今年最初に撮ったのは6月15日。6月27日には上半分が開いて、下半分はまだつぼみの状態であった。

 満開になったところを撮るつもりだったのだが、本日見たらこの有様である。下半分は開花したけれど、上半分はごらんのとおり。たぶん6月30日あたりにチェックすればよかったのだと思う。うまくいかないものであります。

 3個の緑の球体と見えた部分は花が落ちても残り、ちょっと拳骨のようにも見える。牧野先生の図鑑には「さく果はふくれた3部分から成り」とあるから、たぶん割ってみれば種があるんだろう。花がすっかり枯れたらチェックしてみよう(忘れなければだが……)。

 さて学名の Allium Victorialis を頼りに OED を検索してみたが、ヒットしなかった。もちろん Allium(アリアム=ネギ属) はちゃんと収録されており、その仲間として名前が挙がっているのは、

  garlic, the onion, leek, chive, shallot, and
  the British wild flower Ramsons.

 ガーリックとオニオンはおなじみ。英和辞書を見ると、リークは「ニラネギ」とあり、チャイヴはアサツキの仲間で、シャロットはワケギだそうな。せっかくだから、ネギ属の単語をイモづる式に覚えてしまおう。

 さて問題はラムソンだが、ひょっとしたらギョウジャニンニクの親戚じゃないかと期待したら、「広葉のニンニクの一種」(『リーダーズ英和』)とある。なんだか要領を得ないから本家 OED を確認すると、やはり「広葉のガーリック Allium ursinum;薬味として用いるその球根。主に複数形で。」とある。ついでながら、 wild chive は wild garlic or ramsons の意味として使われ、shallot は a small onion なりとある。

 ギョウジャニンニクも「広葉」だから、たぶん似ているにちがいないとは思うが、辞書でわかるのはここまで。こういう時頼りになるのが、Google の画像検索で……おお、やはりよく似ている。著作権の問題があるから、興味をお持ちの方はご自分で検索してごらんになるといいだろう。

 葉っぱもよく似ているし、花の色も白で付き方も同じ、花びらの形はちがうけれど、予想どおりイギリス版ギョウジャニンニクといっていいような気がする。

 ギョウジャニンニクでここまで引っぱれば、小学校の夏休みの自由研究は一丁上がり。しかしもちろん高校以上では通用するわけがなく、「顔を洗って出直してこい!」とチコちゃん先生に叱られることまちがいなし……(笑)

|

« Daily Oregraph: サバの思い出 | Main | Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾノシモツケソウ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« Daily Oregraph: サバの思い出 | Main | Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾノシモツケソウ »