August 30, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-30

080830ohyo 地元スーパーの鮮魚コーナーで、ひさびさにオヒョウを目にしたのだが……これはまたずいぶん小さいなあ。ちょいと大きめのカレイくらいのサイズである。

 結局買いはしなかったが、ぎょろ目のメンメが1尾1,680円もするのを考えれば、値段もまあ手ごろだろう。

 オヒョウといえば、こどものころ近くの漁師さんが家に持ってきてくださったのを覚えているけれど、ビックリするほど大きかった。

 それでもたしか体長70センチほどだったと記憶しているから、オヒョウとしては小ぶりだったのだろう。大物になると2~3メートルはあるらしい。

 よく刺身を食べたものだが、最近はあまりお目にかからなくなった。活きのいいオヒョウはコリコリと歯ごたえがあってうまいものである。

 オヒョウの刺身で熱燗を一杯というのもオツなものだ……なんぞと最近めったに飲まなくなった日本酒を思い浮かべるのも、秋が到来した証拠なのだろう。

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August 15, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-15

080814imoshochu 昨夜はこの芋焼酎。

 芋くささがほとんど感じられず、スッキリとした異色の焼酎である。同僚のY氏とふたりがかりだから、一滴余さず頂戴したことは申し上げるまでもない。

 ビンの向こうには魅力的な女性がいるけれど、タダでお見せするわけにはいかないので、ボカシをかけておいた。

080814sanma いわゆる食べ歩き系のブログでは、口にした料理をほとんどすべて撮影して紹介するのがふつうである。しかしお試しになってみるとわかるように、一皿ごとに写真を撮るのは、できそうでいてなかなかできることではない。

 ぼくはそれほどマメじゃないから、あ、これうまいね、などといいながら、ムシャムシャ食うだけ。

 そうはいっても、写真一枚だけというのも愛想がないから、二軒目のお店でY氏の注文したサンマをパチリ。光の当たりぐあいが悪かったか、ちっともサンマがうまそうに写っていないのは残念である。

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July 22, 2008

Daily Oregraph: 2008-07-22 飛鳥Ⅱで昼食を

 ティファニーで朝食を、飛鳥Ⅱで昼食を、そして自宅で楽しいながらも貧しい夕食を……このワケのわからなさがいかにも日本人らしいところなのかもしれない。

080722aska1 昨日茅沼温泉のレストランで550円のラーメンを食べたばかりのぼくは、なぜか釧路に入港した飛鳥Ⅱのレストランで今日の昼食をしたためることとなった。

 先代の飛鳥には仕事で何度かおじゃましたこともあるし、国内クルーズに乗せていただいたこともある。だからいわゆる「まかない」をいただいたこともあれば、ブレックファストからディナーまで一通りは経験したこともある(セレブ、セレブ……)。

 たしか朝昼晩の3食プラス午前・午後のお茶の時間(ひょっとしたら夜食もあったかな)。お茶の時間といえどもごちそう責めゆえ、しっかり食べれば満腹になり、まさにメタボ製造マシンだという記憶があるから、どんなランチかと興味津々、勇躍船に向かったことは申し上げるまでもない。

080722aska2 釧路のえらいさんたちに混じって薄氷堂がテーブルにつくのはどうも気がひける。やはりぼくには大衆食堂がお似合いなのだ。

 プライバシーに配慮して、レストランのピカピカの天井に映るセレブな方々を撮ってみた。

 白樺台さんの弟子だけに、ボーイさんの被写体ブレは計算に入っているところがえらい(笑)。

080722aska3 う~む、今日は和食ときたか。

 ずいぶん品数が少ないのは、ちょっと意外。はてな、いったいどうしたんだろう?

080722aska4 運ばれてきた料理を見て、ハッと思うところがあった。

 ぼくが国内クルーズに乗船したのはちょうど15年前。今や時代は一変して健康志向だし、乗客はほとんど年輩の方々である。どっさり料理を出しても食べ残し続出はまちがいない。

 つまり天下の郵船がケチっているわけではないのである。その証拠にお代わり自由だから、もしあなたがご飯を十杯、ザルソバを二十枚食べたければ、ボーイさんは喜んで運んでくれる。しかし人間だれしもミエというものがあるから、ふつう大食いは控えるにちがいない。

 なるほど乗客の健康に配慮しているのだなと悟りながらも、ついついザルソバをお代わりしてしまったのはぼくの若さのなせるわざであり、もう一枚お代わりしなかったのはミエをはったせいである(笑)。

