October 06, 2019

Daily Oregraph: ミヤマニガウリの秋

191006_01
 街路樹も色づきはじめ、本格的な秋の到来である。

 先月の下旬から、やっかいな仕事(といっては叱られそうだが)を引き受けたために、一日の大半を、キーボードを打って過ごしている。ドストエフスキーやディケンズともお別れして、当分はとんと色気のない、しかも理系の文章を相手にしなければならない。あんたにできますかいな、といわれてもやるしかない。

 当然頭はスパゲッティになる。散歩には出ない。腰が痛くなる。消費税が上がろうと、売国政権がどうなろうと、おれの知ったことかという気分になる。

 だが、それではいけない。そうだ、幸い天気もよし、わが友ミヤマニガウリを見に行こう。どっこいしょ。

191006_02

 さすがに雨風に打たれたせいか、あちこちにぶら下がっていた実はほとんど姿を消し、花も激減したけれど……おお、健気にもまだ咲いていたか。

191006_03

 しかも見よ。うかつにも今日まで気がつかなかったけれど、いつも観察している地点からわずか20メートルほどの場所に、これほどの群落が成長していたのである。自分よりも強大な植物を覆いつくすその姿には学ぶべきものがあると、あなたは思わないだろうか。

 ずいぶん以前のことだが、奇特にもミヤマニガウリの研究に没頭していた京大の(院生だったか学生だったかは忘れたが)某君が、調査中に行方不明になったことをネットで読んだことがある。おそらく山中で道に迷ったのであろう。

 ミヤマニガウリに命を捧げた君は、わざわざ深山には分け入らず、わが釧路の平地に来るべきであった。声をかけてくれれば、案内もしてあげただろうし、ステーキは無理にしても、釧路ラーメンの一杯もご馳走してあげられただろうに!

| | Comments (0)

September 14, 2019

Daily Oregraph: 秋風吹く

190914_01

 移転した道銀釧路支店の跡地が有料駐車場になっていた。北大通の駐車場なんてたいして儲かる商売とも思えないのだが、またひとつ増えたことになる。まばらになったビルとビルの間の荒野に秋風が吹く。

 地方都市というより、衰退しつつある日本の現状を象徴しているような気がしてならない。東京は景気がいいなどと思っている楽天的なお方は、オリンピック後の惨状を見てビックリされぬよう、今から覚悟しておいたほうがよろしいかと……

 十月からは消費税10%、バカなことをするものだ。おまえ、経済学もわからんくせに余計なことをいうな……とおっしゃるかもしれないが、ちょいと待った。

 税金は上がる、収入は増えぬでは、使える金が確実に減るんだから、冷えこんだ内需がさらに落ちこむことは、小学校の算数でわかる理屈である。微分方程式を操ることは得意でも、四則演算の不得意な秀才がいるんだから、ハハのんきだね。

| | Comments (2)

September 08, 2019

Daily Oregraph: 相生坂ひとり植物観察会

 ミヤマニガウリを見物しに相生坂までやって来た。(頭の出来はともかく)金だけはふんだんにある上級国民に対抗するのはむずかしいけれど、貧乏な下級国民は金のかからぬ高尚な趣味(?)を持っているんだから、すごいですねニッポン。

190908_01
 やあ、よくもまあ、補助金なしで立派な群落に成長したものだ。あっぱれ。

190908_02
 まだ花は終っていないどころか、花盛りといってもいいくらいだ。前回はチラホラと咲いているだけだったのに、あっちにもこっちにも小さな白い花が見える。

190908_03
 秋だからもちろん実はたくさんぶら下がっている。こいつを見ると、飄然ということばが浮んでくる。

190908_04
 せっかくだから、実をもう一つ。花がしぼんで実の膨らんでいる様子がよくわかると思う。ぼくはまだ味見したことはないけれど、どこかの先生が試してみた結果、苦い顔をしてミヤマ「ニガウリ」と命名したんだろう。

190908_05
 帰り道に坂の途中でみつけたのがエゾトリカブト。去年まではわが裏庭にも咲いていたのだが、今年は見かけない。有毒だが花は美しい。

| | Comments (0)

