November 18, 2018

Daily Oregraph: ツルウメモドキ

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 ツルウメモドキはいまの時期には貴重な彩りである。

  さてこういう「もどき」ならいいのだが、いいかげんな「歴史書もどき」は困る。

  ヒストリーの語源はストーリーです。これは「私たちの物語」なのです。  百田尚樹

  『日本国紀』なる本の著者百田尚樹氏はこうおっしゃるのだが、これ、すでに指摘されているように、辞書の語源欄を確かめればすぐにわかる、とんでもないまちがいだから信じてはいけない(たまには自分で辞書を引いてね)。万一純真なる若者が鵜呑みにしたら大恥をかくから、老婆心ながら申し上げておく。

 これではまるで読む値打ちのない駄本だと自ら宣伝しているようなものだが、たぶん彼は「これは私のこしらえた物語だけど、ストーリーはヒストリーに通じるんだから、通史を名乗ってもいいのだ」というトンデモ解釈を展開しているのだろう。

 もっとも問題なのは、こんな本でもありがたがる連中がいることだ。「読んでから批判しろ」というもっともらしいことをいう人もいようが、人生金と時間には限りがあるのだから(笑)、どちらもうっかりドブに捨ててはなるまい。

 いまぼくの読んでいる A. J. P. テイラーの『英国史 1914-1945年』は、一般向けの本だけれど、参考文献とその解説だけになんと39頁も割いている。生半可な勉強では読者をうならせる歴史書など書けるわけがないのである。

 いったいどれほどの学問があって百田氏は日本通史を手がけたのか。いい度胸をしているところだけはほめてあげたい。

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November 07, 2018

Daily Oregraph: 落葉の街

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 うすら寒い一日であった。橋の上に立つおねえさんも寒かろう。

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 飲屋街の紅葉見物もちょいとオツなものである。

 しかしぼくみたいな風流人(?)はごく少数派とみえて、通りにはとんと人影が見あたらない。昼間から顔を赤くしたおっさんたちが立飲み屋にたむろしている大阪あたりとはえらいちがいである。

 道路のあちこちには落葉が降り積もり、

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ここでは二人のおばさまがそいつを掃き集めていた。客商売だから店先をきれいにしているのだろうが、まことにご苦労さまである。

 そういえば、わが裏庭ももう一度落葉拾いをしなくては……

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November 04, 2018

Daily Oregraph: 定例散歩 11月4日

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 快晴。海がギラギラまぶしく光っている。太陽の威力恐るべし。

 ポカポカと暖かく、絶好の散歩日和である。

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 知人の浜に打ち寄せられた昆布。いまでは船を出して昆布漁をする光景は見られないけれど、近所の漁師さんたちが拾い集めて、

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使われていない線路上に干している。自家消費用なのだろう。これは大根とちがって、年中見られる景色である。

 ぼくも散歩のついでに昆布拾いをしたいところだが、残念、それは御法度である。漁業権がないからだ。みなさまもご注意あれ。

 気持のいい散歩であったが、さすがに毎度同じコースでは飽きてしまう。そろそろ大都会のゴチャゴチャした路地裏が恋しくなってきたところだ。いまの時期なら関西あたりがいいだろうなあ。

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November 01, 2018

Daily Oregraph: 大根干したり

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 十一月の空と海。まずまずの天気で、さほど寒くはない。

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 春過ぎて夏きたるらし白妙の衣ほしたり天の香具山というのは、やはり名歌だと思う。たいへん詠みぶりが素直だし、さわやかでモダンな感じがする。とても大昔の歌とは思えない。

 さてわが釧路では、いまの時期どこの家でも大根を干す……というのは実は半世紀以上昔の話で、最近ではめったに見かけぬ光景なのである。

 干してシワシワになった大根は、やがて沢庵になるのだが、ぼくはタクアンが大の苦手ときている(笑)。日本人のくせにタクアンぎらいということは、子どものころから少数派の悲哀を味わってきたということだ。

 しかし大根を干しているところを見るのはなつかしくて心惹かれる。冬の接近をやんわりと感じさせるところがいい。

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October 31, 2018

Daily Oregraph: 相生坂紅葉異聞

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 相生坂下のあるお宅の庭先にて。本日はシャッターを切らなかったので、昨日撮った一枚である。

 真っ赤な紅葉もいいけれど、こういうのも流れやリズムが感じられておもしろい。着物の柄にしてもいいんじゃないだろうか。

 どういう人物にお似合いかというと、まずは旗本退屈男(笑)が思い浮かぶ。殺しのライセンスともいうべき天下御免の向う傷にものをいわせ、掟破りの住居侵入などお茶の子さいさい、大根を切るようにスパスパ人を斬るのである。

 結局はお上の手先だから、反体制派がこの手の人物ににらまれれば悲劇にちがいない。しかし彼の刃が向けられるのは、たいてい体制内の腐敗官僚であるところがミソである。つまり消費税に苦しむその日暮らしの町民に鬱積する不満のガス抜き役というわけだ。

