デジタル一眼レフの泣き所はローパスフィルタに付着するゴミだというので、いまだに自動ゴミ取り装置を導入しないメーカーへの風当たりが強いようだ(>Nikon さん、あなたですよ)。
そこで今夜は丸2年と3ヶ月NikonのD70を使い込んだ一ユーザとして、正直なところをレポートしてみたい。
その前に一言。Nikonを使っているおじさんを無差別にニコ爺呼ばわりしてバカにする人もおいでのようだが、そんなことはつまらないからおよしなさい。
ぼくが初めて自分で購入した一眼レフは Canon FTb。そう高いカメラじゃないけれど、当時は安月給だったから、ちょっとこたえた。
レンズは同時に買えなかったので、父から借り、ときどき写真を撮っていた(その頃は今ほど熱心ではなかったのである)。
その後写真に対する興味が復活し、ふたたび FTb を使いはじめたのだが、いかんせん古いカメラだから、ときどきヘソを曲げるのには閉口した。よせばいいのに数万円を投じてオーバーホールしたけれど、調子は完全には戻らなかった。
そこでカメラを新調することにしたのだが、残念ながらキヤノンのカメラのデザインはすっかり様変わりしており、申し訳ないけれど気に入らなかった。こういう好みについては、年代のせいもあるのだろうから、どうか気を悪くしないでいただきたい。(FTbは今も大切に保管し、ときどきシャッターを切っている)
悩んだ末に Nikon のNew FM2を入手し、Nikon F マウントのレンズを数本(ほんの数本)買ったのが縁で、今では同社のデジタル一眼レフを使っているわけだ。
ひょっとしたらオリンパス、もしかしたらペンタックスの製品を買っていたかもしれない。だからあちこちで自分の持っているカメラのメーカー以外の製品に、必要以上のケチをつける記事を読むと、「そんなことどうでもいいから、写真を撮ろうよ」といいたくなるのである。メーカーそれぞれ一長一短はあっても、今どき写真がまともに写らないカメラなんてないんじゃないか。
閑話休題。
さてゴミである。(この呼吸、司馬遼太郎調だね。あまり好みじゃないけれど)
たしかにレンズ交換すると、ゴミは付着しやすい。「しやすい」というのは、いつもそうとは限らないからである。
しかしたいていはこれで解決する。市販のレンズクリーニング・キットに付属する、オモチャみたいなブロワーだが、十分間に合うのだ。
自動ゴミ取り装置は、たしかにあればありがたいものだ。Nikon にも採用してほしいと思う。けれども安物のブロワーで解決するのだから、必須とまではいえない。慣れればごく簡単な作業なのだし。
問題はゴミ取り装置でも除去できないゴミだろう。オリンパスはゴミゼロ宣言しているけれど、ぼくにはゴミゼロはどうも信じられない。粘着性のゴミは、ブロワーを使ったり、ブルブル振動させたくらいでは取れないからだ。ゴミ取り装置があれば付着しにくいのだろうが、絶対に安心、とまではいえないのではないか。
たいしてレンズを持っていないぼくがいっても信用されないかもしれないが、単焦点レンズ(ぼくのは90ミリマクロ以外はマニュアルレンズ)の場合、いくら交換しても、粘着性のゴミで悩まされた経験はない。
唯一持っているズームレンズだと、その粘着性のゴミがしばしば付着するのである。間違っていたらお詫びするが、ゴミの原因はレンズの構造にもあるのではないだろうか。
粘着性のゴミは、いったん付着したが最後、頑固一徹、踏もうと蹴ろうと一向に離れようとはしない。困ったものだ。Nikon Capture は画像に写り込んだゴミをソフト的に消してくれ、すぐれてはいるのだが、時間と手間がかかっていやになる。
そこでついにゴミを拭き取ろうと決心したものの、Nikon の専用クリーニング・キットは、はっきりいって値段が高すぎる。ものにはそれにふさわしい値段があると思うのだ。
しかしクリーニングペーパーだけは純正のものがよかろうというわけで、Capture NX を注文したついでに、シルボン紙というのを購入した。これはそう高価なものではない。無水エタノールは薬局で入手。
ローパスフィルタの清掃方法にはコツがあるらしく、Web の記事をいくつか参考にさせていただいた。一方向に拭けとか、中央から外側に円を描けとか、人によってアドバイスの内容は異なるが、実践の結果やいかに?
案ずるより産むがやすし。そうビクビクすることはなさそうだ。
ナイフで適当に先を削った割り箸にシルボン紙を巻き付けて(これはそうむずかしい作業ではない)、丸く拭こうが、四角く拭こうが、ゴシゴシ力を入れず、そっと拭き取るかぎり、傷はつきそうにもなかった。
拭きムラを心配する方もおいでだろうが、シルボン紙につけるアルコールは控えめに(人間も同じだね)という注意を守ればいいと思う。拭いた直後、多少ムラがあって見えるのは、液体を用いる以上あたりまえではないだろうか。
ただし拭き取るにはやはり修行が必要だと思う。ぼくはへたくそだから、最初のうちは何度拭いてもゴミは取れず、その位置が変わるだけであった。
つまりせっせとゴミを押して移動させるだけだったのだが、拭いては試しているうちに、やっとゴミは姿を消した。厳密にいえば完全には拭き取れていないのかもしれないが、実用上は問題ないのでOK。
クリーニング後撮影した画像を等倍でチェックしても、ローパスフィルタが傷ついて影響を与えたとおぼしき形跡はまったくみられない。初体験の不器用な男が、連続して十ぺんほども拭いたのに no problem だったわけだ。
この種の作業について述べる場合、いちいちあなたの自己責任だなどと断る必要はないだろう。そんなこと当たり前なのだから。
デジタル一眼レフのゴミ問題は、たしかに困ったものだが、致命的なものとまではいえない、というのがぼくの結論である。(もちろん砂塵舞うなかでレンズ交換なんてしちゃいけないけれど、そんなことフィルム一眼レフでもしないと思う)
またフィルムにもゴミ問題があることを忘れてはいけないと思う。こちらは撮影時というより、たいてい撮影後フィルム上に付着するもので、デジカメ以上にやっかいな場合もある。
サービスサイズではわからないゴミも、大きく引き伸ばすほど目立つのは、結局フィルムもデジタルも同じ。モニター上で等倍にして画像チェックすることが多くなったから、ゴミゴミと問題になるのだろう。
しょせんこの世ではゴミからは逃れられないのだから、プリントを見てもわからないほどの小さなゴミは無視したほうが気楽だと思う。
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