January 26, 2023

Daily Oregraph: 初天神

 ひさびさの京都通信員だよりは、毎月25日に立つ北野天満宮の市―1月25日は今年最初だから初天神である。

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 ちょうど受験シーズンだし、気の弱い受験生諸君はこの写真を拝むといいだろう。遙拝の一種だね。神様は空間を超越している(はずだ)から、日本中どこから拝んでもご利益に差はなかろう。

 神頼みはけしからんという説はもっともだけれど、だれに迷惑がかかるわけでもないし、それで気が楽になるのなら目くじらを立てることはあるまい。ただし統計によれば、天神さんを拝んだら必ず大学に合格するわけではないから、結果についてはぼくも保証はできない。

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 境内にはまだかなり雪が残っている。そのせいか、ふだんより参拝客は少なかったらしい。ぼくも京都は六年前に訪れたきりだから、こういう物好きの撮った写真を見ると、そろそろ天神さん参りでもしたいところだが、残念ながら当分は行けそうにないなあ。

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July 14, 2021

Daily Oregraph: 京都通信員だより 祇園祭の季節

 本日の最高気温は19.8度。晴れ。適温である。

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 さてここは四条通りに面した下京区月鉾町。月鉾を建てているところを、バスの窓から撮影したとのこと(7月10日撮影)。今年は山鉾巡行中止なので、鉾だけ見てもらおうというわけなのだろう。

 京都は本日30.7度だから温度差10.9度とは恐ろしや。たとえコロナ禍がおさまっていたとしても、「そうだ京都、行こう」なんぞと思うはずがない。ご免こうむります。暑さだけではなく、祭りの人出の多さを想像しただけで気が遠くなりそうである。

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 こちとら地味に草むしりである。コンチキチンではなくコンチクショウとつぶやきながら、ひたすら草をむしる。虫刺され対策として上下ともに一枚余計に着こんで作業したので、この気温でも汗がポタポタ落ちてくる。

 ごほうびは昼間の缶ビール……これが今年のわが夏祭りかもしれない。

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April 22, 2021

Daily Oregraph: 京都通信員だより

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 河原町の某居酒屋(4月21日撮影。念のため目にはボカシをかけてある)。当社通信員にいわせれば、「皆さん粛々と呑んでました。民度の高さは折り紙付きの酒場です」だそうな。

 ひっそりと飲み食いする分には問題は少なかろうし、民度の高さ(?)はさすが京都ですなあ……といいたいところだけど、油断は禁物。当分は用心が必要だろう。

 それにしても昼間っから酒かよ。うらやましいなあ(笑)。

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December 26, 2020

Daily Oregraph: 京都通信員だより-終い弘法・終い天神

 京都通信員より、一年のしめくくりにふさわしく、21日の東寺「終い(しまい)弘法」と25日の北野天満宮「終い天神」の写真が送られてきたので、家にこもっているみなさまにご覧いただきたい。どちらもコロナ禍さえなければ、はるばる出かけて見物するだけの価値はあると思う。

 通信員によると、どちらも出店数はかなり減り、観光客は例年の十分の一程度であったという。

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 まずは弘法さんの市である。なるほど人出が少ない。ぼくは一度しか見物していないけれど、この市には恐ろしいほど人が集まる。

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 これは2002年9月21日に撮影したものだが、門前からすでにこの人出で、暑い日だったせいもあり、境内は人いきれで具合が悪くなるほどであった。

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 こちらは25日の天神さん。出店数はほぼ半減したらしい。弘法さん同様、妙な骨董品なども売りに出されており、右側に見えるのは火焔太鼓じゃないかと通信員君はいうのだが、それなら腰を抜かして坐りションベンするほどの高値がつくかもしれないんだから、買えばよかったのに。

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 これは2014年9月25日に撮影したもの。東寺ほどごった返してはいないという印象を受けたけれど、もちろん人出は多いし、驚くほど多数の露店が並んでいた。一通り見て回るだけでも結構な時間がかかる。

 神仏をも閉口させるほどの勢いがあるのだから、コロナ恐るべし。通信員君もあまりフラフラ歩き回らないほうがいいのではないだろうか。

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May 18, 2020

Daily Oregraph: 新コロナの乱

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 ご存じ新京極である(2014年9月30日撮影)。なかなかの賑わいだが、つい数ヶ月前まではもっと多くの観光客であふれ返っていたらしい。

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 そしてこちらが5月16日の新京極三条下ルで、画面を拡大して数えてみたら、歩行者はたった9人のみだから驚く。京都通信員にいわせれば「応仁の乱以来の惨状」であって、例の緊急事態とやらが解除になったとしても、観光客、とりわけ外国人観光客は当分戻らないだろうから、商店街にとっては大打撃にちがいない。

 ろくな補償もないまま自粛しても地獄、そうかといって開店しても客が少ないから地獄、下手をするとコロナで死ぬか店を閉めて死ぬかという有様だから、まるで方丈記の世界である。

