May 29, 2020

Daily Oregraph: 2014年 京都の雨傘

 たまにはカメラの話題でも……といっても、高級カメラの話じゃない。昔でいえばライカを買って毎日磨くような趣味はないし、なにを使っても下手は下手、分相応の普及品をぶら下げて歩くのが、日本の下級ジジイのあるべき姿だと信じているのである。

 別に昔の写真を持ち出してごまかそうというわけではないが、ふと思い立って雨の写真を探してみた。予想どおり非常に少ない。傘がきらいな男なので、用事か約束でもなければ雨降りの日にはめったに外出しないから、まあ当然といえば当然である。

 退屈だろうから3点だけ。いずれもコントラストを思い切って強めに調整してみた。まずい出来だけれど、こうして見直すと、十年前からだんだん一眼レフ離れしていった様子がわかっておもしろい。

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 まず2010年2月15日。東京である。RICOH CX2 使用。たしか永田町付近だったと思う。ちょっとピンぼけだけど、ポケットにカメラを入れてあるから、傘をさしたおねえさんを写せるわけだ。この時もぼくは傘をさしていない。しかし傘をさした人、特におねえさんを撮るのは好きなのであります。

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 これも同日夜。これは新橋だね。やはりCX2。今どきの高級カメラはずいぶん夜に強いらしいが、ぼくなんかはこれだけ写れば十分だ。

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 こちらは2014年10月22日、京都。OLYMPUS TG-820 使用。こいつは現場用として買った防水・防塵カメラで、見た目も冴えないし、だれもほめなかったけれど(笑)、オリンパスの隠れた名機であった(後継機よりもいい)。バスの窓越しに撮った一枚だが、このしっとりとして渋い色調をごらんいただきたい。京都にぴったりのカメラだったと思う。

 経験上この種のコンパクトデジカメの寿命は大体5年程度で、CX2 も TG-820 もすでに故障してしまったから、現在は別の機種を使っている。古いデジタル一眼レフも持ってはいるけれど、めったに使っていない。古くたって頑丈だから完動するし、画質は圧倒的にいいんだけど、あまりにもじゃまくさく、野暮ったいから、持ち出す気にはなれないのである。カメラ界の戦艦大和だよね。

 もはや旅行はコンデジで決まりである。それも高級品はいらない。最近ではスマホの写真でも画質は十分だと思うけれど、ぼくはあの撮影スタイルがどうしても気に入らないのである。しかしそれはジジイが保守的なせいであって、スマホでもどんどん撮ったほうがいい。

 雨の日でも部屋にこもっていないで、雨傘を撮りに出かけようかな。

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September 13, 2016

Daily Oregraph: 船上カメラマンの心得

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 ひさしぶりに港にやって来たので……本日の船上セキュリティ・チェックポイント。

 自慢じゃないが(と自慢している(笑))、これをライフワークにしている船上(not 戦場)カメラマンは、世界に何人もいないはずだ。いわば写真界の隙間産業である。

 現場感を出すために、ありあわせの安カメラを使うところが命であって、決して高価な一眼レフなんぞを振り回してはいけない。そんなのを野暮というのだ。第一一文にもならぬ写真を撮るのだから、絶対にモトは取れないのである。

 服装も写真のおにいさんみたいなツナギが粋でよろしい。ポケットには軍手をつっこみ、ところどころグリースなんかで汚れていれば申し分ない。もちろん安全帽着用のこと。

 さて本船のデスクは、郵船のファンネルマークそのものではなく、社旗をあしらったところにセンスを感じる。ときどきこういうのに出くわすからやめられないのかもしれない。

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April 28, 2016

Daily Oregraph: 土門拳 『筑豊のこどもたち』

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 亡父の本棚を探したら、土門拳の写真集『筑豊のこどもたち』がみつかった。初版ではないけれど、1960年2月27日三版である。

 日本にこんな時代があったことを若者たちの多くは知らないだろうから、どこかで目にする機会があったら、ぜひお読みいただきたいと思う。


 土門さんの著作権はもちろんまだ存続しているから、内容をつぶさにご紹介することは差し控えるが、ザラ紙に印刷して定価100円に抑えたこの本の雰囲気は、

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これを見ればおわかりいただけると思う。

 今となってはいわゆる「お宝」みたいな本であるが、なにしろ56年前のものだし、ザラ紙だからすっかり黄ばんでおり、スキャンするために開いただけなのに、ステープラーの部分で表紙がパリッと破れてしまう始末である。

