Daily Oregraph: 散歩マンネリズム
いつもは線路沿いに右手、つまり西に向かって歩くのだが、昨日は小屋のあたりから道をそれて、写真の坂を上がってきた。
マンネリを打破しようと、こうしてたまには目先を変えてみるのだが、高校生の頃からの散歩コースには抵抗しがたい引力がある。マンネリズムに陥るにはそれなりの理由があるのだろう。
そこで本日は堂々とマンネリ・コースを歩くことにした。
なにしろ長いつきあいだから、海からは離れられない。内陸、特に盆地は息苦しいのである。どこへ逃げようとも関所にはばまれるような気がしてならないのだ。
強行突破をはかろうものなら、
-忠治、御用だ!
と、たちまち木っ端役人どもに包囲されるにちがいない。ああ、いやだ、いやだ。
しかたがないから、西日の射す狭い部屋にくすぶって、チキンラーメンをずるずる啜り、安酒で憂さを晴らす……それがみじめな盆地暮らしである。
ときどきふっと潮の香りが漂ってくる。立ち止まってそれを吸いこむ。
鉄路と電柱。けっして装飾過剰ではないけれど、なにもないというわけではない景色がまたいい。ほとんど完璧といっていいのではないか。マンネリズムのどこが悪い?
知人の浜で海とお別れ。ここからふたたび21世紀の浮世へ戻るのである。
短い距離だが、やはりこのコースは外せない。
Comments
こんにちは!
散歩は決まったコースがよろしいようですよ。
見慣れた風景を歩くと思考にも良い、とか。
京都に「哲学の道」というのがあるそうでして、
歩いて考えた人も、同じ道を毎日歩いたわけでしょう。
毎日同じ道、いいじゃありませんか!
Posted by: 只野乙山 | May 24, 2015 08:22
>只野乙山さん
どうもありがとうございます。
しかし同じ道を歩きつづけても、さっぱり頭がよくならないのはどうしたことでしょうか(笑)。
ひょっとしたら歩き足りないのかもしれませんね。
Posted by: 薄氷堂 | May 24, 2015 21:19