Daily Oregraph: 京都足棒日記 神社巡り編 (4)
3月28日。いわずと知れた八坂神社である。
京都足棒日記もいよいよ最終回だから、このにぎやかな神社が最後にふさわしいかもしれない。
ここは立地的条件に恵まれているから、いつ来ても人だらけである。だからちょっと迷ったのだが、まあ、たまにはいいか。
八坂さんは神社界の大企業だから、ぼくなんかがお賽銭を上げる必要はあるまいと判断し、横目でちらりと見ただけ(笑)。
境内にある美御前社(うつくしごぜんしゃ)。道理でレンタル着物おねえさんたちが集まるわけだ。
桜が咲いていなくとも、そこそこ人は集まるものだ。もう少し気温が上がれば、ビールが飛ぶように売れるにちがいない。
たいして見物もせぬまま八坂神社をあとにして、このあと祇園界隈をブラブラしたけれど、写真は割愛する。
四条河原町まではとにかく人出が多い。多すぎていやになる。人の好みはさまざまだが、やはり京都のおもしろさは路地散歩にあるとぼくは思う。
3月29日。上賀茂神社。
この日は六条河原院跡まで歩き、ちょうど河原町五条のバス停に上賀茂神社行きのバスが来たので、ついフラフラと乗ってしまったのである。かつてのホームグラウンドの引力とは恐ろしいものだ。
たいへん有名な神社だが、八坂神社よりはぐっと落ち着いた雰囲気である。
ホームグラウンドとはけっして誇張ではなく、まさにこの写真の芝生で仲間とソフトボールをして叱られたのである。いまや世界遺産だから、そんなバチあたりな真似をしたらしょっぴかれるかもしれない。
境内にある片岡社。ここはご祭神賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)の母君である玉依比売命(たまよりひめのみこと)を祀っている。
縁結び-子授け-家内安全と、順序よくかなえてくださるありがたいお社。絵馬の数を見ても、多くの女性の信仰を集めていることがわかる。
来るたびにすばらしいと思うのが、境内を流れる御手洗川(みたらしがわ)である。夏はここに逃げこめば涼しくていいだろう。
前日の八坂神社あたりからたまった疲れが出たらしく、しかもこの日も六条通りを突き抜けた直後だから、さすがにくたびれた。境内を一回り歩いてすぐに失礼する。
工事中の御薗橋を渡ったときにはもう十二時半近く……どこかで一休みしたいところだ。
といったって、元来安上がりな男だから、御薗橋西詰の王将で餃子とビール。のどが乾いていたのである。
-あの、お車ではないでしょうね?
店員さんにそういわれて、思わず笑ってしまった。
-歩きですよ、歩き。
いや、このたびはほんとうによく歩いたものだ。足が棒とはけっしておおげさではない。釧路では車に頼り切りだから、健康のためいっそこちらに引っ越そうかしら。雪かきもしなくてすむしなあ(笑)。
(おわり)
Comments
王将を選ばれるとは、さすが薄氷堂さん。
しかも餃子2人前ってのがいい・・・
お腹が空いてジョッキを傾けようとしたら、一人前ではどうしたってたりませんよね。
Posted by: 三友亭主人 | May 20, 2017 21:16
>三友亭さん
いや、ほかに思い浮かばなかっただけなんですよ。でも町歩きで喉が渇いたときは、餃子とビールにかぎります。
一人前ではさすがに少なすぎるし、三人前はもう食べられないですから(笑)、ちょうどいいんですね。若い頃はこれにチャーハン一人前をいっぺんに平らげたものですが。
Posted by: 薄氷堂 | May 21, 2017 10:57