December 15, 2008

Daily Oregraph: 2008-12-15 東京パトロール (3) 食事編

 「東京ラーメン」という看板にひかれて、ついフラフラと店内に入ったのだが、実はたいして期待してはいなかった。

 しかし看板を見るたびに入ればよかったと後悔するよりはマシだし、経験上まずくて食えないラーメンはめったにないから、深手を負うことはあるまいと踏んだのである。

081208lunch 予感的中して、うまいかというとうまくはないものの、まずいかといえばひどくまずくもなく、よくまあこれほど平凡な味にできたものだと妙な感心をした。

 昔東京の某所で食べたラーメンもそうだったけれど、サヤエンドウがぷかぷか浮いているのはおもしろい。これが東京風なのだろうか。

 縮れのない細めの麺はまるで冷麦のようで、釧路人の嗜好にはあまり合わないと思う。だがこのへんは人によって好みの分かれるところかもしれない。

 結局のところ、こんな答案じゃ合格点はつけにくいが、落第させるのも気の毒だからCをつけておこうかという大学の先生みたいな気分で食べ終えたのであった。

 セットになっていたチャーハンは残念ながら赤点。これね、チャーハンじゃないよ。でも平らげたけどね(笑)。

081208mimiu1 東京ラーメンの不満を解消すべく、夕食はこういうしゃれたお店でうどんすき。

 一介の東京パトロール隊員には分不相応の食事であるが、日ごろの勤務態度がいいからありつけるわけである。

 この晩は勤務態度抜群の隊員がほかにも数名(笑)あい集ったのであった。

081208mimiu2_2 このお店の売り物は凍結酒。少しずつ融けたところを飲むのである。

 北海道の厳寒期には日本酒がシャーベット状に凍ることがあるけれど、このお酒は最初から-20℃で凍結保存するらしい。

 バックに写っている渋い隊員は同僚のY氏。ぼくにカメラを向けられたのが因果とあきらめていただきたい(笑)。

 コンパクトデジカメはボケないから、ご本人のプライバシーを尊重し、レタッチ・ソフトで全体をぼかしておいた。男前であることがわかる絶妙のボケぐあいにとどめたのはぼくの手際である。

(以上 2008年12月8日撮影)

081209lunch_2 さてパトロール中にゼイタクは禁物である。

 グルメ指向や食べ過ぎなどはもってのほか、ささいなことも見逃さぬ観察力を保つためには、禁欲的であることが要求されるのだ。

 とまあ、えらそうなことをいったけれど、実はこの日は午後から雨の予報だったので、時間が惜しかったのである。

 銀杏岡八幡神社という、浅草橋にある小さな神社の境内で石段に腰かけ、はらはらと舞い落ちるイチョウの葉をながめながら食べたカレーパン、いや、なかなかうまかった。

(2008年12月9日撮影)

 話のもっていきようではあと3回くらい記事を書けるのだが、人間あまり楽をしてはいけないから、次回の神田編でこのシリーズをおしまいにしようと思う。

| | Comments (2)

December 13, 2008

Daily Oregraph: 2008-12-13 東京パトロール (1) ひとびと

081209asakusa1 どこの街でも通りによって時間の流れ方がちがうものだ。

 しかし東京はその落差が極端だから、一歩裏通りへ足を踏み入れると、まるで別の世界へ迷い込んだような気分になる。

 すいません、ちょっとおじゃまします……ここはどうも観光客の領分でもなければ、転勤族のにわか都民がわが物顔で歩き回るべき場所でもないようなのである。
 
081209asakusa2 そこで第一回は主に地元のひとびとを取り上げてみたい。

 -よう、いるかい?