080722aska5 これが食後のナボナ クリームチーズ。

 ナボナのなんたるかを余は知らぬが、ついつられて食べてしまった(笑)。

080722aska6 これが飛鳥Ⅱのレストランである。

 広角レンズでもおさまりきれないほど広い。興味をお持ちの方はぜひカメラに魚眼レンズを装着して乗船されることをおすすめしたい。

 ついでにいえば、メタボなにするものぞ、人間食欲のあるうちが花、食料の潤沢にあるうちが花なのだから、どうかミエなどはらずに何十杯でもお召し上がりいただきたい。

 なあに、食うものがなくなれば飢えるだけの話なのだから……とは、せっかく豪華客船で食事したくせに、えらく景気の悪い結論になってしまった。

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March 20, 2008

Daily Oregraph: 2008-03-20 鶏モツを食う

080320kani いつもの地元スーパーにて。

 紅ズワイガニが安い! 山と積まれて、さあ、もってけ、といわんばかりの勢いに押され、つい手を出しそうになったけれど……おっと、待てよ。

 かつてはあちこちで売っていたのに、このところめっきり目にすることのなくなった鶏モツがあるではないか。断然買わざるべからず。

080320torimotsu01_2 こいつで芋焼酎を一杯やったら、さぞうまかろうと思い、たまには自ら腕をふるうことにした。

 冷凍ものだから解凍すると……う~む、見た目はあまりよろしくない(笑)。しかし第一印象があてにならないのは人間と同じで、決してみかけで判断してはいけない。

 

080320torimotsu02 過去の経験に従って、まずは茹でてアクを取る。

 アクを取ったら一皮むけてビューティフルになるどころか、ますますみかけが悪くなり、ほのかに独特の臭気さえ漂う。

 ここが我慢のしどころである。

 得体の知れぬ膜などをていねいに取り除きながら、包丁で適当なサイズに切り、ふたたびナベに放り込もう。

080320torimotsu03 醤油適当、味醂適当、日本酒適当、砂糖適当、黒酢スプーン1/2、水適当をナベに投入し、長ネギの青いところ適当、ショウガ適当を追加して煮る。

 落としぶたをしてコトコト煮ることしばし、冷めたのを保存用容器に移して、はいできあがり。

 え、やっぱりみかけが悪いって? たしかに最初から最後まで見た目はよくないけどね……(笑)

 うまい!

 予想たがわず、芋焼酎に合う絶品である。ウソだとお思いなら、あなたもおいでなさい。ただし焼酎持参のこと。

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March 02, 2008

Daily Oregraph: 2008-03-01

080301zuwai1 先日ケガニのアップをお目にかけたので、今日は白糠産の活ズワイガニ。このお店の並べかたは豪快である。

 なるほど茹でる前から真っ赤な顔をしているので紅ズワイというのだろう。

 値段は伏せておいたが、一匹300円を少し切るくらいだから実に安い。

080301zuwai2 ケガニにくらべれば顔立ちはやや端正だけれど(?)、やはりエイリアン風にはちがいない。

 結局買いはしなかったが、別にカニぎらいというわけではない。食えばうまいのはわかっている。

 要するに食べるのに手間がかかるから面倒くさいのである。両手と口がふさがり、むさぼり食らうかたちになるのも、なんとなく貧乏くさい。会話も自然とぎれがちになる。そこがカニの欠点だろう。

 だから自分で金を出してまで食おうとは思わないのだが、人様からちょうだいすればお召し上がりになる(笑)。できれば身をむいてお出しいただければもっとありがたいのだが……

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February 16, 2008

Daily Oregraph: 2008-02-16

080216kegani まあこの生きたケガニの顔をごらんなさい。

 こんなみったくないやつを珍重して食らうとは、まったく人間ってやつは…… もちろんぼくは美的見地から(ウソ、ウソ)、買いはしなかったが。

080216lunch 今日のランチは山盛りのスパゲティ。

 2ヶ月にいっぺんくらいは、熱々の鉄皿に盛られたこの釧路風スパゲティを無性に食べたくなるのである。

 いい年をしてこんなに食べられるのは元気な証拠(笑)。え、メタボ?

