February 27, 2013

Daily Oregraph: 作戦失敗?

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 宗八(ソウハチ)ガレイ、一尾85円也。買わずに写真を撮っただけ。

 なにしろノートを読み返しているだけの毎日だから、ネタというものがない。おまけにここ数日、どうも文字を読むのがつらくてならない。いわゆるスランプである。

 だれだったか、真剣
素振りをしてスランプを乗り切った野球選手がいたと記憶している。しかしそんな物騒なものはもちろんわが家にはないから、素振りをするなら一升瓶くらいのものだろうか。

 こういうときは思い切って気分転換が必要である。音楽などはよさそうだけれど、それなら毎日聴いているじゃないか。いやいや、思い切ってジャンルを変えるのさ。そこで三橋美智也から浅川マキやビリー・ホリデイまで、一杯やりながら、ごった煮にして聴きはじめたとお思いいただきたい。

 先日札幌の喫茶店に流れていたヘレン・メリルの What's New も聴き直してみたが、しんみりしていい曲である。ニューヨークのためいきに

  I
haven't changed
  I still love you so


なんてささやかれてごらんなさい
ゾクゾクとするから。Handsome as ever (あいかわらずハンサム)じゃないおれには、だれもそんな泣かせるセリフをいってくれない(あたりまえ)のは情けないけどさ(笑)。

 しかし一番こたえたのは、ビリー・ホリデイのだみ声だなあ。こっちはとてもシラフではつらくて聴く気になれない。だんだん気が滅入ってくるのである。そこで酔いが回ってから聴いてみると……ますます気分が落ちこんでくるのだ。

 あの声で You don't know what love is てなことをいわれると、たしかにそうかもしれないなあと思えてくるからふしぎである。

 う~む、スランプ脱出作戦失敗だろうか? でも今日一日だけは勉強をサボって音楽にひたることにしよう。

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January 04, 2012

Daily Oregraph: 40年ぶりの『融』

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 空気が澄んでいたので、米町公園から雌阿寒連峰がよく見えた。手前の景色がいまひとつ冴えないけれど(笑)、どうかご容赦いただきたい。

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 三ヶ日もすんだからもう参拝客もほとんどいまいと思いのほか、厳島神社には今日も多くの人々が訪れていた。

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 さて厳島神社といえば、毎年秋になると、本家宮島の厳島神社能舞台では観月能という催しが行われる。昨年の出し物は喜多流の『融(とほる)』。昨年10月10日の舞台のもようが正月の二日にNHK教育TVで放映されたので、ぼくとしてはめずらしくDVDに保存して、本日じっくりと鑑賞した。

 えっ、おまえが能を観るのかよ? と、ビックリされる方もいらっしゃると思う。たしかに柄じゃない(笑)。あの独特のうなり声(失礼)を聞いていると、たいてい眠くなってくるから、ふだんは見向きもしないのである。

 しかし『融』は芝居としてもなかなかよくできており、約40年ほど前にやはりNHKで放映されたとき、最後まで居眠りせずに観ることができたのであった。素人を飽きさせないのだから、この謡曲はたぶん大傑作にちがいない(あんまりあてにはならないが……)。

 それ以来ぜひもう一度とは思いつつもなかなかチャンスがなく、やっと念願かなったというわけである。内容について詳細は省略するが、幽霊が姿を変えて二度現れるというおもしろい曲だから、どうか食わずぎらいをせずに、ごらんになるようお勧めしたい。

 作品の舞台となるのは、荒れ果てた六条河原院跡で、地図によると、鴨川右岸、現在の五条大橋から五十メートルほど下流側にある。河原院を造営した左大臣源融は、(現在の宮城県)塩竃の風景を模して作庭したばかりでなく、難波の海で汲んだ汐を都まで運ばせたというから、実際に製塩もさせたのだろう。畸人というべきか。

 当時陸奥塩竃の風景はよほど有名だったらしいけれど、左大臣を勤めたほどの貴人が気軽に観光旅行に出かけることはできず、庭をながめてあれこれ想像していたのだろう。

 汐汲みの爺さん姿で現れた融の幽霊は、まず

 
月もはや、出汐になりて塩竃の、うらさびわたる気色かな。[注]

などと、都にありながら現実離れしたセリフをうなるほどだから、よほど塩竃にあこがれていたらしい。

 ぼくは左大臣ならぬ下賤の身のありがたさで、昔一度だけ名高い塩竃神社を見物したことがある。有名な景色がどこを指すのか、そのときはあいにく時間不足のため確認していないが、昨年の大震災で風景が破壊されていないことを祈るばかりである。

 (昔)恋しや恋しやと、慕へども嘆けども[または「願へども」]、かひも渚の浦千鳥、音をのみ泣くばかりなり、音をのみ泣くばかりなり。

 六条河原院跡には石碑があるらしいので、今年中には取材するつもりである。塩竃もぜひ再訪してゆっくりと見物したいものだが、関西東北を股にかけての旅行となるとちょっとしんどいかもしれない。

[注]「月もはや出、それとともに潮も満ち来て、塩竃の浦は一面うら(心)さびしい様子である」というほどの意味。

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