June 25, 2017

Daily Oregraph: 小樽散歩 (1) 市場縦断

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 6月21日。小樽は四年ぶりである。

 ここは何度か訪れているけれど、いつも一泊か日帰りなので、市内のほんの一部しか見物していない。いかに地方都市とはいえど、一回りするには最低二泊三日、いや三泊四日は必要だろう。

 今回も一泊だから、目的を手宮線跡地の散歩に決めてきたのだが、地図をながめると三角市場なる奇妙な名前の市場が駅のすぐそばにあるので、ちょっと寄ってみようと思った。

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 まずはこの日のコースを示しておこう(この地図では右が北)。歩いた場所がすべてカバーされているわけではないけれど、大体は間に合うと思う。

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 土地と屋根が三角のかたちをしているから名づけられたというのだが……?

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 こじんまりした市場で、通路も狭いけれど、たしかに独特の雰囲気はある。なにを買い求めるわけでもなく、肩身の狭い思いをして通過した。

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 海鮮料理のお店などもあるので、興味をお持ちの方はぜひ(と、冷やかしたお詫びに宣伝しておく)。

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 三角市場の斜め向いに小樽中央卸市場を発見。当然入ってみる。

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 なぜこれ一枚しか撮らなかったのかは思い出せないが、市場であることはわかる(笑)。

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 中央卸市場を通過すると、おやおや、今度は中央市場か。

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 市場である(笑)。

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 これにはビックリした。行商のおばさんを再現したものらしいが、マネキンは使っておらず、なにかの枠組みに着物を着せたように見える。

 顔のあたりはつげ義春のマンガを連想させるし、両手の軍手にはなんとも形容しがたい超現実的効果がある。一見の価値あり。

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 第3棟を抜けると、当然のごとく第2棟が現れる。

 通りに露店が出ているのであたりを見回すと、

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竜宮神社の例大祭なのであった。竜宮神社は上の地図にもちらりと見えるが、残念ながら、このたびはご挨拶できなかった(夕方からの雨のせいである)。

 露店を見物しようかとも思ったが、散歩の計画が狂いそうなので、夕方ふたたび訪れることにして、中央市場第2棟へ向う。

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 市場はつづく。

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 第2棟の展示物は昭和30年代の室内を再現したものであった。第3棟の行商のおばさんもそうだが、市場内にこういう展示があるのはめずらしいと思う。

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 第2棟を出たぼくはポカをやってしまった。通りの向い側にあったこの不思議な建物に気を取られて、つい第1棟に入るのを忘れてしまったのである。

 ひょっとしたらおもしろい展示物があったかも知れないのに、実に惜しいことをした。竜宮神社も見物し損なったし、いずれ再訪せねばなるまい。

 それにしてもこの木造建築、一部に鱗のような模様はあるし、三階の窓の上には日活のマーク(?)もあり、いったいどんないわれがあるのだろうか(インターネットでざっと調べたかぎりではわからなかった)。

 木造建築に剥製というものがあれば、これがそうだろう……などと感心している場合ではない。手宮線跡地へ向うことにしよう。

(つづく)

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June 24, 2017

Daily Oregraph: 地獄にも極楽はあり登別

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 6月20日。登別温泉を訪れるのはこれが二度目である。ここは多くの泉質を楽しめる有数の温泉地で、今の時期は道東よりもずっと山の緑が濃い。

 たいして見物したわけではないが、これもなにかの縁だろうから、写真をほんのいくつか。

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 ぶらぶら歩いていたら神社があった。前回は気づかなかったので、神社マニアとしてはぜひ挨拶せねばなるまい。

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 社殿は比較的新しく見えるから、たぶん改築したのであろう。

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 瀧川湯本翁命(たきがわのゆもとおきなのみこと)とは、この地の基礎を築いた滝本金藏翁のことらしい。ご祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)だが、立派な人物として尊敬された滝本翁も、とうとう神様として一緒に祀られるようになったのだろう。あなかしこ。

 ぼくみたいに毎晩酒をくらっている酔っ払いはもちろん、どこぞの徳のない首相なども永遠に神様として祀られることはあるまい。

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 境内の一隅にはたいへんコンパクトな三吉神社の祠がある。ちょっとゲゲゲの鬼太郎の妖怪ポスト風味があっておもしろい。

