温根内植物観察を終え、さてどうしようか(と、いつものパターン)?
地図を見ると、駐車場の斜め向かいあたりから西へ、中仁々志別(ナカニニシベツ)まで一本の道路が通じている。どう見ても林道にちがいない。
林道とあれば血が騒ぎ(笑)、これは行かねばならぬ……と、軽い気持で出発したのだが、実はこの道は一筋縄ではいかなかったのである。
少し進むと左手(つまり南側)にやや大きな池というか沼が見えてきた。岸辺には紅白のヒツジグサ(スイレン)も咲いており、天気がよければもっと美しい景色を楽しめただろうと思う。右手にも小さな池がある。
やがてゲートを通過し、本格的な林道がはじまった。
しばらく前進すると温根内支線林道との分岐点にさしかかったが、支線のほうは延長わずか1.8キロ、行き止まりなのは明らかだから、もちろん本線をたどることにした。
そこからは写真も撮らず、黙々と運転する。
待避所の少ない林道では、よほどのことがないかぎり、車を停めて写真を撮ろうなどという気にはなれないのである。ところどころ粗い鋭利な砂利のまかれた路面があり、パンクの心配をしながら運転していると、なおさらそんな余裕は失せてしまうものだ。
林道は予想よりも長く、ようやく終点のゲートに到着すると、すぐ先で道が二手に分かれている(実はこの写真は、みなさまのご参考にしていただこうと、少しあとに撮ったもの。事情はやがてわかる)。
手元の道路地図では分岐のない一本道になっていたので、ちょっと迷った。林道の分岐ではたいてい車の通行量に左右大きな差があって、メインのルートは路面を一見してわかるのだが、ここではどちらもほとんど同じだから弱ったのである。
えいやっとばかり左を選んだのが失敗だった。林道をなめてはいけない。下調べせずに出かけるとひどい目にあいかねないこと、ぼくはこの日身をもって経験したのだった。これが教訓第一。
ここで本日わが測量部が作成した略図をごらんいただきたい。きっと温根内林道を走ろうという方々のお役に立つと信ずる。
ぼくは道路地図には載っていない幌呂越林道の存在を知らず、ましてやそれが行き止まりになっていることなど知るよしもなかったから、みごと一杯食わされて(笑)地団駄を踏んだのであった。
ただしこの地図には不十分なところもある。温根内
支線林道の位置が不明だし、青い点線で示されたル
ートを確認していないからだ(分岐点は数ヶ所あった
と記憶しているが、どこが点線のルートなのかはわか
らない)。
さて行き止まりに腹を立て、しぶしぶもと来た道を引き返す途中、木製の柵を何重にも並べた工事中の区域があり、その間を縫うようにして西に向かう一本の脇道があった(なんの工事なのか、いまだに首をひねっている)。
ひょっとしたら道道へ抜ける道ではないかと思って、よせばいいのに車で突っこんでいったのがまちがいのもとだった。
それは世にも恐ろしい道だったのである。
しまった! と思ったときは遅かった。Uターンするスペースがないから、やむなく前進をつづけたのだが、ちょうどラクダのコブ状の起伏が連続し、コブの頂上から急傾斜の底へ真っ逆さまに下るときの恐ろしいことといったらない。
道の両側はガードレールのない崖である。御曹司馬ども少々落といてみんとて……という、昔古文で教わった文章を思い出す始末で(笑)、連れの顔は真っ青になっていた(いや、無理もない)。
ぼくも冒険心に乏しい男だから、弱ったなあとは思ったけれど、冷静になって考えてみれば、工事用の車両が通っているからには、必ず車を回すスペースがあるはずだ。
もうひとコブ越すと……あった。ギリギリUターンできるスペースがみつかった。ハンドルを切り損なうと一巻の終わりだから、慎重にゆっくりと車を回して脱出成功。
あの道の先がどうなっているのか、まさか青色の点線ルートではないと思うのだが、興味津々。しかし命あっての物種ゆえ、二度と走るつもりはない。
迷ったときには脇道には入らず、分岐点にもどること。これが命がけで得た(笑)第二の教訓である。
分岐点にもどって反対側のコースをたどると、まもなく道道243号線に出たから、あまりのあっけなさに思わず苦笑せざるをえなかった(写真は手前が釧路方面)。
-幌呂越林道? 延長7,127m?
そのときは二つの林道を走ったことにまだ気づいていないので、キョトンとしたまま釧路へもどったというおそまつ。
今回作成した地図は値千金、どうか有効に活用していただきたい……といったって、そんな物好きな方はめったにおいでにならないだろうが、本格的な林道を楽しむには最適のコースである。
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