 そのどさくさに紛れてごり押ししようとした検察庁法改正案がひとまず見送られたのはなによりであったが、あまりにもひどすぎる話である。こんな途方もない法案が国会に出されるとは、未開の野蛮国といわれても仕方がないだろう。

 これまでボーッとしてチコちゃんに叱られていた多くの人々に政権の正体を知らしめたのは、新型コロナの唯一の功績かもしれないが、とにかく犠牲が大きすぎる。目前に迫る金融バブルの崩壊と相まって、近い将来世界は一変するのではないかという予感がする。末世である。

 かくなる上は、移動式の家を大八車に積んで山に入り、仏様におすがりするしか道はないのだろうか。

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May 15, 2020

Daily Oregraph: 鳩の神社

 観光客がいないのを幸いに、あちこちほっつき歩いている京都通信員だが、本日は三宅八幡宮へお参りしたそうな。

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 なんと狛犬の代りに鳩とは異色である。護王神社のイノシシもめずらしいけれど、鳩とは意外である。

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 アップにしたのがこちら。こんな巨大な鳩にははじめてお目にかかった。

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 鳩の餌は一皿わずか50円だから、おひまな方はぜひ ……といっても、当分行けないそうにないのは残念千万である。

 さて三宅八幡宮の写真から、いっぺんに昔の記憶がよみがえったので、たまには思い出話でもしてみようか。

 ぼくは一時期岩倉に部屋を借りていたから、この神社に行ったことはないけれど、三宅八幡という地名はよく覚えている。まだ鞍馬線を京福の電車が走っていた頃の話である。このあたりは当時は田舎も田舎、岩倉の駅前からして水田だらけ、下宿までの畦道の途中には小さなよろず屋が一軒だけという、「え~、うそ~」というような土地であった。

 夜になれば全方向からカエルの合唱が聞こえてくる。便所へ行けばカエルが跳ねている。窓を開ければヤモリがどたりと頭に落ちてくる。友人は天皇の写真をかけてある部屋の天井から落ちてきたムカデに咬まれる。

 それでも電車の便がいいからだろう、学生はかなりいたように思う。間借りしていた農家には、近くにある同志社高校の生徒もいた。こいつはチャッカリ屋で、大学生の知恵を借りて英語の教科書のアンチョコを作っては小遣い稼ぎをしていた。

 余分な金など一銭もなかったぼくは、よく先輩たちにご馳走になった。ご馳走といっても、もちろん料亭でドンチャン騒ぎをするわけではなく、たまたまアルバイトで稼いだ先輩の部屋で宴会をするのである。修学院離宮にも連れていっていただいたし、わずかの期間ではあったが、京都産業大学の方々にはずいぶんお世話なったから、いまだに京産大に対する敬意は失っていない。

 また当時京大工学部の6回生だった某さんには、特に親切にしていただいた。お部屋に何度かおじゃましたが、本棚には工学書が一冊もなく、仏教書が数冊だけというのには驚いた。「本はな、たくさんはいらんのや」というのである。

 たしか彼は大学を中退されたはずである。「おれは土方をして金を貯めたら、彼女と一緒になってドライブインでもやろうかと思っている」とおっしゃっていたが、お元気でお過ごしだろうか? あるとき「今度実家に帰ったら、高校時代におれの焼いた茶碗を持って来て、君にやる」というので楽しみにしていたのだが、ついにその茶碗をいただく機会を逃してしまった。風貌が高橋和巳によく似た方であった。

 当時岩倉でお会いしたみなさんはずいぶん年老いたはずだし、カエルやヤモリの数も激減したにちがいないけれど、三宅八幡宮の石の鳩は、見たところ当時のままらしい。

 そんなことを考えながら、しんみりと一人で飲む酒も悪くはない。

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May 07, 2020

Daily Oregraph: 困ったときの……

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 当社無給京都通信員が「不明門(あけず)通松原上ル、平等寺因幡薬師堂で配布されてたコロナ退散の御札」の写真を送ってくれた。このお寺については以前記事を掲載したから、こちらをご覧いただければ幸いである。

 なんだ、不信心者のくせに神仏にすがるのか? といわれそうだが、この際だから、すがる(笑)。なにをやらせても後手に回り、しかもそれが意図的であって、国民を救おうという気持が微塵もない最低最悪の極悪政権に期待できぬ以上、神仏にすがるよりほかに道はあるだろうか?

