Daily Oregraph: 静内散歩 (1)
みゆき通りで買い物を
10月20日。
新ひだか町は平成18年に静内町と三石町が合併して誕生した新しい町である。平成17年の国勢調査では人口の合計は約2万7千人。そのうち旧静内町地区が8割以上を占める。
それだけに静内は堂々たる町であって、中心をなすみゆき通り商店街(写真)は、釧路市の北大通シャッター街よりもにぎわいがあるし便利でもある。
ホテルにチェックインしたぼくがまず向かったのは、そのみゆき通りにあるショッピングセンター・ピュア。襟裳岬の悲劇によって深刻なダメージを受けた靴をすぐに買い替えねばならなかったのである。
幸いピッタリサイズの靴もみつかり、次に入ったのが薬局(笑)。おみやげではなく靴や薬なんぞを買うと、町にぐっと親近感が湧くから不思議である。
ふだんなら夕食がてら夜の町を散歩するところだが、この日はさすがにその気にはなれず、スシの出前を注文してホテルに届けてもらい夕食とした。
朝日のあたる文化通り
10月21日。
一晩寝たおかげでいくぶん元気を取り戻し、さっそく朝の散歩に出かけることにした。
日高地方は有名なサラブレッドの産地だけあって、ホテルのすぐ近くにスマートな馬の像が立っていた。コンパクトな時計台もなかなかしゃれていると思う。
つづいてこの通りにさしかかり、あっと驚いた。馬の像は初めて見るものだったが、この通りには見覚えがあったのである。
通りの名までは知らなかったけれど、アーチには文化通りと記されている。ゆかしい名前である。
これは東側から見たところ。しかしどうもおかしい。なにかが足りないような気がするのだ。
そこで昔フィルムカメラで撮った写真をチェックしてみると……
これら二枚の写真は、いずれも2002年5月12日に撮影したもの。赤ひげとその右隣りの建物(リリー理美容院)はいまも残っているけれど、画面左手の映画館が消えて駐車場になっていることにお気づきだろうか。
では消えた映画館をお目にかけよう。
在りし日の静内文化劇場(2003年10月12日撮影)。たぶん「文化通り」の名はこの映画館に由来するのではないだろうか。
静内には不思議と縁があり、かつて苫小牧にたびたび車で出張していた頃、たいていこの町で小休止したのである。こうして古い写真を見ていると、静内駅でごぼう天ソバを食い(笑)、近くをぶらぶら歩いた思い出がよみがえってくる。
そうか、味のある映画館だったが、静内文化劇場は取り壊されてしまったのか……ちょっとしたセンチメンタル・ジャーニーだなあ。
静内散歩、次回へつづく。
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