November 22, 2019

Daily Oregraph: 23年ぶりの羊羹

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 へえ、ちっとも変っていないじゃないか。

 当社京都通信員から送られてきた写真を見てそう思った。だって、最後にこのお店の前を通ったのは1996年3月なんだから、23年以上も昔の話である。知る人ぞ知る名物はかま餅とでっち羊羹。どちらも一度だけ味わったことがある。

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 これがでっち羊羹。刻んだ栗の入った、まことに上品な羊羹である。めずらしいことに、京都通信員が送ってくれたのである。残念ながら、かま餅は日持ちしないから、送るのを断念して、本人がむしゃむしゃ食ってしまったらしい。

 さてこのお店から少し南下すると出町商店街がある。

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 おお、「出町座」とは? 新しく誕生した映画館だという。正確には「木屋町四条上ルにあった立誠シネマが移転・改名したもの」だそうだが、今どき商店街に映画館を作るとは、さすが京都の底力だと思う。同志社も近くにあるし、一定の観客は確保できるのだろう。

 古いお店がそのまま残る一方で、思い切り新しい映画館ができるところに、京都のおもしろさがある。ぜひまた散歩に行きたいものだが、ブラキストン線のはるか彼方だから、遠いよなあ。

【11月24日 追記】

 三友亭さんのために鎌餅(これが正式名)の写真を……

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 純白の柔らかい餅が餡をくるんでいる。いかにもうまそうだが、23年前に一度食べたきりだから、とっくに味は忘れてしまった。

 大黒屋さんは場所がちょっとわかりにくい。ぼくの記憶によれば、(たしか織田信長ゆかりの)阿弥陀寺を目標にするといい。門前の小路を西に入れば、お店はすぐである。

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November 15, 2019

Daily Oregraph: シシャモ

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 天気晴朗にして風強ければ、シシャモがよく干せる。日中さっと干すぐらいだと、身はきわめて柔らかく、ムシャムシャ食うには最適である。味は淡泊かつ上品、頭から尻尾まで全部食えるところもいい。口に入れる前につくづく眺めると、まさに命をいただいているという気持になる。

 しかし昔のように冬の間の保存食とするには、徹底的に干さなくてはいけない。拍子木のようにカチカチ音がするまで乾燥させるのである。ぼくは柔らかいほうが好みだけれど、煮干しの一歩手前ほど固くなったシシャモを、石炭ストーブの上に載せてあぶるのもオツなものであった。

 どこの家の軒先にも大量のシシャモがぶら下がっていた時代は終り、最近ではこの魚も貧乏人の味方ではなくなったから、東京あたりで上物をたらふく食おうと思ったら、悪名高い安倍晋三後援会にでも入会する必要がありそうだが(笑)……そこまで堕落しては、シシャモの命をいただく資格はあるまい。

 さて、車の12ヶ月点検をかねて冬タイヤに交換。これで一安心である。安心ではあるが、雪かきはいやだ。当分降らなくてもいいぞ。

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October 27, 2019

Daily Oregraph: 水菜の奇跡

 わが家では今年は不作だったし、ここしばらく部屋にこもって仕事していることが多かったので、しばらく畑を放置していた。もう一ヶ月以上になるかもしれない。

 しかしさすがに気になってきたので、今朝おそるおそる行ってみると……これは驚いた。いや、雑草が増えたことにではない。それは予想していたことだから、やっぱりなあ、とすぐにあきらめがついた。

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 びっくりしたのは、これ。前回見たときは影もかたちもなかったはずの水菜が、はびこる雑草の間に、いつの間にか大きく成長していたのである。東夷に囲まれた京水菜。

 写真ではわかりにくいかもしれないが、わが家の収穫としてはものすごい量であって、容器からはみ出している。手にするとずしりと重い。

 収穫が遅くなりすぎて、茎はやや固くなっていたけれど、立派に晩飯のおかずの役目を果たしてくれた。こういううれしい驚きは、しょせん上級国民にはわかるまい。ざまあみろ(笑)。

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October 17, 2019

Daily Oregraph: 目玉焼きの味

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 10月16日17時50分。気温14度。

 いつものパターンではあるが、橋を渡れば、なにが待っているかというと……

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 カキの茶碗蒸し。いうまでもなく、美味であった。こいつには日本酒だろう、と思うのは素人の浅はかさ。達人は黙って芋焼酎 on the rocks を味わうのであった。

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 これはメンメ。今や超高級魚に出世したけれど、昔はたくさん獲れたから、庶民の魚だったのである。このサイズだと、ギョッとするくらいのお値段にちがいない。