 メタボなどくそくらえ、年齢とともに新陳代謝が衰えるのはごく自然な話なのだし、おじさんやおばさんをやたら病人扱いして脅かすのはいいかげんにしてもらいたい。

 ご心配いただかなくたって、あなたもぼくも、資本家もルンペンも平等に、遅かれ早かれ心臓が停止してこの世を去るのだから。

 第一冷酷にもケガニを茹でて成仏させるくせに、自分だけ長生きしようとはふらちな話ではないか。

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February 02, 2008

Daily Oregraph: 2008-02-02 メヌキ or メヌケ

080202menuki1 ある地元スーパーの鮮魚コーナーにて。

 やはり魚はこうして売って欲しい。見た目にも楽しいし、昔ながらの魚屋さんの雰囲気がなつかしいからだ。

 もっともいつもご購入に及ぶとは限らない……おいおい、一尾 4,800円かよ(お店の名誉のために申し添えておくと、これはけっして不当な値段ではない。もっと高いこともあると聞く)。

 ひさびさに目にするメヌキは、すっかり超高級魚と化していた。昔はよく食卓にのぼったんだけどなあ。

 煮つけもいいけれど、醤油仕立てのアラ汁が絶品で、ぼくの好物だった。う~む、4,800円か。

 こいつは目の玉が飛び出しているからメヌキ(目抜き)と呼ばれるのだが、別名メヌケ。お店に並んでいる状態では目が抜けているのだし、文法的には(笑)メヌケが正しいんじゃないかと思う。

080202menuki2 いくらうまい魚とはいえ、おいそれとは買えないから、せめてアップでもう一枚。

 買い物につきあうのは疲れるけれど、ものの値段がわかるから勉強にはなる。

 観光客へのアドバイス。炉端のお店でうっかりメヌキを注文されぬこと。そんなことをすると、あなたの目が飛び出してポパイ (=popeye)になるだろうから。

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January 20, 2008

Daily Oregraph: 2008-01-20 竹老園

051119chikuroen 今日はめずらしく取材費が出たので(笑)、明治以来の老舗である「東家総本店 竹老園」で昼食、いや取材してきた。

 (この写真は2005年11月19日撮影。外から撮る分には取材費はかからない)

 竹老園の歴史についてはこちらを参照していただくとして、今日は有名な「特製品コース」をご紹介しよう。お店では「コース」で通用する。

 すでに多くの方がブログなどで「コース」の写真を紹介しているから、なにを今さらという気がしないでもないけれど、ネタ不足の折から、取材費を有効活用させていただいたわけ。

080120soba_course コースを注文すると、4品の料理が番号の順番に運ばれてくる。

 最初が「かしわ抜き」。これはちょっとわかりにくい。数学的に考えれば、かしわソバ-かしわ=かけそばという計算になるが、実際にはソバ抜き、つまり鶏肉と長ネギだけのシンプルなスープである。

 昔からのファンにいわせれば、最近は鶏肉の質がちょっと落ちたらしいけれど、今日のような寒い日に温かいスープを出されるのはうれしいものだ。

 二番目は蘭切りソバ。卵黄をつなぎにしたという細めの上品なソバである。盛りもいたって上品で、アッという間に腹中におさまってしまう。

 かつて昭和天皇がこのソバをお代わりされたという有名なエピソードがあるけれど、これほど少量ではお代わりをしなければ天皇も満足されなかったにちがいない。二枚で我慢されたのはさすが天皇陛下、えらいお方はつらいものだ。ぼくなら五六枚はペロリといける(笑)。

 三番目が茶ソバ。見た目どおり抹茶を練りこんだものである。蘭切りソバもそうだが、わあ、うまい! というような、わかりやすいうまさではない。ごく上品なソバで、つるりとした喉ごしを味わうべきものなのだと思う。

 最初にかしわ抜きを味わうと、スープが十分うまいだけに、これにソバが入っていればなあと思う。しかしそこでかしわソバを食べてしまうと腹一杯になるから、スープだけ。そのあとにソバ、しかも少量のもりソバが二枚出てくるというのはうまい工夫である。

 最後は名物のソバ寿司。ほんのりショウガの香り漂うソバの巻きずしである。ちょっと甘みもあるから、酢の苦手な人でも食べられると思う。これまたおおげさにうまいというようなものではないのだが、一度味わうと忘れられない魅力がある。最近ではあちこちのソバ屋さんでこの寿司を出しているらしい。

 ソバ寿司を食べ終えると、腹七八分目というところだろうか。満腹などという下品な状態にさせないところが値打ちなのだろう。はっきりいって、いつも腹ペコの中高生諸君には向いていない。

 お値段などはこちらを参照していただきたい。そうお安いものではないが、一度は味わっておく価値があると思う。お店は春採湖畔にあるので、散歩帰りに立ち寄るのもいいだろう。

