November 21, 2017

Daily Oregraph: 旧弥生中 11月21日

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 まだ「立入禁止」の単管バリケードがいくつか残っているので外側から撮影したけれど、土地の埋め戻しも終っているし、警備員さんの姿もない。解体工事は完了したといってよさそうだ。

 この荒涼たる景色は今の季節にふさわしいかもしれない。

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 校舎跡地のすぐ向いにある廃屋。入居者募集の貼り紙は残っているけれど、長く人が住んでいないから、見るたびに荒廃していくのがわかる。

 ふと思ったのは、この建物もかつてはマンションを名乗っていたのだろうかということ。マンションとは大邸宅だからアパートに名づけるのはおかしい、という説もあるが、一概にそうともいえない。この英語のもともとの意味は「人の住む場所」だからである。マンション、いいじゃないか(笑)。

 旧弥生中の坂を下って散歩していると、「コーポなんとか」というのがあった。コーポとはまたどこから引っぱってきたものかというと、たぶん cooperative apartment (【米】協同アパート)に由来するのだろう。

 しかしこれはアパートを所有する法人の株式を使用者が取得・保有し、持分に応じて部屋を占有する仕組みと辞書にあるから、まさに協同組合方式である。ふつうのアパートに使うのはちょっと変だ。それに略称は cooperative、略語は co-op なので、コーポは無理、コープが妥当である(あれれ、生協になってしまった)。

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 そういえばハイツなんてのもあるなあ…などと、どうでもいいことを考えながら、なおも歩いたのだが、だんだん寒さがこたえてきた。寒さのレベルが一週間前とは比較にならないのである。日が沈みかけるとさらに冷えこんでくる。

 これはいかん。校舎の跡地やら廃屋と化したアパートなど寒々しいものを見たせいもあって、いっそう体が冷えるのかもしれない。

 アパートでもマンションでもコーポでもハイツでもない、ガタのきたあばら家にさっさと逃げ帰ったことは申し上げるまでもない。

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November 20, 2017

Daily Oregraph: 冬に備える

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 玄関チャイムが鳴ったり鳴らなかったりすることに気づき、カバーを外してみると、ボロボロに腐食していた。

 さすがにこれは替えなあかん……

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 さっそくホームセンターへ行って新品を求め、レジに並ぶと、除雪用品が飛ぶように売れている。ほかのものには目もくれず、プラスチック製の雪はねスコップを手にする人が多いのである。

 雪なんてないじゃないか……とお思いかもしれないが、

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ごらんのとおり、昨日うっすらと積もった雪が日陰にはまだ少し残っている。みなさんあわててホームセンターへ走るのもむべなるかな。

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 波しぶきが崖の上にまで達している。ここ数日で風がいっぺんに冷たくなった。

 玄関チャイムも無事復活したし、冬への備えは万全だが。心配なのは、ボロボロに腐食した(?)足腰である。この冬の雪かきを想像するといやになる。こればっかりは、ホームセンターで買い替えるわけにはいかないしなあ……

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November 17, 2017

Daily Oregraph: かもめかな

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 今日は一度もシャッターを切っていないので、昨日の夕方港町で撮った写真でお茶を濁すことにしよう。

 例によって見るべきものはカモメしかないのだが、ふと芭蕉にカモメの句はあったかしらと気になったので調べてみると、

  
水寒く寝入かねたるかもめかな

という一句がみつかった。

 芭蕉先生わざわざカモメを見に水際へいったわけではない。「
元起和尚より酒をたまはりけるかへしにたてまつりける」という前書があり、例の「古池や」の成った貞享三年(1686年)、深川芭蕉庵での作である。

 寝入りかねたるかもめは寝酒でもやったのだろう、といいたいところだが、ちょっと待った。「水寒く」とあるから、季節は冬だろう。これから寝ようというからには、もう炉の火は消えているはず。わざわざまた火を起こして燗をつけるほど先生がマメなお人だとは考えにくい。

 とすれば独酌で冷酒をあおることになるが、それは宗匠にはふさわしからぬすさまじい光景である。したがって芭蕉翁が依存症でなかったとすれば、結局この夜は飲まなかったほうに賭けたい。