 通りすがりに声をかけると、主人が店先に出てきて立ち話がはじまる。

 こんな光景にお目にかかるのはひさしぶりのような気がしたのであった。
 
081209asakusa3 浅草寺は観光施設ではなく宗教施設なのであった。
 
 そんなことあたりまえの話なのだが、ワイワイガヤガヤと各国語入り乱れ、どうやら日本人と外国人が半々ではないかと思われる観光客の群れの中にいると、お坊さんがかえって場違いな存在に見えてくるから奇妙である。

 金龍山浅草寺、秘仏聖観世音菩薩を本尊とする聖観音宗の総本山だそうな(そんな宗派があるとは知らなかった)。

  
081209asakusa4 素人ではなさそうなおねえさんが颯爽と歩く。

 もう一枚、このおねえさんの横顔がちらりと写ったほうは公開しないでおこう。芋焼酎をぶら下げて遊びにきた方にのみお見せしたい(笑)。

 京都写真界の眠狂四郎と呼ばれる(?)わが高橋物川先生なら、ぐっと接近してうなじのあたりをパチリ、どうかするとすれちがいざまにストロボ一発浴びせたりするところなのだが、ぼくにはとてもそんな度胸はない。

081209asakusa5 これが浅草マルベル堂。有名なお店だから、ぼくも存在は知っていたが、実際に目にするのはこれがはじめて。

 今どきこういう商売が成り立つのだから驚く。

 ずらり貼られたブロマイド写真に見入っているおじさんが地元民かどうかはおおいに疑問だが、観光客ではなさそうな気がする。

 仲見世通りのすぐ近くにあるこの商店街では、あまり観光客の姿をみかけなかった。

 
081209asakusa6 こちらは浅草橋付近だったと思う。

 いったい何屋さんなのか、どういう客層を相手にしているのか見当もつかないふしぎお店。

 こういうお店が残っている東京もまたふしぎな街である。

 店番のおばあさんが読みふけっているのは、シェイクスピア全集でもなければ資本論でもなく(笑)、チラシ広告。

 いやね、ひょっとしてそんなことでもありやしないかと想像してみたんだ。この街ではなにがあってもおかしくはないのだから。

(以上 2008年12月9日 浅草界隈にて撮影)

| | Comments (0)

December 09, 2008

Daily Oregraph: 2008-12-09 東京パトロール 予告編

081209port あっ、こういうことだったのか!

 東京にしてはずいぶんさびしい夜景だなと思ったら、窓の外は品川の港湾地域だったのである。

 ホテルにチェックインしたのは遅い時間だったし、不案内な土地だから、まるで方角の見当がつかなかった。

 今日は当初の予定が変わって思わぬ自由時間ができたので、都内を10キロ(たぶんそれ以上)ほど歩いてきた。

 シャッターを切った回数は、昨日は約100回、今日が約200回 - ぼくとしては異例のことである。

 デジカメだとフィルム代がかからないというので、一日500枚以上撮影する人もいるらしいが、ぼくには想像もつかない。プロが仕事で撮影するなら話は別だが、なにをどう撮ったらそんな枚数になるのだろうか。

 休みなく一分に一枚の割合で500枚撮ったとしても500分だから、8時間20分かかる計算になる(!)。36枚撮りのフィルムにして約14本。善良なる一般市民には(笑)とても集中力がつづくまいと思う。

 ぼくは以前何日か京都で撮りまくったことがあるけれど、そのときでも一日5~6本だったから、200枚というのはぼくの限界なのかもしれない。

081209toy_3 たった200枚といっても、写真の整理にはかなり時間がかかるものだ。

 今夜は予告編をかね、東京みやげをご紹介して、さっさと床につくことにしよう。

 蔵前のあるお店の店先でこんなものをみかけたのだが……これは買いだよね。

 いい歳をしてというより、いい歳をしているから、ついフラフラと手に取ってしまうわけ。

 
081209toy2 買いましたよ、もちろん(笑)。どうみても輸出モデルだろうな。

 -よくこういうのが残っていましたね。

 すると女主人、

 -ありがとうございます。大人気なんですよ。

 ハイウェイ・パトロール。昔そんなアメリカTV番組があったっけ。

 そいつからタイトルをいただいて、たった2日間の東京パトロール、しめしめ案外回数を稼げそうだ。

| | Comments (0)

December 08, 2008

Daily Oregraph: 2008-12-08

081208shinagawa  いきなり東京から。

 この部屋から見る夜景はちょっと期待はずれだが、ゼイタクいっちゃいけない。

 たった一日で少なくとも数回分の写真を撮り貯めたので、近日公開。

 それにしても……ここは疲れる街である。

| | Comments (0)

