Daily Oregraph: 雨と霧の中で
雨、そして霧。最高気温わずか21.6度(@12:40)なのに、体を動かしているうちに汗がにじんでくるのは、高い湿度のせいである。
ほとんど部屋にこもって本を読むが、今日はあまりはかどらない。
野心に燃えるレベッカ嬢はまずは邸内の人々に取り入るべく、着々と作戦を練っている。もちろんいずれは玉の輿を狙っているのだが、不釣合いな結婚が必ずしも幸福をもたらさないことは、この家の奥方を見ればわかる。
後妻の彼女は、金物商人の娘である。主人のバロネットは強欲で無教養な男だが、家柄のおかげで国会議員の身分にあるから、それこそ玉の輿である。しかし家柄と財産を秤にかけた結婚があたりまえだった当時のこと、たかが小商人風情の娘だというのでバカにされ、屋敷内ではほとんど孤立無援の状態に置かれている。
娘をふたり産んでからは、あわれ容色も急速に衰え、普通の結婚をしていればたとえ裕福ではなくとも幸福な生活を味わえたかもしれないのに、ときどき主人に殴られたりしながら、メソメソ泣き暮らしているのである。
しかしレベッカ嬢は、こどもの頃すでに父親の借金取りと渡り合い、玄関先で追い返したほどの女傑である。亭主にぶたれて涙に暮れるようなやわな女ではない。性質善良とはとてもいいかねるが、孤児の境遇からのし上がってやろうという野望には、一種の小気味よさがある。なぜか成功を祈りたくなるのである。
というわけで……やっと109頁にたどりついた。やれやれ。
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Comments
冒頭の写真だけで完璧な清涼剤。
ひんやりと皮膚に感じる冷気が伝わってきます。
僕のほうは、台風の後始末で週末、沖縄にまた、行くようです。
Posted by: 根岸冬生 | August 27, 2012 09:50
>根岸冬生さん
ひんやりはいいんですけど、肌にべとつくのが困りものなんですよ。湿度ほぼ100%に近いと思います。
沖縄の台風被害、心配ですね。冷蔵庫の中身が無事だといいんですけど。
Posted by: 薄氷堂 | August 27, 2012 20:46