 このほかにもご馳走が三皿も出たのだが、とても食べきれなかった。同席したN氏はもりもり食べていたが、こちとら年だから、胃がまったく受けつけないのである。

 ぜひともあれが食いたい、これを飲みたいという欲が、このところ急速に失せつつある。人様がご馳走を食べていても、ちっともうらやましくない。

 庶民がなにかの記念日に財布をはたいてご馳走を楽しむのならもちろん話は別だけれど、だれかの太鼓持ちをして、「へへ、これは乙でげすな」とヘラヘラ笑いながら、超高級ランチを食って得意がっている連中など、いい年をしてバカじゃないかと思うだけである。

 目玉焼きをしみじみうまいと思って味わう(笑)心境など、おまえたちにはわかるまい。

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October 10, 2019

Daily Oregraph: をかしきこと

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 神奈川県のAさんが、ありがたいことに、今年もどっさり落花生を送ってくださった。こいつの塩茹でをモグモグやりながら、今この記事を書いている。

 さて相変らず色気のない論文と格闘して疲れたから、中川@やたナビさんのツイッターに紹介されていた『宇治拾遺物語』中の「河原院での宇多天皇と源融の幽霊とのバトル」(笑)をさっそく拝読した(どうもありがとうございます)。なにしろぼくは、河原院跡に二度も足を運んだほどの、奇人源融ファンなのである。

 ちょっとだけ勝手に引用させていただくと、(融の左大臣は)「陸奥(みちのく)の塩釜(しほがま)の形(かた)を作りて、潮(うしほ)を汲み寄せて、塩を焼かせなど、さまざまのをかしきことを尽して住み給ひける」というのだが、問題は「をかしき」である。

 驚くなかれ、三千人もの人足を使って塩を焼いたというから、話半分としたって、当時の人々から見ても尋常のふるまいではあるまい。まさか「趣がある」などという人がいたとは思われず、21世紀のぼくと同じく「ヘンテコな」と思ったにちがいない。一筋縄ではいかない京都人のことだから、当時どんな陰口を叩いたものか、想像するだけでおかしくなってくる。

 そんな変人だから、天皇さんに向っても傍若無人のふるまいをするのかというと……二人のバトルについては、中川さんの校訂本文をぜひお読みいただきたいと思う。もうからないお仕事をコツコツとつづけておられる中川さんもまた、奇人というべきであろう……というのは、もちろんほめているのである。鴨川のほとりで塩を焼くよりは、千倍も世のためになるのだから。

【10月14日 追記】

 六条河原院跡については、現地案内板の写真を掲載した2014年の記事をご参照いただきたいと思う。また案内板にも記されている「本塩竈町」については2017年の記事をごらんいただきたい。

 なお京都見物の機会があったら、ぜひ河原院跡を訪れていただきたいものである。特に観光客だらけの名所にうんざりされた方にはおすすめである。

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September 30, 2019

Daily Oregraph: なぞのツブツブ

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 本日の船上セキュリティチェックポイント。

 ごらんのとおりの上天気で、最高気温も23.1度まで上がり、ひさしぶりに汗をかいた。夏の残党が小規模の反乱を起こしたらしいけれど、気の毒なことに、たちまち鎮圧されてしまうにちがいない。

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 本日のランチには謎のスープが出された。なかなかの美味である。牛肉はもちろんすぐにわかったが、たくさん浮んでいる長楕円形の粒々が謎である。穀物にしては煮崩れもないし、食感はツルツルの一点張りである。

 「これはなんだい?」とたずねたら、「グーズだ」という。あとで調べればすぐにわかるだろうと思って、スペルを確認しなかったのが失敗だった。

 思いつくすべてのスペルで検索しても出てこない。ひょっとしたら「グズ」かも知れないと、さらに調べてもダメ。

 わからないままでは気分が悪いから、いろいろ考えた末にたどり着いたのが「クスクス」である。「グズグズ」でなく「グーズまたはグズ」なのは気になるけれど、ツルツルしているところもパスタの特徴だし、ありえない話ではないと思う。問題は粒のかたちのちがいだが、クスクスにもバリエーションがあっておかしくはないだろう。

 そんなわけで、クスクスの一種または親戚だろうという結論に落ち着いたけれど、どうも不安である(笑)。どなたかご存じの方がいらしたら、ぜひお教えいただきたいと思う。

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August 29, 2019

Daily Oregraph: 食料調達

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 はてな、なにをしているのかな? え、昆布?

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 やっぱり岸壁から昆布を採っているのであった。中国人民はたくましい!