 今日はあらかじめ座敷を予約しておいたからよかったが、日曜日でもあるし、団体客が入ったのだろうか、店を出るときには順番を待つ客であふれ返っていた。

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December 13, 2007

Daily Oregraph: 2007-12-13 Stollen

 今日は一日一枚を実行できず、しょうがないから一杯やってさっさと寝ちまおうかと思ったけれど、天われを見捨てず、帰宅したら絶好の被写体が届いていたので急遽作戦を変更した。

1213stollen 岐阜県大垣市在住の麦穂亭が、クリスマス用のお菓子 Stollen(シュトーレン)を送ってくれたのである。

 古本屋の3冊500円セールで求めた(笑)独和辞書によると、Stollen とは、もともと柱や麺棒などを意味するらしく、このお菓子もその形からシュトーレンと呼ばれているそうだ。「クリスマスに幼児キリストの象徴として用いる」(博友社 新訂独和辞典)。

 Random House の説明が要領を得ているので引用しておこう。
 
     a sweetened bread made from raised dough, usually
     containing nuts, raisins, and citron.

 最近立派なヴァイオリンを買ったと自慢している麦穂亭の演奏ぶりは、ぼくは聴いたことがないから批評できないけれど、ドイツに渡ってパン屋の親方のもとで丁稚奉公したというだけあって、パンづくりの腕前はたしかだ。

 表面にまぶしている粉砂糖はたぶん雪だろう。クリスマスにふさわしい、しゃれた趣向である。いや、ぼくみたいにヤボな男にはしゃれすぎているかもしれない(笑)。

 シュトーレンのないクリスマスなんて……麦穂亭によれば、ドイツでは昔からそういうらしい。それをマネしたのが例の「クリープを入れないコーヒーなんて」なのだそうである。う~む、勉強になった。

 ありがとう。クリスマスに一切れいただきます。

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March 24, 2007

Daily Oregraph: 2007-03-24

 人はパンのみにて生くるにあらずというのはけだし名言であるが、パンがなくては人はそもそも生きられないのだし、死ぬほど腹がへっていては名言が湧いてくるはずもない。

 ひさびさの休日、かき集めた日本銀行券をにぎりしめて、食料調達のためスーパーへ向かったのは、生きるためには当然の行為であろう。

070324tsubu 買い物は疲れるし時間を食うからあまり好きではないけれど、まったく楽しみがないわけじゃない。ぼくは魚介類を撮るのが趣味のひとつなのである。

 こいつはツブ貝。醤油だれを入れて焼いたり、煮付けにするのもオツだが、やはり刺身がいい。身がコリコリとして、実にうまいものだ。
 

070324madara おなじみのマダラがたくさん並んでいた。

 大きさはさほどでもないが、一尾598円。捨てるところのない魚だから、けっして高くはないと思う。今日はながめるだけで買わなかったが、こいつのナベはこたえられない。

070324hokke タラのとなりに控えていたのはホッケ。

 こいつはやはり干物にするとうまいのだが、けっして干しすぎてはいけない。身がボソボソになるし、身ばなれもわるくなってしまうからだ。

 干物にして売っているホッケの開きには、どうかすると干しすぎたものもあるから、ちょいと手間はかかるけれど、生を買って自分で干すのがおすすめ。

 さて人間やはりパンや魚だけでは生きられない。もうひとつ大事なもの……アルコール類もどさくさにまぎれて買い物カゴに入れてしまおう。

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December 21, 2006

Daily Oregraph: 2006-12-21

061221ramen  万事がきわめて低調。なにをやっても思いどおりにはいかない。

 低調ぶりを反映してか、昨日といい今日といい、ほんとうに1回ずつしかシャッターを切っていない。

 釧路警察署地下食堂のラーメン。特別こったものではないが、あっさりしてうまい釧路ラーメンである(スープに写り込んでいる妙な白いものは照明)。

 この食堂の売り物は以前ご紹介した超大盛りのもりソバなのだが、なぜかラーメンは大盛りを注文してもこのとおり。ぼくがダイエットしているのを知っていたのだろうか。

 低調なときは、黙々とラーメンをすするしかないようだ。そのうちなんとかな~るだろう……といえば、青島幸男氏逝去。

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June 04, 2005

大盛り山盛りてんこ盛り

 みなさんはそば屋で大盛りを注文し、これのどこが大盛りなのだ? と、失望落胆したことがおありではないだろうか。

 食欲を失った失恋中の娘じゃあるまいし、いい若い者がとても満足できるような量ではないのが普通なのである。

 いや、そばは大食いするような下品なたべものではないから、それでいいのだ、とおっしゃる方がいるかもしれない。

 下品、とはいうまい。しかしズルズル音を立てて食うそばを、上品というわけにもいかないだろう。落語に「そば清」なんてのもあるように、大食いを競って賭け事のネタにするくらいだから、それほど気取ったたべものであるはずがない。