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 この温泉のシンボルは鬼である。地獄谷からの連想なのだろう。あちこちに鬼が立っている。

 こちらの公園にも鬼が数体あって、写真の鬼は学業成就を担当しているからパチリ。この子鬼にでかい鉄棒が持てるものかどうかは疑問だけれど……頼んまっせ、学業成就。

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 登別温泉にあるのは地獄だけではない。温泉街の人々はちゃんと極楽通りを用意して、救いなき末世に一筋の光明を点じていた。このバランス感覚がすばらしい。

 前回訪れたときは友人たちに地獄谷や温泉の湧く川原へ案内してもらったのだが、今回はパス。温泉につかって宴会で酔っ払うだけというていたらくであったが、のんびりできたから、まずは極楽、極楽。

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May 07, 2017

大阪一日散歩 京橋昭和ロマン編 (2)

 大阪一日散歩もこれが最終回。

 朝から歩き回って昼食はウドン一杯。そしてまた歩く。われながら貧乏観光客の鑑ではないかと思う。

 京橋編第二回は、まったくテーマなしの、ひたすら歩く編である。気楽に読み流していただければ、と思う。

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 いったん商店街を抜けて、どこをどう歩いたのかは不明だが、

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ふたたび商店街に入る。京橋の商店街は全体的に道幅が広く、空間がゆったりしている。鶴橋とはえらいちがいである。

 「さくら祭り」という文字が見える。そういえば「さくら通り」もあったし、京橋を象徴するものはサクラなのだろうか?

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 このおええさん、存在感があった。あとでなぐられては困るから目元をぼかしておこう(笑)。

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 画面左のおっちゃんは……

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詰め将棋七手詰。

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 Begin Kyobashi とは商店街らしいが、なにゆえ begin?

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 とりあえず入ってみたが、このあたりから完全に方角を失ってしまったらしい。

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 八百屋さんを見ると、なぜかホッとする。やはり地面から生えるものは、百円ビールよりも強いのだろう。

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 商売熱心な煙草屋さん。いろんなものを売っており、数珠に線香、ロウソクまで取りそろえている。

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 いつの間にかこんな場所に出た。そういえば「森友学園疑惑」、この写真を撮ってからもう一ヶ月以上もたつというのに、どうしてまだ総理大臣は辞職していないのかな?

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 あたりまえといえばあたりまえだが、こんな通りもある。京都で撮った、といっても通用しそうな感じがする。

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 駅から遠ざかるのが不安だから、また商店街へ戻る。

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 ここがどういうお店なのか、人形に気を取られて確認し忘れてしまった。タイ雑貨?

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 14時40分。さすがに歩き疲れ、有料駐輪場前の歩道の縁石に腰かけて一服した。

 金を払って自転車を駐めるからには、よほど盗難が多発しているのだろう。駅のすぐ近くの一等地なのに、駐輪場にしても十分商売になるとは驚きである。

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 ふたたび環状線のお世話になり、

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大阪駅で阪急に乗り換えるのだが、阪急の駅までは遠いのなんの、おれになんの恨みがあるのだ。

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 16時40分、十三着。二年半ぶりである。

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 駅前の喫茶店「なにわ」へ向う。

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 昭和風味満点のこの喫茶店で一休みしながら一日をふり返ってみると、雑多な印象が交錯して収拾がつかない(笑)。

 思えば、大阪一日散歩とはまことに無謀な試みであった。京都の町を一通り飲みこむには、少なくとも三年は歩きつづける必要があるらしい。では大阪はいったいどれくらいかかるのだろうか?

(京都神社編につづく)

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May 03, 2017

大阪一日散歩 京橋昭和ロマン編 (1)

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 京橋の駅から受けた第一印象は、ちょっと澄ましたお上品な町なのかなあ、というもの。

 いや、もし見当ちがいだったら、幾重にもお詫び申し上げよう(笑)。

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 立呑み屋は大阪ではユビキタスな存在だから驚くには当たらないのだが……さっそくありましたなあ。京橋編第一回は呑み屋をまとめてみよう。

 本日のサービスドリンク、ぼくが選ぶとしたら、やっぱり角ハイボールのダブル270円だろうか。時間がたっぷりあって、このあとの予定がなければ、おっちゃんたちの仲間入りをしたところだが……