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June 13, 2019

Daily Oregraph: 裏庭画報 小松菜収穫

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 ちょっとした仕事が二つほど入ったので、ブログをさぼっていた。どうせ毎日遊んでいるんだろうと思われてはシャクだから、ここに明記しておく。

 本日は小松菜の初収穫。種をまいたのが五月四日だから、ずいぶん日数がかかっている。いかに釧路の気温が低いかおわかりいただけるだろう。もう少し待てばもっと大きくなるけれど、このくらいのサイズのほうがうまいと思う。

 すでに虫食いの穴がポツポツ見えるけれど、来月からは虫の活動が活発になるから、もっとすごいことになる。雑草もはびこりはじめた。たとえ猫の額ほどの地面でも、自然を相手にするのはしんどいものだ。

 ニューヨークのストライキのつづきは、まだ手を着けていない。原作は迫真の描写で一気に読ませるのだが、かなりのページ数だし、メモを取っていないから(小説を読むのにメモを取らないのがふつうだとは思うが……)、うまくまとめるのがむずかしい。ちょっと考えてからにしたい。

【業務連絡】

 11日に英単語帳がやっと16,000項目を越えました。どこまでつづくぬかるみぞ(笑)。

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February 11, 2019

Daily Oregraph: 肝を食う

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 最近森羅万象を担当するとかいう狂気の宰相が出現し、この驚天動地の事態に普通の神経ではとても耐えられそうにないから(笑)、うまいものを食って元気を出そうとスーパーへ行ったら……あった、あった。

 このみごとな肝を見よ。ずしりと重く、「豪胆」とはまさにこのことであろう。ただ珍味であるばかりではなく、栄養も抜群、胆力をつけるには最高のごちそうである。すなわち今夜は肝入りのタラ鍋。

 で……ひさしぶりにタラの肝をたっぷり味わい、ついでにお酒を二合ほどやったら、森羅万象おれに任せておけという気分になった。いや、いかん、いかん、どうやら馬鹿が伝染したらしい。

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January 13, 2019

Daily Oregraph: すゐとんの話

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   そろそろ生存証明写真を載せなくてはいけないころである。

 どうしたわけか、読書は比較的順調にはかどっている。要するにインターネットなどに割く時間を減らせばわけはない。スマホ中毒のみなさまも、たまには正気に返ってみてはいかがであろうか。

 ぼくはアカウントを持っていないから、人様のツイッターをのぞいて見るだけなのだが、あちこちで政治向きの記事を拝見すると、某首相や官房長官の写真が多いのには閉口する。飯がまずくなるから(笑)、あんなつまらぬ写真はできるだけ減らしたほうがよかろうと思うのである。

 さて悪相を見て減退した食欲を回復するには、うまそうな食べ物の話題が有効だし、もりもり食べて元気になれば、次の選挙にはぜひ投票しようという意欲もおのずと湧くにちがいない。

 そこで今日は「すいとん」を取り上げてみた。

 夜は通りに種々な食物の露店が出た。鮨屋、しる粉屋、おでん燗酒、そば切りの屋台、大福餅、さういふものが小さい私の飢(うゑ)をそそつた。中で、今は殆どその面影をも見せないもので、非常に旨さうに思はれたものがあつた。冬の寒い夜などは殊にさう思はれた。それはすゐとんといふもので、蕎麦粉かうどん粉をかいたものだが、其の前には、人が大勢立つて食つた。大きな丼、そこに入れられたすゐとんからは、暖かさうに、旨さうに湯気が立つた。そこにゐる中小僧(ちゆうこぞう)が丼を洗ふ間がない位にそのすゐとんは売れた。-田山花袋『東京の三十年』より

 はっきり年代は書いていないけれど、たぶん明治14~15年ころの話だろうと思う。当時花袋は東京に出てある本屋の小僧として働き、腹を空かせながら、重い本を背負って町々を歩き回っていたのである。

 
ずいぶん昔からある食べ物なのに、「すゐとんといふもの」というからには、田山少年はそれまですいとんを知らなかったらしく、そこがぼくの興味を引いた。

 「今は殆どその面影をも見せない」とあるが、すいとんそのものは庶民に食べられつづけていたわけだから、すいとんの屋台が町から姿を消したというのだろう。

 けっしてぜいたくな食べ物ではないし、天下の美味とまではいえないけれど、腹を空かして金のない小僧にとっては、初めて目にした「すゐとんといふもの」がいかにもうまそうに見えたらしい。ちょっとホロリとさせられるところである。

 ぼくはすいとんによだれを垂らしはしないが、おでん燗酒の屋台にはふらふらと引き寄せられそうな気がする。そこへすいとんの湯気が流れてくる。汁粉の甘い匂いも漂ってくる。あとで子どもの土産にと、大福の屋台をちらっと横目に見て免罪符を買ったような気分になる。

 ぞろぞろ歩く人々の靴音や下駄の音にまじって人力車が通る。馬車が走る。さっきの小僧さんは、なけなしの小銭を握りしめて散々迷った末に、すいとんを求める人の列に加わったようだ。

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