Daily Oregraph: 土門拳 『筑豊のこどもたち』
亡父の本棚を探したら、土門拳の写真集『筑豊のこどもたち』がみつかった。初版ではないけれど、1960年2月27日三版である。
日本にこんな時代があったことを若者たちの多くは知らないだろうから、どこかで目にする機会があったら、ぜひお読みいただきたいと思う。
土門さんの著作権はもちろんまだ存続しているから、内容をつぶさにご紹介することは差し控えるが、ザラ紙に印刷して定価100円に抑えたこの本の雰囲気は、
これを見ればおわかりいただけると思う。
今となってはいわゆる「お宝」みたいな本であるが、なにしろ56年前のものだし、ザラ紙だからすっかり黄ばんでおり、スキャンするために開いただけなのに、ステープラーの部分で表紙がパリッと破れてしまう始末である。
このままではいずれボロボロになってしまうのではないかと思う。いっそバラして高解像度でスキャンし、PDF保存したほうが後世の役に立つかもしれない。
もう一枚だけ。作者の「あとがき」をお読みいただきたい。
Comments
>初版ではないけれど、1960年2月27日三版である。
私の生まれた年ですねえ・・・ということは、薄氷堂さんはこの写真の中の子供たちと同じお年頃。
そんなに経ったのですかねえ・・・
私なんかこの年の8月に生まれてるんですが、その時からなんにも進歩していないような気がします(笑)。
・・・いやいや、一つありました。ミルクがお酒になりました・・・
Posted by: 三友亭主人 | April 29, 2016 07:49
>三友亭さん
あの頃は一般に貧しかったですよ。ツギの当たった靴下などはあたりまえ。
栄養状態が良くなかったんでしょうね、冬になればヒビ・アカギレはごく普通。衛生もまたほめられたものではなく、蚤やシラミ、寄生虫はおなじみの存在でした。
男の子は青ばなを垂らし、始終それをぬぐうものだから、袖はテカテカ(笑)。
油断していると、そんな時代に逆戻りといった事態にもなりかねないのでは……
Posted by: 薄氷堂 | April 29, 2016 11:44