 バッタバッタと悪人ばらを切り倒すたびに、着物の赤と黄のモミジが夜の庭に妖しく舞って、なるほど美的殺人というのがあるとすればこれであろう。悪徳商人と結託して私利をむさぼる高級官僚どもが、醜い顔をゆがませてバッタリ地べたに倒れるんだからたまらない。

 退屈男が江戸の町をぶらりと歩けば、「あ、お殿様だ。退屈のお殿様だ!」とえらい人気である。当然女にももてる(笑)。

 -まあ、お殿様、お着物に血が……

と、イキな巾着切りのお姐さんが駆け寄ってくるのである。実にうらやましい……

 -おい、薄氷堂、おめえバカじゃねえか。

 -はて、バカとは聞き捨てならぬ。わけをいいなさい、わけを。

 -だっておめえ、いまどき旗本退屈男なんて知っているのは、ジジイとババアだけじゃねえか。そういうのを学のある人は時代錯誤っていうんだ。覚えとけ。

 う~む、なるほど、知るわけないよなあ。桃太郎侍の親戚だといえばわかってもらえるだろうか?

 いや、どうも話があらぬ方向へそれてしまったようだ。今宵はこれにて失礼。

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October 28, 2018

Daily Oregraph: 定例散歩 10月28日

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 風はさほど強くないが、海は荒れていた。

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 もっとも波しぶきをかぶりやすいのはこのあたりだ。ボーッとして海側を歩いていると、体が濡れてしまう。

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 まだ16時21分なのに、間もなく日没である。おのれの運命を見せられているようで(笑)、実にいやな感じだ。

 そろそろ夕方の散歩の時間を早めなくてはいけない。

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October 25, 2018

Daily Oregraph: 十月のオオウバユリ

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 まだ午後も早い時間だけれど、太陽が低くなったから、木々は長い影を落としている。秋ですよ、いうまでもないけれど。

 春採湖畔まで来て落葉を見たってしょうがないのだが……

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 オオウバユリのドライフラワーが異彩を放っていた。見れば見るほど奇妙というか奇怪なかたちをしている。ちょっと水木しげるさん風味があると思う。

 ウバユリは食用になるというから、オオウバユリも食べられるはずだ。たしかアイヌの人々が食料にしていたと聞く(ぼくの記憶はあてにならないけれど……)。

  若葉はあえ物やひたし物にする山菜である。りん茎(球根)からは良質のでんぷんがとれる。(地人書館『図解 植物観察事典』「ウバユリ」の項より)

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October 24, 2018

Daily Oregraph: 裏庭画報 最後の収穫

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 小雨降る中採った最後の水菜。寒くなってきたから、いくら待ってもこれ以上大きく育ちそうにない。これにて今年の畑仕事は終了である。

 エゾヤマザクラの枯葉はまだすっかり落ちきっていない。昨日までにずいぶん拾い集めたのだが、時々はらはらと舞い降りてくる。しつこいやつである。

 左側に黒い土が少し見えるのは、ここ数日の労働の成果だ。なにしろ雑草だらけで、つい先日まではまるで土が見えなかったのである。

 なにごともあきらめずにつづければ、少しは先に進むものだ。沖縄のみなさまの選挙戦連勝に至るご努力を思えば、たかが草むしり、手を抜いてはいけないと反省しきり。来年はもう少しまじめにやりたい……というか、やるんだぞ、おい。

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October 20, 2018

Daily Oregraph: 裏庭画報 ミニ紅葉

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 今年最後の草取りでもしようと裏庭へ行ったら、一面の雑草の上に大量の落葉が散乱しているのには絶句した。これはあかん、とてもおれの手には負えそうにない。

  
ああ、何もかも、もう遅い。もう遅すぎる。

 先日引用した文章が頭をよぎったけれど、気を取り直して黙々と落葉を拾い、雑草をむしった。しかし拾ってもむしっても、未来永劫敵の減ることはないように思われる。

 大きなビニール袋ひとつを一杯にしたところで、絶望感に襲われた。とても一度では無理だ。ふだん怠けていた報いだろう。

 昼になったから作業をやめにして、缶ビールを飲んで本日はおしまい。ヤケ酒みたいなものである。少なくともあと二日はかかるんじゃないかと思う。

 低木が真っ赤に紅葉していた。それだけが本日の目のごちそう。

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October 18, 2018

Daily Oregraph: 秋の空

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 いかにも釧路の秋らしく好天がつづき、日中はポカポカと暖かい。しかし朝晩はぐっと冷えこんできた。

 少しだけ町を歩いた。写真はいなり小路の空である。狭くて短くてゴチャゴチャしてなつかしい小路の面影は、定規で引いたような直線によって、もはや完全に失われてしまった。

 北大通のあちこちで建物が姿を消し、そのあとに新しく駐車場ができている。マンションが建設されている一方で、廃屋となったビルがまだいくつも残っている。

 一人の男がジジイになるまでの短い年月のうちに、町はこんなに変るものなのか。そう思うと、いっそう秋の空ががらんと広く見えた。

   雲のみか秋天遠きものばかり  齋藤空華

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