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 ご参考までに値段表をトリミングしてみた。競争が激しいから、どこのお店も値段に大きなちがいはないだろうと思う。500円玉一枚あれば、肴一品つまみながらハイボールを一杯飲めるのは魅力である。

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 このカラオケ屋とツーショットキャバの複合施設(?)はすごい。わずかの面積もムダにせず、宣伝にこれ努めている。

 「ええ女いまっせ~!!」か、う~む……(笑)

 同じ並びに、またしても立呑み屋が見える。

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 これも立呑みではないかと思う。

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 まごうことなき立呑み屋。

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 おお、この暖簾、相当の老舗と見た。こちらもお客さん入ってますなあ。

 電車一本で呑みに来て帰ることができるから、略して電一というらしい。天神橋六丁目を天六というのと同じセンスである。

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 こちらは開店準備中。戦場のようなあわただしさであった。

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 昭和ロマンの香る街……ここから今回のタイトルをお借りした。

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 さくら通りの焼鳥屋さん。「外でも呑めます」というのがいい。コソコソ隠れず、通りでおおっぴらに呑めるのである。

 「安心して下さい、焼いてますよ」とは親切。これが大阪流なのだろうか。

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 ここもビックリ。なんと百円ビールである。

 画面左のノボリは風に揺れて文字が読めないけれど、たしか「焼酎六百円 飲み放題」とあったように記憶している(!)。まさか? と思って見直したから、まちがいないとは思うが、なんとなく気になる。確認のためもう一度行かずばなるまい。

 もし看板どおりだとすれば、これをお読みのあなたにおごってさし上げよう(笑)。

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 大通りにもちゃんと酒場はある。THE FINEST OLD WHISKY と Highball は英語なのに、酒場は Sakaba であるところにセンスを感じる。いいじゃないか。

 さまざまな誘惑にも負けず、この日ぼくはシラフで歩きつづけた。丸の内のサラリーマンスタイルなら昼間の立呑み屋では浮いてしまうだろうが、ぼくは薄いヨレヨレのコート姿だったから、白い目で見られずに一杯やれたはずなのに。残念。

 次回は京橋の商店街をごらんいただこう。

(つづく)

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April 29, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (3)

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 一般人が卸売市場に入りこんでもかまわないのだろうか? 遠慮しながらおずおずと入ってみると、ほとんど人気がない。そうか、卸売市場は早朝が勝負である。ちょうどじゃまにならぬ時間でよかった。

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 しばらく進むと、前方が急に明るくなった。はてな?

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 えっ、鶴橋卸売市場協同組合?

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 そうか、ここは本来の卸売市場機能を果たす場所と、一般向けの小売り商店街の二つに分れているのか。一般向けの出入口はこちらなのだろう。

 お気づきになった方がおいでかどうかは知らないけれど、実は前回の記事中、最後から三枚目の写真を拡大して見ると、

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看板には「鶴橋卸売市場」の文字があったのである。つまりぼくはいつの間にか「つるしん」から卸売市場の商店街に迷い込んでいたわけだ。両者はどこかで連絡しているらしいのだが、ぼくはあとで写真を見直すまで気づかなかったのである。

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 さっき抜けてきた暗い通路がまるでウソのようなにぎわいである。

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 またもやウロウロしているうちにさしかかった、衣料品店と八百屋さんが向い合せのこの場所は……おや、「鶴橋市場 中央会」とあるから、別の商店街らしい。おいおい(笑)。

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 ……と思う間もなく、今度は「中央商店会」とは、いったいどうなっているんだろう?

 「つるしん」だけでも迷子になりそうだというのに、ほかにいくつかの商店街が一緒につながっているんだから、まるでわけがわからない。それこそ学芸員を配置すべき場所ではないか。

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 すっかり頭が混乱したので駅へ向おうとして時計を見ると、すでに12時50分。さすがに腹が減ったところに、立ち食いうどんの暖簾が……

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 実はぼくは大阪でうどんを食べるのはこれが初めて。初経験は鶴橋のキツネうどん、三百円也。

 われながら安上がりな男だと思うが、大きな油揚がのっかっていて、ふつうにうまかった。「孤独のグルメ」のセリフじゃないが、こういうのでいいんだよ、おれは。

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 立ち食いうどんのお店で目にしたのがこれ。缶ビール260円は安いよなあ。宣伝文句もやさしさに溢れている。