 例の「
きみ火をたけよき物見せむ雪まろげ」も同じく貞享三年の作だから、結局和尚からもらった酒は、雪の日に曾良と一緒に味わったにちがいない。曾良にしたって、雪だるまなんぞを見せられるよりは熱燗のほうがいいに決まっているので、喜んで火を焚いたはずである。

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 -ふん、おめえ、ずいぶんいいかげんなホラを吹くもんだなあ。

 生意気なカモメがそう申しておったと。はあ、どっとはらい。

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November 15, 2017

Daily Oregraph: またひとつ……

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 おや、いつの間に? 木造家屋がまたひとつ姿を消していた。

 当社の誇る資料室を探してみると……

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 2005年4月29日撮影。

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 こちらは2004年4月29日、すなわち上の写真の一年前に別の角度から撮影したもの。画面右端に見える通りは南大通である。

 このときすでに廃屋と化して数年以上は経過していたと思われるから、たぶん20世紀のうちに住居としての役目を終えたのだろう。

 屋根のかたちは知人の廃屋と同じで、北海道の木造家屋によく見られる(見られた?)いわゆる方形屋根である。

 市内には木造家屋がまだ少数ながら残っているけれど、今世紀のうちにはきっと全滅してしまうにちがいない……と、これまた前世紀の遺物であるジジイは感慨にふけるのであった。

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November 14, 2017

Daily Oregraph: 裏庭画報 ナナカマド始末記

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 に三日どころか十日以上も放っておいたナナカマドの枝を始末した。たいした量ではないように見えるかもしれないが、たっぷり一時間半以上はかかったのである。

 この束を背負い、本を読みながら道を歩けば、気分は二宮金次郎。どこぞの校庭にぼくの銅像が建つかもしれない、というのは時代錯誤の妄想に過ぎず、「まあ、あのお爺さん、気の毒に頭がちょっと……」といわれるのがオチだろう。残念。

 トマス・ハーディの傑作『日陰者ジュード』の主人公ジュードは、おばさんの家に厄介になりながら、(細かいところまでは忘れたけれど)たしか馬車でパンを配達していた。向学心に燃えていた彼は、馬車で移動する途中も本を開いて学問に励んだから、イギリス版二宮金次郎といっていいだろう。

 ジュードがその後とんとん拍子に出世したという話なら、そこいらに転がっている安手の自己啓発本とたいして変らぬが、本物の文学者の目はそれほど甘くはない。

 並の大学生も及ばぬほどラテン語が上達しても、貧しい下層階級に属する彼は念願だった大学入学を果たせず、結婚にも破れ、「世間」と闘って満身創痍になった挙句、悲惨な死を迎える。

 どうにも救いのない小説だが、世間に広く受け入れられている制度や道徳が、実は人を不幸にする不合理を含んでいるという事実を読者に突きつけたから、当時ハーディは保守派から囂々たる非難を浴びたのであった。彼が小説の筆を折った一因ともいわれている。

 修身はものごとの半面しか教えてくれない。この小説は、世の中の別の半面を教えてくれるという点で、文学の可能性のひとつを示したものだと思う。たぶん文科省推薦にはなるまいが……(笑)

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November 12, 2017

Daily Oregraph: 冬めく

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 本日の最高気温は 8.9度。少々風はあるけれど、ときどき日が射すから、もうちょっと気温は高そうに感じる。

 だから体感上はさほど寒くないのだが、秋か冬かと問われれば、迷わず冬と答えるだろう。空気に潤いがないのである。風が体を通り抜けるようにも思われる。万物が一切の飾りを取り払ってむき出しになったようにも見える。

 この感覚が「冬めく」というやつなのだろう。

   
口に袖あてゝゆく人冬めける  高濱虛子

 そういえば、ぼくもいつの間にか両手をポケットに突っこんで歩いていた。

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November 10, 2017

Daily Oregraph: 受信拒否の副作用

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 最近高校時代の級友からのメールが未着になるという出来事があった。二度送ったらしいのだが、二度ともぼくからの返信がなかったので不審に思ったらしく、スマホ専用の別メールアドレスから問合せがあったのである。

 すぐには原因は判明しなかったけれど、一日たってからハッと思い出した。ずいぶん昔の話になるが、迷惑メールの多さに悩まされ、相当数のメールアカウントを受信拒否設定したことがある。