September 05, 2019

Daily Oregraph: おれが歩けば……

 臨港鉄道の線路が姿を消したと思ったら、今度は近所の銭湯が取り壊された。これまた長いつきあいだから、ちょっとショックである。

00081308
 こちらは2000年8月13日に撮影した写真。角の薬屋さんは銭湯よりもだいぶ前に姿を消している。

190905_01
 これが本日の夕方撮影したもの。なんとなく別の町に来たような感じさえする。

 長年同じようなコースを歩いているうちに変わるのは景色だけではない。音もまたそうだ。

 たとえば次の角を曲がると、やかましく吠える犬がいるとしよう。犬の姿は見えないけれど、ぼくが通りかかると必ず吠える。犬の分際で無礼なやつだが、毎度吠えられると、「おれが歩けば犬が吠える」という一種の法則のようにも思えてくる。そろそろ吠えるぞと身構えたとたんにワンワンとくるのである。

 それがある日ぴたりとやむんだから、諸行無常である。ふつう人間様のほうが犬より寿命が長いから、それも当然かも知れないが、ハハア、あいつとうとうあの世へ行ったか、と思う。

 気分がせいせいしないといえばウソになるけれど、ワンワンいう声が聞こえなければ聞こえないで、しばらくの間妙な気分になるものだ。法則に従って吠えてくれなくては困る、と思うのである。

 線路も消える。銭湯も消える。犬も吠えなくなる。ああ、残ったのはおれだけか……

| | Comments (2)

August 20, 2019

Daily Oregraph: 小雨降る町

190820_01

 またしても雨。今年は天候不順といっていいと思う。その証拠に、野菜の出来が極端に悪い。十分に成長する前にしなびてしまったりするのである。

 今日は半袖だと寒くてやりきれないから、車に常備してあるウィンドブレイカーを着込んで、ちょっとだけ街を歩いた。写真のおばさまが長袖なのも無理はない。

 本日の最高気温は17.4度。しかし本州のあちこちではまだ30度以上らしい。ご同情申し上げる。

| | Comments (4)

August 19, 2019

Daily Oregraph: 定例散歩 8月18日

 昨日の定例散歩。

190818_01

 枕木が撤去されていた。まだシグナル(?)や踏切の遮断機が残っているから、線路のあったことは一目でわかるけれど、あと数年もしたら、ここはただの海岸沿いの道としか見えないだろう。

190818_02
 あちこちに積まれた線路の金具類。ぼくのお気に入り(笑)は、でかい鉄釘である。これらはスクラップとして処分されるのだろうか。

190818_03
 いっぺんに道が歩きやすくなったから、あっという間に知人の浜に到着。線路が姿を消しても浜はそのままのようだけれど、ここだって昔とはずいぶん景色が変っている。今では近所の漁師さんがたまに昆布を拾い集めるくらいで、もう昆布漁の漁船は使われていない。

 たかが数十年のうちにに景色は一変するというのに、一向に変らないのは人間のバカさ加減くらいなもんだ……というのが散歩の結論とは、おれも相変らずバカだなあ。

| | Comments (0)

August 07, 2019

Daily Oregraph: サルスベリを見に

 先日あぼみさんがサルスベリは EGG にあると教えてくださったので、見物することにした。大阪まで行かなくとも実物を見られるのはありがたい。

190807_01
 これが EGG である。ここは一種の温室なのだが、ぼくはめったに入ることはない。

190807_02
 卵みたいなかたちだからエッグなんだろうと思いこんでいたけれど、よく見ると Ever Green Garden、つまり常緑園と卵をかけた洒落らしい。市民としてはお恥ずかしいが、はじめて知った。

190807_03
 あった、あった。なるほど、これは「ヒョロッとして」いる。大阪のサルスベリとはえらいちがいである。しかも花がまったく見えないのはどうしたことだろうか。

190807_04
 一回りしてみたら、花はあった。情けないことに、たったひとつだけ。おいおい、せっかく来たんだから、もっと花を咲かせろよ。

190807_05
 わざわざ出かけてきたのは、幹の滑りぐあいを確かめたかったからである。見てのとおり、木肌はたしかにすべすべだが、さわった感じではツルツルというほどでもない。エテ公ならスルスルと登ってしまうにちがいない。