 しかしご自身へのご褒美は遠慮しておいた。このあともう一箇所歩かねばならないからである。

 鶴橋よ、見ておれ。きっといつかこの迷路を制覇してやるとも。

(「京橋編」につづく)

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April 28, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (2)

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 ちょっと通路の狭い商店街かな……最初はそう思った。ふうん、案外洒落た感じじゃないか。

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 あとで思えば、どうやら扱う商品によって住み分けがあるらしい。衣料品は不得意とするところだから、どんどん先へ進むと、

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 やがてキムチの提灯とともに雰囲気は一変する。

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 チヂミ、韓国のり巻。なるほどここは朝鮮半島文化が優勢らしい。

 写真を見直して気づいたのだが、正面奥のおっちゃん二人は昼前からビールを一杯やっているようだ。うらやましい。

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 知らぬうちに青空の下に出た。左側のお店では、ベンチに腰かけてチヂミを食べられるのである。 おばちゃん、うまそうですなあ。

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 この場所には案内地図があったけれど、一度見たって、とても覚えきれるようなものではない。

 どうやら東西南北にいくつかの「班」に分れているらしい。地図を見るかぎりでは「迷宮」とはちと大げさなのだが、アーケードの中では方角の見当がつきにくいから、初心者泣かせであることはまちがいない。

 次回は印刷された案内図を手に歩こうと、かたく心に誓ったのであった(笑)。それでも何度か通わねば「つるしん」の達人にはなれないだろう。

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 ふたたびアーケード内に入る。

 ぼくはあまりキムチは得意ではないけれど、この色彩は鮮やかでいい。

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 すてきな笑顔のおばちゃん、何も買わんと冷かしで、ほんまに申し訳ありまへん。堪忍してや。

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 こちらは魚屋さんに八百屋さん。

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 店先には見たことのない品も並んでいる。

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 おもちゃ屋さんもある。キムチとチヂミのあとに見ると、いささか異質なものが出現したようだ。

 お隣の菓子屋さんの看板がまたいい。かなりの歴史を感じさせる。

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 昭和に生まれ育った男にとっては、記憶の奥底を揺すぶられるような景色である。

 ツンと澄ました高層ビルやのっぺらした巨大商業施設には、貧乏人を見下したような傲慢さと一種の敵意さえ感じるから、ジジイの居場所はない。ここなら冴えないおっさんがウロウロ歩いていても景色に溶けこんでしまうから、なつかしい場所に帰ってきたような心地がする。

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 どこをどう歩いたのかさっぱりわからぬまま、大きな通りに出た。たぶん「つるしん」の半分も見ていないと思う。

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 ふうん、鶴橋卸売市場か……なんだか平凡でつまらなそうな建物である(今思えば、たぶん外側だけ補修したのだろう)。どうしようか迷ったけれど、思い切って入ってみることにした。

 なんとここも見かけと中身は大ちがい、第二の迷宮といってもいい場所なのであった。鶴橋恐るべし。

(つづく)

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April 25, 2017

大阪一日散歩 鶴橋迷宮編 (1)

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 JR鶴橋駅を出ると、目の前に鶴橋駅前商店会の看板が見えたので、素直に通りを渡り、

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ブラブラと歩きはじめた。

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 へえ、歩いてまっせ。最初から自転車はありまへんけど(笑)。

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 税込み50円ショップ。これにはビックリした。ここは21世紀じゃないぞ。ほんとうに商売になるのかしら?

 おもしろそうなものがたくさん並んでいるので、じっくり見たかったけれど、時間があまりないから、それは次の機会にゆずることにした(また訪れる気になっている(笑))。

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 この一角、昭和がそっくり残っている。ジーンと胸が熱くなった。

 しかし……ずいぶん人通りが少ない。鶴橋ってこんなところだっけ? と少々疑問を感じながら先へ進むと、

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なになに、「玉造 日之出通」とな……えっ、玉造?