 このままではいずれボロボロになってしまうのではないかと思う。いっそバラして高解像度でスキャンし、PDF保存したほうが後世の役に立つかもしれない。

 もう一枚だけ。作者の「あとがき」をお読みいただきたい。

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March 31, 2016

Daily Oregraph: 1974年鈍行の旅 (3) 「国鉄」福知山線

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 列車は福知山を出てしばらくは盆地を走るが、だんだん両側に山が迫ってくる。

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 丹波竹田駅。

 駅前に「まるたん食堂」の名が見える。このお店はネット検索でヒットするから、現在も営業されているようだ。

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 市島駅。

 丘の上に見える「ひま」の文字はたぶん「ひまわり」だろうから、幼稚園かなにかだと思って検索したら、当時はともかく現在は「ひまわりの里」という福祉施設らしい。

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 福知山線普通列車車内。福知山までの車両より一世代新しく、木製の椅子はすべてスチール製に変っている。

 もう40年以上前の写真だから時効は成立しているけれど、気持ちよさそうに居眠りしている女性のお顔の一部にはボカシをかけておいた。

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 黒井駅。駅名を特定した決め手は「きくや」という旅館。検索したところ、現在も営業中らしい。

 駆け込み乗車の女学生たちも、すでに五十代後半。年を取ったのはぼくだけではない。

 こういう写真を撮れるのが各駅停車のいいところだろう。とっさに撮ったので、オリジナルは縦長画面である。これはやはり横長だろう。

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 谷川駅。

 これまた時効成立。こちらはボカシをかけなくともお叱りを受けることはあるまい。心当たりのあるお方には、連絡をいただければ写真を差し上げるつもりである。

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 下滝駅。駅舎の柱をよくみると「しもたき」と読める。

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 古市駅。海抜211メートル。

 しょうもない写真である(笑)。申し訳ない。

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 これぞ日本の風景。お婆さんが孫を背負って列車を見せている。

 鈍行だからこそ、こういう写真が撮れる。新幹線では無理な相談である。

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 地形から見て草野駅付近ではないかと思うがどうだろうか?

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 間抜けな写真の見本みたいだけれど、実はそうではない。

 恥をさらすようだが、ぼくは三田がミタではなくサンダだと、このとき初めて知ったのだ。へえ、そうだったのか! その驚きが素直に表現された一枚だから傑作なんだよ(笑)。

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 さてこの一枚だが、いったいどのあたりだろうか? 正面の橋脚(?)付近にはクレーンが見えるから、建設中の自動車道路ではないだろうか。

 三田以南かつ宝塚以北はまちがいない。その区間で列車の左側(東)に川(武庫川)が迫り、高速道路とおぼしきものが見える地点といえば、生瀬(なまぜ)駅付近ではないだろうか。

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 調査費があればさっそく確認に行くのだが、どこかにスポンサーはいないだろうか?(笑)。

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 宝塚付近。山肌一面宅地造成中である。実はこの直前に撮った一枚には、丘の斜面にびっしり立ち並ぶ住宅が写っているのだが、あいにく電柱が写りこんでしまったのでボツにした。

 このあたりから景色は一変し、都会の風が吹きはじめる。その落差の激しさには、まさに呆然とするものがあった。

 列車が尼崎のあたりを通過したときには、あまりのゴチャゴチャ感に圧倒されて、とうとう写真を一枚も撮っていない。すっかり牧歌的になっていた頭を、すぐには切り換えられなかったのである。

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 気を取り直してレンズを向けたのが田辺製薬とは……(笑)

 地図を参照すると、列車は尼崎駅を通過して神崎川の鉄橋上を走っていたはずである。このあと大阪市内で撮ったと思われる写真も一枚あるが、あまりにもつまらないから割愛し、福知山線の旅はこれをもっておしまいとする。

 沿線の風景がどれほど変化したか、ちょっと恐いような気もするけれど、いずれ京都を基地にしてもう一度たどってみたいものだ。不況の原因である消費税の税率が下がるまで待っていたら寿命が持ちそうにないから(笑)、豚の貯金箱を壊して、今年か来年にでも行こうかしら……本気でそう考えている。