 もしや、と思って確認したところ、やはり問題のメールアカウントは受信拒否設定に該当していた。彼は某無料メールアカウントを利用していたのである。

 もちろん無料サービス自体には問題ないけれど、それを悪用してむやみにアカウントを作成し、迷惑メールを送りつける不届者が多かった(今でもそうだろう)。それに業を煮やして、無料メールアカウントからのメッセージは「すべて」受信拒否する人もいたことを覚えている。

 ひとつひとつは面倒だから、たとえば @yahoo.it なら、それを一括受信拒否に設定すると、効果はてきめん、迷惑メールの数は激減した。しかし当然それには副作用もあって、すっかり忘れた頃に今回のような出来事が起こったわけである。

 さっそく問題の設定を解除したら、無事彼からのメールを受信することができた。現在では迷惑メール対策は当時よりもずいぶん楽になったから、一括排除する必要まではなさそうに思うが、浜の真砂はなんとやら、インターネットを悪用する輩は後を絶たないだろう。善良な市民が迷惑をこうむるのだから困ったものである。

 しかし道徳の教科書を検定するお役所が悪徳政治家の味方をする世の中なんだから(笑)、なにをいっても通用しない悪い連中に説教したってムダ。人間とはそんなものだと観念したほうがよさそうだ。

 エルキュール・ポアロなら "Human nature." とつぶやくところだろう。

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November 04, 2017

Daily Oregraph: 冬近し

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 16時10分。ポケットからカメラを取り出し、スイッチを入れてレンズがじわっとせり出すまでに、夕日は雲の向こうに消えてしまった。あっという間である。

 空を染めた鮮やかな赤もほんの一瞬だけ。このあとみるみるうちに色あせていった。まさに微妙な時間帯である。

 本日の最高気温は8.9度。風はほとんどないのだが、歩いているうちに手がどんどん冷えてくる。そろそろ手袋を用意しなくてはいけないようだ。

 全国のジジイ諸君、もうじき立冬である。寒くなるからお体を大切に。

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November 03, 2017

Daily Oregraph: 伊賀越道中土産

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 -いやあ、最近ブログのネタがなくて弱ってます。

とぼくがこぼしたのを耳にしたスコップさん、ニッコリ笑って、

 -ハハハ、私にお任せあれ。

 というわけで、さすがは困ったときのスコップさん、先日出張された三重県のお土産をくださった。しかもお酒と肴のセットである。

 そういえば釧路ではみかけないカマキリの写真なんぞをブログに掲載されていたから、はてな? と首をひねっていたのだが、なるほどあれは三重県でお撮りになったものだったのである。

 大変忙しいお仕事だったはずなのに気をつかっていただき、まことにありがたく、感謝感激である。スコップさんのお宅に足を向けて寝るわけにはいかない。

 さっそく味見を……とは思うのだが、なんだかもったいない。どうしようかなあ(笑)。

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October 31, 2017

Daily Oregraph: 中央埠頭から

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 ひさびさの港湾パトロール。

 中央埠頭の倉庫解体についてはすでにお伝えしたが、本日たまたま通りかかったら、工事のフェンスが撤去されていたので一枚パチリ。

 こうして見ると、景色が一変したことにあらためて驚かされる。跡地がどうなるのか、なにか変化があったらご報告したい。

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 ついでといってはなんだが、中央埠頭といえばこの廃屋を忘れることはできない。

 たしかぼくが港で働きはじめたときはすでに廃屋だったと記憶しているから、相当古い建物である。釧路遺産くらいの格はあると思う。

 いまだに倒壊せずに残っているのは鉄骨造りだからであろうが、ここ数年のうちに、ずいぶんトタン板がはがれてしまった。

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 しょうもない写真だが、これも記録のため。中央埠頭から見た北埠頭東側岸壁である。

 この岸壁は通称「北裏」……といっても、現在では業界でも若い方にはなじみがないかもしれない。

 東港はなやかなりし頃は、北裏でも木材の荷役が行われていた。本船のサイドで丸太を筏に組んで貯木場へ運ぶ、いわゆる水面落としという方式である。

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 この写真は2005年3月28日に中央埠頭で撮影したもの。

 独特の風情ある筏組みも今では見ることができず、直接岸壁に荷揚げする方式に変ってしまった。それとともに紅顔の美少年も白髪の翁と化したのだから(笑)、まさに感無量である。 

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