Daily Oregraph: 命を救うメイ・ウェスト
北埠頭から南埠頭方面を見る。風が変わったのだろう、南埠頭にたまっていた氷の一部が寄っていた。しばらく観察していると、遠くの氷がじわじわと近づいてくるのがわかる。
さて今日の海に関する俗語はメイ・ウェスト(Mae West)。
Mae West(1893-1980)は、アメリカの女優にしてセックス・シンボル。長年スクリーンで活躍したらしいが、当然ながら(笑)ぼくは知らない。
ところがその名前、次のように使われるのである。
took off his helmet, Mae West, and coverall
ぼくは最初メイ・ウェストをブランド名だと思ったのだが(おはずかしい)、実はこれ救命胴衣(life jacket)を指す。ランダムハウスによれば、
膨張式の黄色またはオレンジ色のライフ・ジャケット。船員や海上を飛行するパイロットが用いる。
またある俗語辞典によると、
第二次大戦中広く使われる。着用すると、芸能人メイ・ウェストのように、胸が大きく見えるところから。
つまりメイ・ウェスト嬢はウェストよりもブレスト(breast)のほうが目立ったらしい。実際リーダーズ英和にも、
【韻俗】 乳房 (breast)
という定義がいっしょに載っている。
おもしろい俗語だが、ぼくは実際には耳にしたことがないし、どこまで広く通用するのか見当もつかない。日本人がわざわざ知ったかぶりをして使うべきことばではないような気もする。
こういう単語は覚えておいて損はないけれど、まったく大学入試の役には立たないのが悲しいところだ。しかし救命胴衣は確実に役に立つから、釣り人は着用したほうがいいだろう。
【追記】
ウェストよりもブレストなどと、つまらないおやじギャグを書いてしまってから気づいたのだが、釧路市の教育水準をいっそう低下させては申し訳ないから、念のためお断りしておくと、いわゆるウェスト(腰の上のくびれ部分)は west ではなく、waist [weist] である。
だから実は英語ではダジャレにならない。ウソを覚えてはいけません(笑)。こんなバカなことばかり書いているから、このブログは waste だなんていわれるわけ。
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Comments
>まったく大学入試の役には立たないのが悲しいところだ
まあ・・・絶対にとは言えないまでも(いや、言えるかな?)かなり出てくる可能性の低い語ではありますね。
いやあ~本当にためになるブログだ(笑)、薄氷堂 Smoking Roomは。
Posted by: 三友亭主人 | January 31, 2012 22:23
>三友亭さん
こんなブログを読んだってねえ、まるで役に立ちませんよ。本人がいうんだからまちがいありません。
第一万葉集にくらべて格調の低いことといったら(笑)。
ネタがないから、むりやり俗語路線を歩んでいます。なんとかしなくちゃ。
Posted by: 薄氷堂 | January 31, 2012 23:27
え?なんでメイ・ウェストが??
っと、謎解きのような書き出しでした。
そうなんですよ!
私などは日本語読みのままでシャレになるか?とやるのですが、ネイティブたちには首を傾げられるだけ・・・
時々ヒットすると凄く嬉しいんですけど、悲しいから三歩歩くと忘れちゃうんですよねぇ。
メモ帳必須ですわ。
Posted by: りら | February 01, 2012 05:28
>りらさん
メイ・ウェストさんはぼくもたぶん何かの映画で見ているはずなんですけど、どうも印象に残っていないんです。やはり世代がひとつちがうから、最盛期の彼女を知らないせいなんでしょうね。
ウェストとブレストならいいけれど、ウェイストとブレストではダメ。ところが、日本語だとウェイストがウェストになっちゃっているから、話がややこしいんですよね。
ぼくみたいに辞書を引きながら活字を追っているだけの男は、どうしても単語が音として聞こえてこないものですから苦労します。
Posted by: 薄氷堂 | February 01, 2012 18:08