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March 30, 2016

Daily Oregraph: 1974年鈍行の旅 (2) 園部~福知山

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 木をふんだんに用いた格調の高い客車……なのだが、絶壁のように垂直の背もたれは、長時間坐っていると体にこたえる。

 うんと空いていて迷惑にならぬときは、靴を脱いで向い側の座席に足を伸ばすというわざも使えるのだが、それも一時しのぎで、すぐに体がこわばってくるのだ。いかなる姿勢を試みても、背中と足のなす角度は約90度になるのだからたまらない。

  こういう車両で「車中泊」をしようものなら、手持ちのわざをすべて駆使しても、しまいには全身がピノキオみたいにコチコチになってしまう。しかも十時間以 上乗り続けると、下車してからもしばらくの間、ガタガタンという一定のリズムで体が揺れつづけるのは驚異である。一種の苦行といえるのではないか。

 このときは連続せいぜい数時間の乗車だから苦にはならなかったけれど、この写真を見てそんなことを思い出した。

 なおこの日撮った写真からひとつだけといわれたら、ぼくは迷わず上の一枚を選ぶ。カメラの手柄だな(笑)。

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 どこを撮ったものか、ピンポイントで突き止めたのがこの一枚である。「清酒 長老」の看板が手がかりとなった。一部を切り取ってみよう。

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 進行方向は画面右から左へ向かって、和知駅の約 280メートル手前である。

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 どのあたりかわからないけれど、乗客が増えているから綾部を過ぎたあたりだろうか。

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 福知山盆地だと思う。

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 福知山駅。11時55分。

 いかにもつまらない写真だが、たぶん時刻を記録するつもりだったと思う。

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 福知山駅前。京都府知事選の看板が見える。

 ここでもゴム長靴をはいたおばさんに注目しているのがおかしい。

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 これまたしょうもない写真だが、福知山市民の方ならなつかしいとお思いになるかもしれない。当時ビリヤードがはやっていたのだろうか。

 ちょうど昼時だから、ふつうなら食堂を探して気の利いたランチを食べるところだろうが、嚢中乏しかったからそれはありえない(笑)。たぶんパンと牛乳で昼食をすませたはずである。

 当時のビンボーがすっかり身についてしまい、いまだに旅に出ても、連れがいれば話は別だが、行く先々で土地の名物料理を食べることはまずないし、また食べたいとも思わないのである。よい習慣は若いうちにつけておくべし(?)。

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 1974年である証拠写真。横長で見ると印象がずいぶん変るから、上下をカットしてみよう。

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 この商店街は現在どうなっているだろうか? なんとなく再訪して確かめてみたくなった。この町に一泊して、翌日福知山線に乗るのも一興だろう。夜はともかく、昼はパンと牛乳でもよろしい(笑)。

 最終回はいよいよ福知山線。どうかお楽しみに。

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March 29, 2016

Daily Oregraph: 1974年鈍行の旅 (1) 京都~園部

 1974年3月15日の朝、ふだん出不精のくせに、ふと思い立ってぼくは山陰本線普通列車に乗った。きまった目的があったわけではない。

 ちょうど卒業を間近に控えていたから、ノンキな鈍行の旅ができる最後のチャンスだと思ったらしい。「らしい」というのは、彼は昔の彼ならず、今となってはまるで別人なので、心の動きは想像するしかないからである。

 当時ぼくには写真を撮る趣味はなかったけれど、たまたま父から借りていた(たしか)キヤノンデミをぶら下げていたため、貴重なネガフィルムが一本残ることになった。

 今にして思えば、ふだんもっと写真を撮っておけばよかったと悔やまれるけれど、そのころは音楽に夢中だったから、それはしかたのないことだ。

 さて前置きはこれくらいにして、出発進行。たぶん三回の連載になるだろう。

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 山陰本線普通列車。いまではこんな車両はもうないんじゃないかと思う。

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 保津川。

 このカメラ、バカにはできない。なかなかシャープに写っているから、レンズが優秀なのだと思う。

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 保津峡駅。駅名標は見えないけれど、ネット上の画像をあれこれ参照した結果特定できた。

