Daily Oregraph: グラスの中の悪魔
数日ぶりに春採湖畔へ。やや冷たい空気が心地よい。
この並木道は、マツの仲間だろう、針のような細かい落葉が降り積もって、今の時期には絨毯を敷きつめたようになる。
帰宅後、先日切ったエゾヤマザクラの太い枝の解体作業を断行する(おおげさな)。この枝を上の小さいノコギリで切るのはしんどかった。今日は買ったばかりの一回り大きめのノコギリを使ったので、作業はかなり楽であった。
マジメにお仕事したあとの昼食は、野菜たっぷりのスパゲティ。これ、みかけによらずうまいのである。
さて本日の読書。信心深いミス・クラックは、病気のおばさんにむりやりありがたい本を読ませようとする。もちろん悪気はない。それどころか、おばさんの病気には医学よりも信仰のほうが効くのだと信じ切っているのである。信仰も悪いとはいわぬが、ほどほどにしないとはた迷惑なようで、おばさんはすっかり閉口している。
クラックさんおすすめの一冊に『家庭のヘビ(The Serpent at Home)』というのがあって、ヘビはもちろん悪魔の象徴である。それによると、悪魔はどこにでも潜んでおり、たとえばヘアブラシの中、鏡のうしろ、テーブルの下、窓の外……つまり家中どこもかしこも悪魔だらけだから、用心せよということらしい。
しかしそれほどユビキタスな悪魔にどう対処しようというのか? (それに素朴な疑問だけれど)悪魔を野放しにしたまま、いったい神様はどこでなにをなさっているのだろうか?
……とまあ、これはバチあたりのいうことだから、どうかご勘弁願いたい。ぼくだって、グラスの中に悪魔が潜んでいるという点については、同意しないわけでもないのだから。
The comments to this entry are closed.
Comments
「小さいノコギリ」って、これは「廻し引きノコ」と言いまして、本来の用途はコンパネなどの中に円形を切り出す為に使います。
円の弧に沿うように、ノコの背(高さ)が極端に短くなっています。
これで太い枝を切っていたとは...(驚)
例えれば、小学生の一輪車で自転車のロードレースをやるようなものですね〜。(ご苦労様でした)
Posted by: アナログ熊さん | November 20, 2012 09:05
>アナログ熊さん
いやお恥ずかしい。おっしゃるとおり、道具はちゃんとしたものを使わなくちゃいけません。
親方からごらんになると無茶もいいところですよね。回し挽きは、たしかに円穴を切るために、何年も前に一度だけ使ったものです。
囚人が窓の鉄格子をシコシコ切るようなものでしたけど(笑)……なんとか脱獄成功かな?
Posted by: 薄氷堂 | November 20, 2012 10:57
こんにちは。
枝切りの作業ですね!
すべての工程が済むまで、大分かかるでしょうね。
野菜たっぷりのスパゲッティ、おいしそうです。
なるほどこれなら、栄養的にもいいですし、
分量的にも満足できると思います。
そちらは初雪、北海道は完全に冬モードでしょう。
こちらは本当の冬が来る直前の、最後の時期です。
Posted by: 只野乙山 | November 20, 2012 17:52
>只野乙山さん
おかげさまで今年の枝払いは終了です。こういう作業は草の生い茂る夏にはできませんので、秋の終わりから冬のはじめにかけての時期最適だと思います。
> 分量的にも満足できると思います。
満足できすぎなので困ります(笑)。皿に盛っただけ食べちゃうんですよ。
Posted by: 薄氷堂 | November 20, 2012 21:20