Daily Oregraph: 雨の日の調べもの
台風のもたらした雨が激しく降っている。縁起でもない話をするにはこういう日がふさわしいかもしれない。
さて『嵐が丘』もいよいよ中盤、1784年3月20日に Catherine はこの世を去り、次の金曜日に埋葬されることになった。
ネット上のあるサイトで曜日を計算したところ、その年の3月20日は土曜日である。とすれば問題の金曜日は3月26日、つまり彼女の遺体は一週間もの間ふたを開けた棺桶の中に安置されていたことになる。
そこで気になったのは、現代ならいざ知らず、当時一週間も遺体を放置して問題はなかったのだろうかということである(あなたは気になりませんか?)。いったん気になると一歩も先へ進めないからネット検索した結果、たいへん参考になる記事がみつかった。
それによれば、
18~19世紀のスピトルフィールズ(ロンドン市内)では、教会地下室への埋葬は死後1~21日の間に行われた。
ただしふつうは死後12日以内、夏場は8日以内だったという。
結局一週間という期間は当時ふつうだったとわかり疑問氷解、あらためてインターネットの威力を痛感したわけだが、正解にたどり着くまでには根気も時間もそれなりに必要だ。こんなことばかりしているから、さっぱり先へ進まないのである。
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Comments
こんにちは!
3月のイギリスだと、おそらく気温は10℃台だと想像します。
だとしたら、一週間くらいは大丈夫(?)なのかなと思いました。
日本だったら季節を問わず、まあ3日以内にすべてが終わることが多く、
やはり仰るように気になって仕方ありませんよね。
しかもあちらは土葬でしょうから、
ますます気になるわけですね。
Posted by: 只野乙山 | September 18, 2013 09:34
>只野乙山さん
季節的には大丈夫だろうと思ったんですけど、一週間も家の中に置きっぱなしというのはちょっと気になりますよね。
さて問題の金曜日なんですが、急に天気が崩れて雪になります。いくつかの翻訳は「それまで三週間夏 (summer)があったとはとても思えない」としているんですが、そんなバカな(笑)。
ときはまちがいなく三月。かりに夏の終わりだったとして、いくらイギリスでもいきなり夏が終わって雪が降るわけはありません。「夏を思わせる天気」としなくてはね。
……というわけで、いろいろ「気になる」んですよ(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | September 18, 2013 22:14