Daily Oregraph: 明日はケーキを
ミヤマニガウリの種。図鑑には種子は1~3個とあるが、写真のように3個のものが多いようだ。完熟すると黒くなる。
さて予定より一日早く『虚栄の市(Vanity Fair)』を読み終えた。19世紀の風呂に首までつかった気分である。明日は例によってケーキでお祝いしなくちゃ。
John Sutherland 先生の Introduction はおおいに勉強になった。いつもながら、解説を読むと、なるほど! と目からウロコが二三枚落ちるのである。
本書には「解説」のほかに、原稿の異同や出版の経緯について、10頁ほどの説明があり、これがまた読み物としてもおもしろく、一気に読んでしまった。たいへんトクをした気分である。
この説明文から一箇所だけご紹介すると、Vanity Fair という題名は、ある真夜中にひとりでに思い浮かんだものらしく、
彼は「ベッドからはね起きて部屋を三べん駆け回り、『Vanity Fair, Vanity Fair, Vanity Fair』 と口にしたのであった」。
なんとなく根岸冬生さんあたりが喜びそうな話だね(笑)。
次はこれだ。またしても19世紀(笑)。明日はノートを(今回は2冊)製本しなくちゃいけないから、明後日から取りかかることになるだろう。
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Comments
小説の題名って・・・作家の皆さんはどうやって決めているんでしょうね。描き下ろしなんかだったら、作品全部ができてからでもきめられるけど、連載物なんかはね・・・とくに新聞小説なんか・・・まさか題名なしで連載を始めるわけにもいかないだろうし・・・
漱石なんて「門」を書いているときに友人に「いっこうに『門』らしくならなくって困っている」なんてことをかいているし・・・題名がまず先に決まって、中身をそれに合わせて行くってのもあるんでしょうね。
Posted by: 三友亭主人 | October 11, 2012 06:07
>三友亭さん
漱石先生、悩みましたか。いっそ『門』と『こころ』をいっしょにして、『悶』なんてのはいかが?
タイトルが人名や地名だと苦労はなさそうですが、ディケンズの『オリヴァ・ツイスト』みたいにオリヴァの影が薄いのもありますしね。
Posted by: 薄氷堂 | October 11, 2012 19:46
そう言えば、20代の頃でしたが
新聞記者をしていて
夜中に、ガバッと起きて
「これだぁ!」と叫んでメモを取ったことがあります。
僕は最高の企画だと思ったんですが
朝起きてみると、どうってことのない内容でした。
メモの中身。
Posted by: 根岸冬生 | October 12, 2012 09:23
>根岸冬生さん
> 朝起きてみると、どうってことのない内容でした。
夢にはそういうことが多いんですよね。
ごくまれにいいアイディアが浮かぶこともあるのですが、どうもそれは寝入りばな、まもなく眠りに落ちようかというあたりのことが多いように思います。
Posted by: 薄氷堂 | October 12, 2012 11:59