 大きな荷物を背負ったおじさんのゴム長靴にご注目。京都の町中では、ゴム長をはいている人をついぞみかけなかった。ぼくも一度だけ経験があるけれど、雨の日にゴム長をはいて京都の市バスに乗ってごらんなさい。注目度抜群、最初はなぜジロジロ見られるのかわからなかった(笑)。

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 地形の特徴とトンネルの位置から見て、保津峡駅から約 1キロの地点であろう。

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 平野が開けてきた。亀岡盆地だろう。

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 こんな写真が撮れるのも……

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列車の最後尾が開放されていたからである(ぼくが開けたのではない)。

 危険といえばいえないこともないが、いかにもローカル、おおらかでいいと思う。最近はどうなのか……たぶん閉鎖されているんだろうな。

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 園部駅。

 ここで途中下車したのだが、この町について予備知識ゼロだったため行くあてもなく、駅の周辺をうろついただけ。身なりからして観光客には見えやしないし、ただの不審人物であったにちがいない。

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 トリミングして駅のあたりだけ切り取ってみた。

 こういう楽しみ方はいかにもデジタルだけれど、絵は明らかにアナログ風味である。輪郭の微妙なにじみぐあいは、フィルムならではの自然さである。デジカメ写真ではこうはいかない。

 では次の列車に乗るとしようか。次回は園部から福知山までである。

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March 28, 2016

Daily Oregraph: 裏庭画報 フクジュソウ

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 もうそろそろだろうと裏庭へ行ってみたら、フクジュソウが咲いていた。少なくとも数日前には開花していたにちがいない。

 咲いてくれたからには挨拶するのが礼儀。毎年の儀式である。

【予告編】

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 一昨日掲載した古市駅の写真は、このネガフィルムをスキャンしたもの。なつかしのネオパンSSである。

 ハーフ判のカメラを使ったので、ふつうに構えて撮れば画面は縦長がデフォルト。スマホで撮る感覚に似ているかもしれない。画面サイズが半分だから、画質が劣るのはしかたがない。

 十数年前に一度スキャンしたのだが、今回は高解像度(4800 dpi)ですべてスキャンし直した。せっかく手間ひまかけたのだから、過去に公開したものも含め、明日にでもまとめてお目にかけたいと思う。

 42年前に撮ったという古いだけが値打ちの写真なので、ヘボだのなんだのという苦情はご勘弁いただきたい。

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March 21, 2016

Daily Oregraph: 夕方散歩

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 17時06分。ひさしぶりに歩いて幣舞橋を渡りましたが、時間もまだ早いし、そもそも一杯やる予定はありません。ほんの30分ほどの散歩です。

 カシオの ZR-3000 を実際に町歩きで試してみようという趣向です。すべてプログラムオート、露出補正 -1/3、レタッチしてあります。まあ最終回の続編みたいなものですね。

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 時間が時間ですから、飲み屋街にはほとんど人影は見あたりません。

 いつの間にかこんなお店ができていました。焼肉・ジンギスカンは好物ですが、食べ放題はいけません。情けないことに、もうモトが取れなくなってしまったのです。年ですね。

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 知らぬ間にダイヤルが回り、露出補正が +2/3 になっていました。対策を考える必要がありそうですけれど、この場面では幸いそれほど露出オーバーにはなっていませんでした。

 一時間飲み放題 3,000円、指名 2,000円、延長 2,000円……しめて7,000円かかる勘定です。だってあなた、3,000円ですませる自信はおありですか? まあ、ぼくには関係ありませんけど(笑)。

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 まだメインは冬物です。このところかなり暖かくなって、この時間の気温はだいたいプラスの 3度なんですけど、風がまだ冷たいのです。

 この写真も +2/3補正になっていました。かなり調整しています。

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 ここで気づいて -1/3補正に戻しました。もっと暗くしてもいいような気がいたします。こういう景色が好きだというのは、いわゆるネクラなのかも知れません。

 右下の車がじゃまです(笑)。建物の下まで入れたかったのに。

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 夕焼けがすごいことになっています。明るさは調整しましたが、どんな色だったか思い出せません。人間の記憶なんていいかげんなものです。

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 ほんとに目を見はるような夕焼けでしたが、露出は失敗の巻です。調整はしてみたのですが、いくらなんでも暗すぎてうまくいきません。むずかしいものです。顔を洗って出直します。

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 この夕焼け、撮りたくなるんです。人間自然の情ですね。おじさまのお気持、よくわかります。

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 こっちのおじさまも同じお気持のようでした。

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 17時39分。日没の数分後です。そろそろ駐車場へ戻るとしましょう。

 夜の町も撮りたかったのですが、シラフでウロウロするのはちとつらいからやめにしました。一人では酒場に入りたくないのです。さていつ機会がめぐってきますやら。

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February 27, 2016

Daily Oregraph: カンタン! キレイ!

