Daily Oregraph: シヤープ鉛筆 月印
三日月を見るたびに思い出すのが、宮澤賢治の詩にある
シヤープ鉛筆 月印 (「水源手記」より)
という一行である。みなさまはどうか知らないが、ぼくはたいへん鮮烈な印象を受け、いまでもときどき口ずさむことがある。しゃーぷえんぴつ つきじるし……なんでもないようでいて、すばらしい感覚の冴えだと思う。
どんなシャープ鉛筆なのかはわからないが、早川式は月印ではなかったはずだから、月星鉛筆かステッドラー製のものだったのかも知れない。どっちにしても、そんなシャープ鉛筆(シャープペンシルではつまらない)があったら、一本欲しいものである。もちろんノック式なんぞではなく、軸を回して芯を繰り出す昔風のものでなくてはいけない。
ただし月星にせよステッドラーにせよ、マークの月の向きは写真と反対である。写真の月の向きは花王の月印と同じ。
すもゝが熟して落ちるやうに
おれも鉛筆をぽろつと落し
だまつて風に溶けてしまはう (同上)
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Comments
軸を回して・・・そんなのありましたねえ。
私はそっちの方が上等なような気がして好きだったのですが・・・・
いつの間にか姿を見なくなりましたね。
Posted by: 三友亭主人 | October 04, 2011 05:53
>三友亭さん
ノック式シャープペンシルは、ぺんてるの100円ノックが登場してから、急速に普及したと記憶しております。たしか45年以上も昔の話ですね。
Posted by: 薄氷堂 | October 04, 2011 08:07