Daily Oregraph: 2011-08-29 知人から南新埠頭へ (2)
「次回につづく」とカッコよく宣言したはいいけれど、この日は石炭を積みこむ船も人影もみあたらず、南埠頭にはなにも撮るものなんかありはしない。
困ったなあと思ったら……あった、あった、アートがあったよ。いずこの書家が腕をふるったのか、日通倉庫の壁面に「一心」とあざやかに……え、見えないって?
じゃあ、これなんかどうだろう。古ぼけた倉庫の隅につつましく活けられた菊。深まりゆく秋にふさわしい作品である。
カメラを持ってうろつくと、目のつけどころがシャープになる……というのは真っ赤ないつわり(笑)、ただの苦しまぎれですよ。
南新埠頭では船が荷役作業中であった。昔はこの岸壁にもよく仕事に来たものだが、西港の発展とともに訪れる機会は激減してしまった。
さかんに長い髪を振り乱していたホソノゲムギの群落にも、ようやく衰えが見えてきた。
南新埠頭の東側は釧路重工のドックに隣接しており、船から取り外したとおぼしき大小さまざまの奇妙な物体が置かれている。
この場所の非日常性、意外性はたいへん刺激的で、日本的なワビサビとはまるで方向のちがう魅力に満ちている。
せっかく芸術の秋にひたっていたというのに、おやおや、ブラウン管TVやビデオデッキなどが不法投棄されているではないか。
困るなあ。副港にある造船所近くの岸壁みたいに立入禁止のロープが張られたら、このモダンアートの展示場に出入りできなくなるからである。
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