Daily Oregraph: 春採湖畔 オオアマドコロを確認
この距離からでは確かめようもないのだが、ミヤマザクラだろうか? 接近しにくい場所なので宿題にしておこう。
宿題といっても提出期限はないから、いたって気楽なものだ。まあ、今日もぶらぶら歩きにおつきあいいただければ幸いである。
ネイチャーセンター前のズミの花が咲きはじめた。ズミといえば、旧青少年科学館前に立派な木があり、満開になると一見の価値あり。この分だと来週あたりだろうか。
昨年から注目しているのが、このテントウムシ(名前は未確認)とミヤマニガウリとの関係。とにかくミヤマニガウリの葉の上でみかけることが多いのである。今日も5頭(でいいのかな?)ほど確認した。
エゾニワトコの花。ちょっと黄色みを帯びているため、地味な存在である。
ゴマツリ岬付近では毎年目にしてはいるのだが、これほどまとまって咲いていると知ったのははじめて。少し離れて、もう一箇所小群落があった。いままでどうして気づかなかったのだろうか。
実はこの写真には重要な意味がある。ぶら下がっている花の数にご注目いただきたい。
何か所か花が三個ずつついている。『北海道植物図譜』(滝田謙譲)ではオオアマドコロについて、
花は円筒形、長さ2.0~2.5cm。葉腋に通常2個ずつ下垂するが、3~4個、ときに5個下垂する場合もある。
としている。
実際同書の図版を見ると、花は3~4個ずつ下垂している(アマドコロは1~2個下垂)。花茎の高さだけ見れば、オオアマドコロが0.6~1m、アマドコロは0.5mほどだから、春採湖畔のものはオオアマドコロにちがいない。
ところが春採湖畔でぼくのこれまで見たものは、例外なく花が1~2個で、3個以上下垂したものは一例もなかったから、オオアマドコロだという自信が持てなかったのである。本日確認できたからには、近いうちに植物アルバムの写真を差し替えてアマドコロをオオアマドコロに訂正しておきたいと思う。
植物は変異が多いし、ときに中間種みたいなものが存在することもあるらしいから、本当にむずかしい。花が2個ずつならともかく、1~2個下垂しているものもあることから、アマドコロとオオアマドコロの両方が存在している可能性もゼロではないかもしれない。ご専門の方のご教示を賜れば幸いである。
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Comments
時々春採湖に行くのですが。なかなか薄氷堂さんにお会いできないのが残念です。
私が頻繁に春採湖に行っているのではないので、あたりまえかもしれませんが。
さて、釧路市立博物館友の会「ガイドブック 春採湖畔花ごよみ200選+α」によるとオオアマドコロが掲載されているのですが、アマドコロは掲載されていません。
とすると、薄氷堂さんが春採湖にアマドコロを発見したことになりますね。
Posted by: K | June 17, 2012 10:03
> 薄氷堂さんが春採湖にアマドコロを発見したことになりますね。
いえ、やはり本当はオオアマドコロなのに、ぼくがアマドコロだと考えた可能性のほうが大きいんじゃないかと思います。今回撮った個体は大きさといい花の数といい、まさにオオアマドコロです。
『北海道植物図譜』にもオオアマドコロしか記載されていませんし、『春採湖畔花ごよみ』にもオオアマドコロと明記されていますから、アマドコロではないのでしょう。
しかしぼくの「植物アルバム」の写真(アマドコロとして掲載)をごらんになると、おや? とお思いになるはずです。ずいぶん印象がちがいますよ。こちらは『日本野生植物館』(小学館)に掲載されているアマドコロの写真と印象が一致します(写真ではサイズがわからないという難点はありますが……)。
そうすると、春採湖畔のものはオオアマドコロではあっても花の数が少ないタイプ(春採湖型?)なのかもしれませんね。ただしアマドコロもいっしょに存在しないとは言い切れず、ハッキリさせるためには、
DNA鑑定に持ち込むしかない(笑)
かもしれません。
ぼくみたいにパッと見で判断するのも危険な半面、専門家だから絶対に見落としがないとは言い切れませんので。
Posted by: 薄氷堂 | June 17, 2012 10:42