Daily Oregraph: 2014年 京都の雨傘
たまにはカメラの話題でも……といっても、高級カメラの話じゃない。昔でいえばライカを買って毎日磨くような趣味はないし、なにを使っても下手は下手、分相応の普及品をぶら下げて歩くのが、日本の下級ジジイのあるべき姿だと信じているのである。
別に昔の写真を持ち出してごまかそうというわけではないが、ふと思い立って雨の写真を探してみた。予想どおり非常に少ない。傘がきらいな男なので、用事か約束でもなければ雨降りの日にはめったに外出しないから、まあ当然といえば当然である。
退屈だろうから3点だけ。いずれもコントラストを思い切って強めに調整してみた。まずい出来だけれど、こうして見直すと、十年前からだんだん一眼レフ離れしていった様子がわかっておもしろい。
まず2010年2月15日。東京である。RICOH CX2 使用。たしか永田町付近だったと思う。ちょっとピンぼけだけど、ポケットにカメラを入れてあるから、傘をさしたおねえさんを写せるわけだ。この時もぼくは傘をさしていない。しかし傘をさした人、特におねえさんを撮るのは好きなのであります。
これも同日夜。これは新橋だね。やはりCX2。今どきの高級カメラはずいぶん夜に強いらしいが、ぼくなんかはこれだけ写れば十分だ。
こちらは2014年10月22日、京都。OLYMPUS TG-820 使用。こいつは現場用として買った防水・防塵カメラで、見た目も冴えないし、だれもほめなかったけれど(笑)、オリンパスの隠れた名機であった(後継機よりもいい)。バスの窓越しに撮った一枚だが、このしっとりとして渋い色調をごらんいただきたい。京都にぴったりのカメラだったと思う。
経験上この種のコンパクトデジカメの寿命は大体5年程度で、CX2 も TG-820 もすでに故障してしまったから、現在は別の機種を使っている。古いデジタル一眼レフも持ってはいるけれど、めったに使っていない。古くたって頑丈だから完動するし、画質は圧倒的にいいんだけど、あまりにもじゃまくさく、野暮ったいから、持ち出す気にはなれないのである。カメラ界の戦艦大和だよね。
もはや旅行はコンデジで決まりである。それも高級品はいらない。最近ではスマホの写真でも画質は十分だと思うけれど、ぼくはあの撮影スタイルがどうしても気に入らないのである。しかしそれはジジイが保守的なせいであって、スマホでもどんどん撮ったほうがいい。
雨の日でも部屋にこもっていないで、雨傘を撮りに出かけようかな。
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