August 10, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-05 深川あたり (4) 番外編

080805_1shinagawaseaside いつの間にかできていた、りんかい線の品川シーサイド駅。

 線路を新設すればするだけ商売になるのだから、廃線だらけの地方から見ればウソみたいな話である。幸い廃線の運命をまぬがれた地方にあっても、ローカル駅では極端に便数が少ないため、利用者は不便をしいられている。

 駅舎などに金をかけていられないというので、ポンコツの車掌車や崩壊寸前の掘っ建て小屋が置かれているのはまだ雨風をしのげるからマシなほうで、屋根のない粗末なプラットホームだけという駅さえある。

 この駅などいかにも無機質かつ無趣味な造りだが、おれは採算が取れるのだという自信満々の面構えである。こんなイヤミなやつとつきあいたくはないけれど(笑)、やむをえまい。

080805_2tokyo 東京駅は工事中であった。

 なにをいまさら東京駅なんて、という方もおいでだろう。しかしこの駅はさすがに風格があり、やはりシャッターを切らずにはいられない。失礼ながら東京にはもったいないから、京都に移築してはどうかとぼくは思うのである。

080805_3monzennakacho 地下鉄門前仲町駅。

 そばうどん。かき揚げそば 320円か……少し前にソバ屋で取った昼食の値段のほぼ三分の一である。

 ローカル駅愛好派としては、こちらを食べるべきであったかと反省。財布に金のあるなしではなく、これは心がけの問題なのである。

 日本中を歩き回って測量された伊能忠敬先生も、地方でごちそうをふるまわれたことはあったかもしれないが、ご自分からは美食を求めなかったにちがいない。その程度の人物であれば、あれほどの偉業を達成することはできなかっただろうと、ぼくは勝手に確信しているのだ。

080805_4kayabacho 地下鉄茅場町駅。これまた無趣味な駅である。

 ここで雨は本降りになり、ぼくは地下鉄へ逃げこんだのであった。短い東京レポートだったが、これで終わりにしよう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 07, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-05 深川あたり (3)

080805fukagawa00 門前仲町。

 暑い。いふまいと思へど、暑い。

 いっそカンカン照りならましなのだが、いまにも雨の降り出しそうな空の下、たっぷり湿気を含んだ熱気が体にねっとりまつわりついてくる。無数のエアコンの排熱が目に見えぬ渦を巻いて立ちのぼり、いずれ台風が発生するんじゃないかと疑われるほどである。

 驚いたことに、通りを行く人々は案外平気な顔をしている。よくまあ不平もいわずこんなところで暮らしているものだと、呆れるやら感心するやら。

 涼しい北国に暮らすマジメな市民の多くは、お国のお役に立とうとして、けなげにもレジ袋の削減に取り組んでいるけれど、まあ、この巨大な都市の暑さの中を歩いてごらんなさい。そんなことをしたって、どうにもなるものじゃないことが実感としておわかりになるだろう。

 レジ袋一枚節約して立派なことをしたつもりでも、家に帰ってエアコンをガンガンかけ、せっせと熱気を排出するようではなんにもならないにきまっているし、この腹立たしい暑さの中、エアコンを我慢して長時間耐えられる人がどれだけいるだろうか?

080805fukagawa01 グチをこぼしてもしかたがない(笑)。せっかくだから、富岡八幡宮を見物することにしよう。

 見物といったって、この暑さである。背広を着て歩き回る愚か者としては、ただ通過するだけの話なのであった。

 こちらの境内には伊能忠敬像があり、意志の人である先生はキリリと口を結び、スタスタと歩いていらっしゃる。汗ひとつおかきになっていないのだから、偉人はちがうものだと感心した。

080805fukagawa02 八幡宮よりも伊能先生像に感銘を受けたぼくは、つづいてすぐおとなりの深川不動堂へ向かった。

 写真でもおわかりのように、なにやら空模様あやしく、しきりに雷鳴が轟いている。

 一雨くるか、と思ったけれど、降り出さなかったのは幸いだった。

 富岡八幡宮と深川不動を見物し、一応は目的を果たしたので、近くのソバ屋さんで昼食を取ることにした。

 中に入ったとたんにシベリアのような涼しさ。コップの水をぐいとやりながら、国防婦人会のみなさまには申し訳ないが、エアコンとは実にありがたいものだ、ぼくだったら一日中使いっぱなしだろうなと思った。