 大盛りと称するなら、山と盛るべし……それが、そば好きのぼくの青年の主張である。

omori_soba 見よ、この大盛りそばを。そばつゆが最初から二腕用意されているところなど、おおいに食欲をそそる。

 これこそ霊峰富士を誇りとする日本の大盛りそばではないだろうか。しかもわずか 410円という値段なのに、なかなかの味なのだ。

 そばの性質上、富士山型には盛りようがないけれど、その偉大さにおいて、十分富士に匹敵するとぼくは信ずる。

 実は巨大なサイズをご理解いただけるよう、真横から撮りたかったのだが、場所柄そうしにくい事情があった。

 北海道釧路市K警察署の混みあった狭い地下食堂でデジカメを構え、縦横無尽に撮影する根性が、ぼくには欠けていたのである。

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April 25, 2005

十勝ラーメン

 いかに表現の自由とはいえ、へたくそな写真ばかり見せられては、腹も立とうし、腹もへるだろうと思う。

 そこでおわびのしるしに、十勝ラーメンをご紹介したい。

 全国になんとかラーメンというのは無数にあって、TVのグルメ番組ではいろいろ能書きをたれているけれど、ラーメンはいわゆるこだわりなどとはおよそ無縁の、もっとイキなたべものではないか。

 作業服姿の若い衆が、猛烈な勢いで一杯たいらげ、額の汗をぬぐいつつ、透明度にやや疑問のあるコップの水をぐいと飲み干す。

 あるいは楊枝をくわえて、夕方の街を下駄でカラコロ。ああ、さっきのラーメンうまかったなあ。

 ……そういうたべものだろうと思うのだ。

 地方の食堂にふらりと入って、まずいラーメンや、うまいラーメンに出会うのもまた楽しい。これまた、一期一会。

 さてまったく無名の十勝ラーメンだが、十勝は広尾町の、とある大衆食堂で食べたから、ぼくが勝手に十勝ラーメンと命名しただけの話である。別に「十勝ラーメン」と大書した、ヤボなノボリを立てていたわけではない。

990611ramen 驚いたのは、スープに浮かべた麩。こういうのには初めてお目にかかった。このお店の独創なのか、それとも十勝地方では麩入りが一般的なのだろうか?

 味については、なにしろこの食堂限定の一品だから、市場で買えるタラとはちがって、読者には確かめようもないので(笑)、あれこれ書いてみても、しょせんはホラ話に近く、あまり意味はないだろう。

 ちょっと愛想はないけれど、麩が浮かんでいるところだけ、写真でお確かめいただきたい。

 (1999年6月11日撮影)

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April 17, 2005

タラ礼賛

 タラはうまい。ほとんど捨てるところがないのもいい。刺身によし、フライによし、どう料理したってうまいに決まっているのだが、ぼくは断然鍋をおすすめしたい。

tara

 スーパーでこういうのをみかけたら、買うべし。こいつは約2.2 kg、トレイからはみだしている。トレイの真ん中が割れているのは、タラの重みのせいである。捨てるところがないのだから、1尾780円は決して高くないと思う。

 むろん市場にいけば、もっとでかい、1尾数千円などという化け物もあるけれど、ふつうの家庭ではもてあますのではないか。

tara2

 鍋に入れるのはこの部分。頭と肝と、フライ用に身をさばいた残りの骨である。

 身は入れない。入れてもいいけれど、身は崩れやすいし、アラのほうがずっとうまいのだ。頭はコラーゲンのかたまりで、ヌルヌルしたところがくせになる。肝も絶品、天下の珍味である。

 ダシなんぞは適当でよろしい。昆布、酒、塩適量。アサリなどの貝類を入れるといい。ハマグリも上品で悪くない。あとは野菜など、好きなものをぶち込んで煮る。

 煮えたら、食う。ビール、日本酒、ウィスキー、どれも合う。白ワインもいいね。

 うまいものを食うとき、人は無口になる。饒舌はウソ。ひたすらタラを食う。最後は雑炊。

 ごちそうさま。

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