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 プリクラというものがあることは知っていた。今日見かけたのは「プリ画」と称するもので、一度に四五人、しかも全身が入るというのである。

 料金は400円。四人なら百円ずつ出し合うわけだ。どんな仕掛けになっているのか、後学のために中をのぞいてみたかったけれど、さすがに気恥ずかしくて遠慮しておいた(笑)。

 しかしこのプリ画、投資に見合う商売になるのだろうか?

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 せっかくふだんは立ち入らぬ場所にやって来たというのに、収穫なしに戻るのは残念である。

 すると目に入ったのが写真プリントマシン。かつてはこのスーパーにも写真屋さんがテナントとして入っていたのだが、とっくの昔に撤退し、いまやクマが店を開いているとは時代も変ったものだ。

 そうだ、こいつの実力を試してやろう。いつも駄文ばかり書いている罪滅ぼしに、たまには実用的な記事を載せるのも悪くはないだろう。

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 そこでシゲキ的全身プリ画のブースを撮ったのがこれ(RICOH CX6使用。レタッチ済み)。大枚35円を投じて印刷したL判写真をスキャンした結果は……

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印刷時にうまく自動補正されており、なかなかきれいな絵なのである(スキャン結果は仕上がり写真そのものの色味を完全に再現し切れてはいないが……)。これなら使えると思う。

 ただし縁なし印刷なので上下左右とも少しずつ切れている。画面比率3:2の写真なら、ほとんどカバーされるはずだ。

 う~む、バカにできないなあ、と大いに感心したのだが、くまモンフレームがいかなるものか、確かめるのを忘れてしまったのは心残りである。

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November 09, 2015

Daily Oregraph: 古い写真をもう一度

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 1999年2月6日撮影。

 さてこの看板だが、一昨日掲載した知人の廃屋にあったものである(2000年撮影の写真をよく見ていただきたい)。廃屋に営繕業者の看板というおもしろさに惹かれて撮ったのだろう。

 昨夜からこの頃撮影した写真を見直している。当時はやがて姿を消すであろう古い建物に関心があって、膨大な数の写真が残っているけれど、惜しいかな、記録の仕方が不徹底であった。今となっては正確な場所を特定できないものが少なくないのである。

 将来利用することを考慮して記録するのが本筋なのに、むやみにシャッターを切っているだけ。今から整理しようにも情報が不足しているものが多いのだ。もうひとつ、のちに比較することを考えて、あたりの状況を含めて撮影することも大事なポイントだが、その点でも不徹底な写真が多い。

 今さら反省しても撮り直しはできないのだが、遅まきながら気づいただけでも立派(?)と考えて自分を慰めることにしよう。

 せっかくの機会だから、かつて港町にあった建物をふたつお目にかけたい。

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 2000年4月13日に撮影した旧海上保安部庁舎。実に味のある建築だったけれど、同年12月に取り壊されてしまった。文化財としてきちんと保存しておけば観光名所になったものを……

 上の写真は以前にも掲載したものだが、本日撮影したものと比較してごらんいただきたい。

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 現在ここには釧路機船漁業協同組合の建物が立っている。変らないのは雨降りのあとの道路の水はけの悪さだけで、建物の存在感は比べるべくもない。

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 通船の待合所といっても、一般市民になじみはないだろうと思うが、昔はずいぶんお世話になったものである。港内や港外に錨泊する本船まで船員や船客を送り迎えするボートが通船である。

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 こちらが本日撮影したもの。がらんとした空間が残っているだけである。

 通船事業そのものは廃止になったわけではなく、今でも小さなプレバブの待合所があるけれど、歓楽街に出かける船員相手の定期通船は事実上消滅したのではないだろうか。

 しばらくは古い写真をチェックして、新旧比較できるものがあれば、いずれまた取り上げてみたい。

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