 せっかくなので辞書を調べたところ、英語ではサルもスベリもせず crape-myrtle(クレイプ・マートル)という。クレイプというから、花がチリチリ、クシャクシャして見えるところに注目したのである。「中国産の低木で……イングランドの温室、また米国南部の庭園で栽培されている」(OED) とあるから、イギリスで EGG をみかけたら(笑)ぜひ見物されるようおすすめしたい。

190807_06
 河畔では観光客らしい方をちらほらみかけた。一眼レフをお持ちだが、まさかサルスベリを撮りに釧路までおいでになったわけではあるまい。この上天気でも本日は気温二十数度、どうか涼しさを満喫していただきたいと思う。

【8月9日 追記】あぼみさんが四年前に EGG でお撮りになったサルスベリの写真を送ってくださったので、どうかごらんいただきたい。

2015sarusuberi

 なるほどこれなら見ごたえがある。どうやらぼくは精進が悪かったらしい。あまりにもちがいすぎておもしろくないから(笑)、来年もう一度チャレンジしてみたいと思う。

 あぼみさん、どうもありがとうございます。

| | Comments (4)

August 03, 2019

Daily Oregraph: さらば臨鉄

190803_01

 半世紀以上つきあってきた臨港鉄道のレールがとうとう撤去された。少し先からはまだ枕木が眠ったままだけれど、それもいずれ撤去されるだろう。

190803_02

 レールが取り去られてから初めての定点撮影。

190803_03

 さらば3.8。

190803_04

 こうして鉄路の最期に立ち会えたのはなにかの縁なのかもかも知れない。次はぼくの番だな。

190803_05

 手向けに白いハマナスを…… 本日の最高気温は29.7度であった。

| | Comments (2)

July 28, 2019

Daily Oregraph: ミヤマニガウリの花

190728_01

 朝からひさびさの上天気である。最高気温も29.3度に跳ね上がった。こう天気が良くては、暑かろうがなんだろうが散歩をしないわけにはいけない。

 そうだ、ミヤマニガウリだ!

 相生坂(西側)下のミヤマニガウリについては先にご紹介したが、夏真っ盛り、あいつはどうしているだろうか……と来てみれば、おお、ぐんぐん茎が伸びて、歩道にまではみ出しているではないか。

 しかもいつの間にか株が増えて、写真の範囲外の左右にも葉っぱが見えている。このまま順調に成長すれば、数年の内にはちょっとした群落になる可能性もあると思う。春採湖畔以外に群落が出来るとすれば、釧路植物界の一大事件(笑)である。

 だが、待てよ。これほど増えたのに花が見当たらない。ていねいに見たけれど、みつからないのである。しかし花も咲かずに数が増えるというのは変な話だから、しつこく観察をつづけると……

190728_02

とうとうひとつだけみつけることができた。ごく小さな白い花である。果実も成長しつつある。汗をかきながら歩いてきた甲斐があったというものだ。

 花の次は実である。とにかく小さなものだから、散歩用カメラではいけない。マクロ撮影できるカメラが必要だろう。うまく撮れるといいのだが……

| | Comments (0)

July 27, 2019

Daily Oregraph: 朝は朝霧夕べは……

190727_01

 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。霧の深いことがなんとなくおわかりいただけるだろうか。

 今月はヒマなはずだったのに、月の後半から立て続けに仕事が入り、読書がさっぱりはかどらない。『悪霊』はやっと248ページ、おもしろくなってきたところなんだけど、ちょっと足踏みしている。

 『フランケンシュタイン』は出張先で本をどこかに置き忘れてしまい、インターネットからテキストをダウンロードしたのだが、さていかがあいなりまするやら。

190727_02

 さて「朝は朝霧」とくれば「夕べは夜霧」と対にするのが文学的常識である。少なくとも名曲「サーカスの唄」の歌詞はそうなっている。なに、ご存じないとな? それでは基礎教養に問題があるから(笑)、YouTube で検索してお聴きなさい。

 しかしいくら釧路が霧の町だといっても、毎度夜霧がかかるわけではない。ごらんのとおり、夕方には晴れ間が出たのである。明日は晴れの予報。実にありがたい。

| | Comments (0)

より以前の記事一覧