080805fukagawa03 ソバをすすりながら壁の貼り紙を見て、そういえば富岡八幡宮のお祭りは江戸三大祭りのひとつだったなと気がついた。頭がボーッとしていたせいか、通りのあちこちに御神輿渡御のノボリが立てられていたことにそれまで気づかなかったのである。

 となりのテーブルでは、商店街のご主人たちだろうか、五六人のグループが昼間っから焼酎をぐいぐい飲みつつ、世間話に興じている。暑気払いに一杯……ちょいと落語の世界を思わせる情景で、もう祭りがはじまったような景気のよさである。

080805fukagawa04 ソバを食い終えて、ふたたび熱気の中へ。商店街の店先をのぞきながら、汗だくになって歩きつづける。

 これは雑貨屋さん。

 「祭用品」が商売になるのは土地柄だろうか。

 ナベやヤカンといっしょに、さらし、白たび、半股引が売られているところにおもしろみを感じた。

080805fukagawa05 そうこうしているうちに永代橋にさしかかる。

 さして情緒のある橋ではないが、やはり深川といえば永代橋だろう。釧路の幣舞橋を渡り、京都の三條大橋を渡って、江戸の永代橋を渡らないのでは、日本人と生まれた甲斐がない(笑)。

 橋の上から隅田川の下流を望み、無国籍の風景をながめたぼくは、人生の目的のひとつを達成した喜びにひたったのである。

 このあとついに雨に降られ、東京駅まで歩く計画は頓挫したのだが、番外編として次回はこのたび都内で撮影したいくつかの駅をお目にかけたいと思う。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 06, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-05 深川あたり (2)

080805eitai1chome 昨日はガックリ疲れて写真の整理もできず、今日も夕方からアルコールつきの会合に出席(笑)。とても時間が足りない。

 そこで今夜は一枚だけ。江東区永代一丁目にある中華ソバ屋さんである。なかなか味のある建物だと思う(たった今ネット検索してみたら、けっこう有名なお店らしい)。

 うっかり ISO400 に設定していたため、前回の写真もそうだったが、安物コンパクト・デジカメだけに画面はザラザラ……しかしこのカメラ、レンズはそれなりだが、画像に独特のコクがあり、なんとなくドキュメンタリ・タッチといえないこともないか。

 さてぼくが深川のあたりを歩くのはこれで二度目。最初に門前仲町を訪れたのは、前の職場のときだから、もうずいぶん以前の話である。そのときは仕事だったから、キョロキョロあたりをながめるだけであったが、ちょいと風情のある土地だという印象を受けた。

 5日の午後は少し自由時間ができたので、せっかく昼食を取るなら、もう一度門前仲町を歩いてみようと思い立ったのである。

 うだる暑さの中、富岡八幡宮と深川 不動尊をのぞいてからソバを食い、深川ファンあこがれの(?)永代橋を渡って感激に浸ったのであった。

 すっかり汗だくになりながら、そのあと無謀にもさらに東京駅まで歩くつもりだったのだが……さていかがあいなったことか、次回をお楽しみに(いや、引っぱるつもりはないのだが、これから写真の整理をしなくてはならないのである)。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 05, 2008

Daily Oregraph: 2008-08-05 深川あたり (1)

080805tokyo0 あたりまえの話だが……東京は暑かった。

 その暑さの中を背広を着たまま何キロも歩いたのだから、まったく酔狂な話である。

 レポートは明日以降ということにして……夏の釧路は天国であることを再認識した(笑)。

 (写真は永代橋西詰付近)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 23, 2007

Daily Oregraph: 2007-01-23

 今日は植物編である。

070119unknown1 といってもこの季節、いくら暖冬とはいえ、たいして収穫があったわけではないけれど、ちょっと気になったのがこれ。

 うんと短くなったクリのイガのトゲみたいなものが見える。人間だって年を取れば多少はまるくなるから、イガだってトゲが短くなってもおかしくないのだが、まさかなあ。

 クリは北海道にもあるらしいが、寒い釧路では見た記憶がない。しかし時期がきたら、たしかたいていの実はニュートンの法則にしたがって落下するのではなかっただろうか。

070119unknown2 ところがこの実は枯木に鈴なりになっているのであった。いったいなんだろうか?

