Daily Oregraph: カッコウを囲う話
こうもネタ切れではどうしようもない。写真を撮ったまではいいけれど、話のこじつけようがないのである。
そこでイギリスの昔話から小話をひとつ(長いのはしんどいからね(笑))。
舞台はゴータム(Gotham)という有名な阿呆村。マザーグースにも登場するので、拙訳をご紹介しておこう。
たわけ村の知恵者が三人
お椀に乗って海へ出て
もちっとお椀が丈夫なら
おいらの歌も続いたに
さて今日のお題は「カッコウを囲う話」であるが、けっして駄洒落ではなく、原題が Of Hedging a Cuckoo だから、忠実な訳なのである。
昔ゴータムの連中がカッコウを飼って一年中歌わせようと考えた。そこで町の真ん中にぐるりと丸く垣根をめぐらせた。カッコウを一羽捕まえて垣根の中に入れると、「年中そこで歌うだぞ。さもなきゃエサも水もやらねえぞ」というた。カッコウは垣根の中にいることに気がついたとたんに飛び去った。「あのくそったれめ!」とみんなはいうた。「垣根の高さが足りなかっただ」 -More English Fairy Tales(研究社出版 英米児童文学選書 6 昭和49年第3版)より
なんとなく「死ぬまで働け」という、どこぞのブラック企業を連想させる話だが、滅私奉公などとんでもない、そりゃカッコウでなくたって逃げ出すだろうよ。悪知恵が働くようでもバカはしょせんバカという教訓(?)。
Comments
>来月の月番は三友亭さんか?
・・・お代官さま、それだけはご勘弁を(笑)・・・
だいたい週一回の更新もしんどいわけですからちょいと無理な話で・・・でも、以前は、最近止まっている他の二つのブログをふくめるとほぼ毎日更新していたわけですから・・・毎日更新できないわけでもないのですが・・・
・・・なんでなんでしょうね、なかなか更新できない。
だいたい…薄氷堂さんが毎日お書きになっているのでコメントも何日かぶん遅れてしまっています・・・すんません。
Posted by: 三友亭主人 | August 27, 2015 23:02
>三友亭さん
苦しまぎれに約40年前に買ったきりろくに読みもしなかった本を引っぱり出したというお粗末。
でもグリム童話とはちがった味わいがあるので、またお世話になろうかな、と思っています。
> それだけはご勘弁を(笑)・・・
そりゃあならねえ。毎日歌いつづけねえと、エサもお酒もやらねえだ。
……というのは冗談ですが、毎日とはいわなくとも、たまには強化月間もいいのではないかと。
Posted by: 薄氷堂 | August 28, 2015 07:53