Daily Oregraph: 悲しみなきに……
今年最後の小松菜。大小不ぞろいなのは、ちゃんと間引きしなかったせいである。もちろんこれでは売り物にはならないが、味はけっして悪くない。
しかし一面に雑草がはびこっているので、来年はどうしたらよいものか。ふたたび原野に戻すか、それとも鍬を入れなおすか……まあ、一杯やりながら考えるとしよう。
肴は小松菜とサンマ。写真はスーパーで一尾75円の小ぶりなサンマだが、今夜焼いて食ったのは、いただきものの一回り大きいみごとなサンマである。
-うまい!
思わずそう声に出したほど、脂の乗ったうまいサンマであった。嫌いではないけれど大好きとまではいえぬサンマをこれほど美味だと思ったことはない。目黒のサンマを食べた殿様になったような気分である。
当ブログにコメントをくださる方々が酒、酒とおっしゃるものだから、ぼくもついつられて今夜は日本酒にした。といっても無印のカップ清酒なのだが、ぼくには十分うまかった。
なんとかミクスという、くそまずいホットケーキ粉みたいな経済政策下にあっては、自家栽培の小松菜といただきもののサンマ、それに安酒というコースこそ田舎の貧乏ジジイにはふさわしい。
秋刀魚喰ひ悲しみなきに似たりけり 齋藤空華
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Comments
なんとかミクスとホットケーキミックスを一緒にしちゃあかわいそうですよ。
少なくともホットケーキミックスは、そんなに裕福ではなかった私たちの子供の頃のお菓子に対する飢えを満たしてくれる安価なものでしたから、どっちが優れているかは明白(そう、「すぐれる」を「優れる」と書くのはいいですよね)。なんとかミクスは貧乏人の飢えを満たしてはくれません。
Posted by: 三友亭主人 | October 13, 2013 07:57
>三友亭さん
なんとかミクスという造語は、宣伝業界のプロが作ったのかな? と、ぼくは疑っています。
それを日夜マスコミが恥ずかしげもなく垂れ流すものだから、サブリミナル効果の百万倍は効き目があったことでしょう。
実際にはなんの恩恵もこうむっていないどころか、物価が上昇して困っている大勢の人々がまんまと乗せられているのは滑稽といおうか悲惨といおうか……
ぼくなどは(左右を問わず)どんな政権であれ、お上のいうことはたいていウソ、たまに真実がまじっていたとしても話半分に聞いておくのがコモンセンスというものだろうと思っています。
あ、たいていのホットケーキミックスはよく出来ていますよ。たまたま粗悪品が出回っているということです。
Posted by: 薄氷堂 | October 13, 2013 08:56
釧路の旬の秋刀魚に庭どりの小松菜
あ~~この人、なんて贅沢なんでしょ。
最近、こういう食事からほど遠い飯を食っているので
うらやましい限りです。
Posted by: 根岸冬生 | October 14, 2013 10:10
こんにちは!
裏庭の菜園もとうとう最後ですね。
写真を拝見すると、市販の小松菜がいささか太り過ぎていることを感じます。
秋刀魚が75円というのはいいですね。
ちなみに近所のスーパーマーケットで入手できるそれは、
北海道産というのが多いと思います。
どこに水揚げされているんでしょうね?
Posted by: 只野乙山 | October 14, 2013 10:55
>根岸冬生さん
> なんて贅沢なんでしょ。
そういわれてみれば贅沢かも(笑)。なんとなく複雑な気分です。
Posted by: 薄氷堂 | October 14, 2013 12:40
>只野乙山さん
最後の小松菜は、気温が低下したため、大きく育ちませんでした。
サンマは釧路や根室で水揚げされています。活きのいいサンマを食べられるのは地元の強みですね。
Posted by: 薄氷堂 | October 14, 2013 13:29