 あとで調べる助けになるように、歩道橋から近くの木の枝を撮ったのが右の写真である。

 だれも実に手をつけぬところをみれば、食用にはならないのか、食べられはしてもまずいのか、そのどちらかだろう。

 宿題をひとつ出されたようなもので、どうも気になってしかたがない。どなたか教えてくだされば幸いである。

070120yatsude こちらも釧路にはないが、かたちからすぐにヤツデとわかる。住宅街のあちこちでみかけたので、人気があるらしい。

 時間さえあればもっと発見があっただろうと思う。ほかにも例によってわけのわからぬ写真を撮ったから、長野シリーズをつづけようとすればあと数回はいけるのだが、このへんでピリオドを打つことにしたい。

 なにかと親切にしてくださった長野のみなさまにお礼を申し上げたいと思う。

 (長野市にて。2007年1月19~20日撮影)

| | Comments (2) | TrackBack (0)

January 22, 2007

Daily Oregraph: 2007-01-22

070120miyage1 今日は長野みやげもの編である。最後にはぼくの選んだ信州みやげものチャンピオンを発表するので、どうかお楽しみに。

 まずは善光寺参道に並ぶ小さなみやげもの店の写真をごらんいただきたい。じっくり見ると、これがなかなかおもしろいのである。

 いったいだれがかぶるのか疑われる笠や、非実用的な提灯も悪くないけれど、ぼくが注目したのはフィルム付きレンズ(レンズ付きフィルム?)や35ミリ・フィルム。これから何年後まで、こういう製品が店先に並ぶのだろうか?

 みやげもの店の定点撮影も悪くないと思う。案外世の移り変わりがわかるかもしれないからだ。

070120miyage2 さて数ある参道のみやげもの店の中でも、ひときわぼくの目を惹いたのはこのお店である。

 渋い、実に渋い。観光地のみやげもの店にして、これほど地味な品ばかりを並べたお店はちょっと珍しいのではないか。
 

070120miyage3 おみやげといえば、忘れてはならないのが食べ物。善光寺饅頭やせんべいはもちろん、最初の写真にも見える「そばまんじゅう」などはあちこちでホカホカ湯気を立てて、人々を誘っている。

 しかし信州名物の食べ物といえば、やはりこの「おやき」であろう。ここと思えばまたあちら、おやここでも売っているという、まさにユビキタスな存在といえる。

 実はぼくも写真のお店でおやきを買い求め、初めて味わってみたのだが、まことにふしぎなものであった。釧路あたりで「おやき」というと、いわゆる今川焼きのことなのだが、長野の「おやき」は異色の食べ物だと思う。

 なんとなく中国の包子に近いような気もする。具も野沢菜、カボチャ、ナス、山菜など各種あって、もちろん小豆餡も選ぶことができる。

 ビックリするほどおいしいとはいえないが、けっしてまずくもないという印象を受けた。つまりごく日常の食べ物のようなのだが、ほかの地方ではみかけないから名物として売り出しているらしい。その点でも、日本のみやげもの界ではめずらしい存在だと思う。

070120miyage4 ではぼくの選んだ信州のみやげものチャンピオンが「おやき」かというと、さにあらず、信州といえばやはりソバだが、そのソバには欠かせない七味唐辛子こそ薄氷堂選定信州みやげなのである。

 最初の2枚の写真をよくごらんいただくとわかるのだが、およそみやげもの店にしてこの唐辛子を置いていない店は一軒もないのではないか。ホームの立ち食いソバ屋でもみやげとして売っているのだ。

 つまり長野駅に降り立った旅行者は、この唐辛子に迎えられ、知らぬ間に街中のみやげもの店に整列する唐辛子が記憶にこびりつき、あちこちのソバ屋でこの唐辛子をふりかけ、それでも買おうとしない鈍感なあなたは、帰りの新幹線をホームで待つ間、なにか忘れ物をしたような落ち着かぬ気分になるだろう。

 なにげなくホームのソバ屋を見たあなたは、はっと気づくのだ。

 -しまった、唐辛子を買っていなかった!