 しかもドクター仏さんの異名をお持ちの(?)薬師さんである。妖怪アマビエごときの少なくとも一億倍は頼りになるであろう。住民票がどうの、国籍がどうのなどとケチなことをおっしゃらず、無条件で救ってくださるのが仏さまのありがたいところだ。

 お賽銭はいらないから、懐疑論者のあなたも、素直にこの画像を拝みなされ。

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April 10, 2020

Daily Oregraph: 雪と桜と

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 昨日は10センチ近く雪が積り、やむなく雪かきしたけれど、気温が高いからみるみる融けて、本日はごらんのとおり日陰に少し残っているだけである。もう降らんでもよろしい。

 さてここからは昨日(4月9日)の京都。市長が当分京都には観光に来ないでくれというから、当社京都通信員の写真でもごらんいただこうと思う。みなさまお疲れだろうから、アベラント(aberrant 笑)な人物の話題はやめておく。

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 北山大橋付近の桜。鴨川ではなく賀茂川の河畔である。この写真では画面正面が北、右が東に当たり、どんどん南へ歩いていくと、やがて西の賀茂川と東の高野川が合流して鴨川になる。

 このカモガワのちがいを知らないと、無知な東夷(あずまえびす)扱いされてくやしい思いをする可能性があるから、ぜひ覚えておこう。「まさか、そんな大げさな」というお方は、失礼ながら京都人をご存じないのである。もちろん雅な人たちがそんなことを顔にも口にも出すはずはないけれど、鈍感な東夷のあなたでも、いつかはハッと気づくはずである。しかし時すでに遅し(笑)。

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 鴨川西岸をなおも南下して三条大橋から先斗町へ。京都市長が懇願するまでもなく、人影が絶えている。閑古鳥も鳴かぬという、まことに信じられない光景だから、飲食店のみなさんはさぞお困りのことと思う。

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 これはなんだろうと思ったら、せき止められて高瀬川の川面を埋めつくす桜の花びらだという。ここでは雪のかわりに桜が積っている。空しく積る観光資源というところだろう。

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 さてこの日通信員がどこまで歩いたかは不明だが、寺町通のオシャレ雑貨の店で Made in Japan のマスクを発見し、さっそく購入したという。一枚550円也(笑)。なおこの日の朝、ドラッグストア前にはマスクを求める人の長蛇の列が出来ていたのだそうな。

 ……いかん、いかん、せっかく避けてきたのに、給食当番マスク宰相を思い出してしまった。

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March 19, 2020

Daily Oregraph: さらば等持院駅

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 気の滅入るようなニュースばかりでいやになるし、悪人どもの顔など見たくもないから、どうでもいいような超ローカルニュースをお届けしたい。

 嵐電北野線「等持院」駅が 3月20日から「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅に改称されるというので、当社京都通信員がもの好きにも写真を撮りに行った。なんでも明日からは「日本一長い駅名」になるらしい。

 新駅名で思い出したが、この大学は半世紀前まではあくまでも地味で宣伝下手、当時の本拠地河原町広小路では藁草履に履きかえて図書館に入るほど設備が時代離れしており、学食の「すうどん」は25円だったからなんと当時の市バス運賃50円の半分、当然貧乏学生が大多数を占めていたけれど、いまやイメージ一新、よくも悪くも革命的変化を遂げてしまった。Rのマークは rich の略ではないかと疑われるほどである。

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 等持院駅最後の姿をもう一枚。

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 そしてこちらは2002年9月18日にぼくがフィルムカメラで撮影した等持院駅である。この電車を見てなつかしいとお思いになる方もいらっしゃるだろう。

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November 22, 2019

Daily Oregraph: 23年ぶりの羊羹

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 へえ、ちっとも変っていないじゃないか。

 当社京都通信員から送られてきた写真を見てそう思った。だって、最後にこのお店の前を通ったのは1996年3月なんだから、23年以上も昔の話である。知る人ぞ知る名物はかま餅とでっち羊羹。どちらも一度だけ味わったことがある。

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 これがでっち羊羹。刻んだ栗の入った、まことに上品な羊羹である。めずらしいことに、京都通信員が送ってくれたのである。残念ながら、かま餅は日持ちしないから、送るのを断念して、本人がむしゃむしゃ食ってしまったらしい。

 さてこのお店から少し南下すると出町商店街がある。

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 おお、「出町座」とは? 新しく誕生した映画館だという。正確には「木屋町四条上ルにあった立誠シネマが移転・改名したもの」だそうだが、今どき商店街に映画館を作るとは、さすが京都の底力だと思う。同志社も近くにあるし、一定の観客は確保できるのだろう。

 古いお店がそのまま残る一方で、思い切り新しい映画館ができるところに、京都のおもしろさがある。ぜひまた散歩に行きたいものだが、ブラキストン線のはるか彼方だから、遠いよなあ。

【11月24日 追記】

 三友亭さんのために鎌餅(これが正式名)の写真を……

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 純白の柔らかい餅が餡をくるんでいる。いかにもうまそうだが、23年前に一度食べたきりだから、とっくに味は忘れてしまった。

 大黒屋さんは場所がちょっとわかりにくい。ぼくの記憶によれば、(たしか織田信長ゆかりの)阿弥陀寺を目標にするといい。門前の小路を西に入れば、お店はすぐである。

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