Daily Oregraph: 低気圧の男
このところなにをしてもうまくいかず、どうも気分が晴れぬので、山花温泉でひとっ風呂浴びてきた。
小雨降る中で露天風呂につかり、ほんの少しは気分転換になったけれど、抜けるような青空が欲しかった。ただでさえ気が滅入っているというのに、気圧が低いと頭をぐいぐい押さえつけられた気分になるからだ。
帰り道にふと思いついて、漁船派の三友亭さんのために一枚パチリ。こういう景色は釧路も塩釜も変わらないだろう。
さていささか唐突だが、気晴らしのため南方熊楠先生のダジャレでも。
少年また王后の麗容に驚き、たちまち象牙の英語で相惚れときた。
う~む、ivory が相惚れねえ(笑)。
大悦びで夫と共に二児を大籃(かご)にふせおいた体、あたかも安珍を道成寺の鐘下に匿(かく)したごとし。禿鷲は執念深いからどうせただはおくまい、ドウモ安珍ならぬと案じたのだ。 (以上『鷲石考』より)
まあ、こんな起承転結のない文章を書くようでは、ぼくなどは「残酷な」の英語で狂える(cruel)ときているから、清姫もあきれて追いかけては来まい。まずはひと安珍。
The comments to this entry are closed.
Comments
>こういう景色は釧路も塩釜も変わらないだろう
う~~ん、良い光景ですね。
でも、これはどっちかというと石巻や女川ですね。あるいは気仙沼。
塩釜は結構大きいのが多いんですよ。
Posted by: 三友亭主人 | October 25, 2013 23:09
>三友亭さん
漁港には独特の雰囲気があっていいものです。
> 塩釜は結構大きいのが多いんですよ。
そうでしたか。釧路は国内有数の漁港なので、大小さまざまの漁船が見られるんですよ。いずれ大型漁船の写真をお目にかけましょう。
Posted by: 薄氷堂 | October 25, 2013 23:52
こんにちは!
南方熊楠の著作を読んだことがありませんが、
意外と(?)お茶目な一面をお持ちのようですね。
ivory=相惚れですからね。
薄氷堂さんのcruel=狂えるも傑作!
cruelは発音が難しいのです。
「喧嘩」や「リス」もそうだと思います。
Posted by: 只野乙山 | October 26, 2013 10:25
>只野乙山さん
熊楠先生は到底ふつうの物差しでは測れぬスケールの大きいお方でして、下ネタも平気で使っていますよ。
ほかに例の見当たらぬ、本来の意味でのユニークな人物だと思います。
あの超人的な記憶力の二十分の一でも欲しいところなんですが……
Posted by: 薄氷堂 | October 26, 2013 20:17