 ご安心あれ。面倒見のよい長野市は、最後の最後まで機会を与えてくれるのである。

(長野市にて。2007年1月18日・20日撮影。最後の唐辛子の写真のみ本日撮影)

【1月23日 追記】

Togarashi ルート38さんのコメントを拝見したので、記事中の写真から、七味唐辛子の部分だけ等倍で切り取って合成した一枚を追加したい。

 奈良はよく知らないけれど、京都にも店先で七味唐辛子を好みに合わせて調合してくれるお店はあり、たぶんあちこちの町に古くからの唐辛子屋さんがあるのだと思う。

 しかし驚いたことに、長野市内でぼくがみかけた七味は、すべて同じお店の製品なのであった。圧倒的なシェアである。ほぼ独占に近いのではないか。有名食品会社の唐辛子も、ここではまったく無力にちがいない。

 38万市民と大勢の観光客が毎日ソバに七味や一味をふりかけ、家庭用あるいはおみやげとして買い求めるからには、来る日も来る日も、朝から晩まで大量の唐辛子を作りつづけているはずだ。

 その唐辛子の粉の山を想像すると頭がクラクラして、これはなるほど「忘れられぬ信州の味」にちがいないと思うのである。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

January 21, 2007

Daily Oregraph: 2007-01-21

070120nagano_2senro 長野駅善光寺口周辺をしばらく歩いたぼくは、釧路市(人口約19万5千)を基準にして、ここは少なくとも50万都市だなと思った。

 あとで調べてみると、人口38万6千人というから、釧路のちょうど倍である。実際より多めに見えたのはどうしてだろうか?

 まずここにはマチがしっかり存在している。表通りだけでなく、そこから一本入った商店街にも活気があるのだ。

070118nagano_spice 次に街を歩く若者の数の多さには驚いた。

 写真のように凝った多国籍風のお店があちこちにあるのは、その印象を裏づけるものだと思う。

070120nagano_bus 長野市は善光寺の門前町だけに、観光客への配慮も行き届いている。

 善光寺を含む市街地を循環する「ぐるりん号」の運賃はわずか100円だが、それだけではなく、路線バスもまた駅前~善光寺大門までは100円区間になっている。

 この日は土曜日ということもあって、「ぐるりん号」は(たぶん市民も含め)超満員であったが、善光寺参りが目的なら、さほど混まない路線バスに乗ってもいいわけだ。

 釧路にも以前「くるりん号」という中心街循環バスがあり、やはり運賃は100円だったけれど、採算が取れぬという理由で廃止されてしまった。都市としての余力のちがいをみせつけられた思いである。

070118nagano_sengoku 視察中の市会議員みたいなことばかり書いてもしょうがないから、本来の路線に戻ることにしたい。

 駅に近い裏通りにあった映画館。こういう小屋が健在なのはうれしい。料金は大人1,800円。

070120nagano_redblack 歴史のある町にしては全体に古ぼけた印象を受けず、善光寺から駅までの間を歩いたかぎりでは、あまりさびれた地区をみかけなかったけれど、飲食店数ある中にはこういうぼく好みの(?)バーの廃屋もないわけではなかった。

 -おっ、スタンダールだな。

 そんなことをいうのは、たいてい金もないくせに余計な知識だけはある、ごくつぶしの文学部出身者だろう。

 -ばかな。鶴田浩二さ。「赤と黒のブルース」だよな。

 ひょっとしたら、そのどちらも若者には通じないかもしれない。

 長野シリーズ、あと2回ほど掲載したいと思う。

 (長野市にて。 2007年1月18日・20日撮影)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

January 20, 2007

Daily Oregraph: 2007-01-20

070118nagano_night_1 18日から20日にかけて長野市に出張したのだが、自由時間にかなり写真を撮ることができた。当分はネタに困らない……つまりラクをすることができそうだ。

 さて夜の写真といえば、旅先では必ずホテルの窓から夜景を一枚撮ることにしている。

 窓を開けると、雨が降っていた。今年の長野市は雪がほとんどなく、新幹線の車窓から見た軽井沢も積雪はほんのわずかであった。

 (2007年1月18日 長野市駅前付近にて)

| | Comments (0) | TrackBack (0)