 どうやら方向をまちがったらしい。西も東もわからないとはこのことで、ぼくは駅の西側をウロウロしていたようだ。

 だが、ここはここで味があるから、十分再訪に値すると思う。日之出通も見物したいしなあ。

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 ふたたび駅前に戻ってキョロキョロしていると、

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通りの向こうに「鶴橋商店街 振興組合」の文字が見えた(このあと知ったのだが、通称「つるしん」)。ひょっとしたらあそこだろうか。

 さよう、この一見何の変哲もない看板こそ、恐るべき迷宮の入口なのであった。次回はアリスもビックリのワンダーランドに、いよいよ足を踏み入れることにしよう。

(つづく)

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April 24, 2017

大阪一日散歩 天満ウォーミングアップ編

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 JR天満駅。この日は今までほとんど利用したことのないJRで大阪までやって来た。市内の移動も、もっぱらJR。

 ぼくは大阪の土地勘ほぼゼロである。何度か訪れてはいるのだが、文字どおり西も東もわからない。迷子になって POLICE の世話になるのはいやなので、駅から遠く離れるわけにはいかないのである。

 一応ポケット版の地図を用意はしてきたのだが、方角を心得ていればこその地図である。東西南北のわかりやすい京都とはずいぶん勝手がちがい、地図を開こうという気がすぐに失せてしまった。

 当然駅の回りをウロウロしたにすぎず、なんとも情けない結果に終ってしまった。やはりこの町には長期滞在する必要がありそうだ。

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 おお、ここはおもしろそうな場所だな……そう思ったけれど、まずは駅周辺をもう少し歩いて、空気になじまなくてはいけない。

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 いい感じである。どこがどうとはうまく印象を表現できないが、東京とはもちろんちがう。札幌ともちがう。京都ともちがう。

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 地理がわからないから、どこをどう歩いているのかまったくわからない。まさに徘徊ジジイである。

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 これは天満市場内だと思うのだが……自信はまるでない。同じところを何度もぐるぐる歩いたような気がするのである。

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 ここが「天五 天神橋筋商店会」とは、あとで写真を見直してわかったのである。

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 道路の向こうは「天五中崎通商店街」……してみればここは、

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 天神橋五丁目。これを天五と省略するからには、大阪人はかなりせっかちなのかもしれない。

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 天神橋四丁目(これも写真を見直して知った)。

 この一帯はとにかく商店街だらけで、それらが狭い小路によって縦横に連絡し合っている。半日やそこらで地理を飲みこむのはとても無理と悟って、結局ほんの三十分ほどで撤退したのはわれながらくやしい思いがする。

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 この日はじめて乗った大阪環状線。

 天満ではほんの足馴らしに終ったけれど、さてお次の鶴橋ではいかがあいなりまするや?

(鶴橋編につづく)

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April 22, 2017

大阪一日散歩 大阪町角アート編

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            客寄せ猪八戒 (天満)

 3月30日。大阪は一泊のみだから、ぼくは三ヶ所に絞って散歩した。すなわち天満、鶴橋、そして京橋だが、特別な理由があって選んだわけではなく、ええかげんにエイヤッと決めたのである。

 ぼくは大阪が気に入っている。完全に自由の身であれば、一ヶ月ほど滞在して歩き回りたいくらいなのだが、なかなかそうもいかない。せめて二週間……いつかは実現させたいと願っている。

 たいていは田舎から出てきたくせに澄ました顔をしている東京人がなんといおうとも、大阪には大阪の洗練がある。東京には真似のできないセンスがある。

 そこで今回は北海道から内地(この言葉、まだ生きている)へやってきた男が瞥見した大阪の町角アートをいくつかご紹介したい。

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             壁面アート (天満)

 
みごとである。壁ごと切り取って美術館に持ち込むだけの価値はあると思う。

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            たばこの墓場 (天満)

 この種のアイディアは大阪人でなくとも考えつくとは思うが、たいていは実行に移さないものだ。看板もすごいけれど、店先にたばこの墓を建ててしまったところがえらい。

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            尻の見本市 (鶴橋)

 これもアートの域に達している。尻が並ぶと、こんなに美しいものだとは…… ぼくはしばしみとれてしまった。

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          おばちゃんの足? (鶴橋)

 この靴下(?)、まさか若いおねえさん向けのものではあるまいと思うが……これはこれで絵になっている。

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           立っち呑み (鶴橋)

 ヘタウマ系アートである。配色の妙に見るべきものがある。しかもドラム缶をこのように利用するとは!

 このお店なら親子連れでも気軽に立ち寄れるのではないか。お父ちゃんはキムチをつまみながらビールを一杯、こどもはチヂミにサイダー、その間お母ちゃんは洋服の品定め……いや、ひょっとしたら、お父ちゃんは細君に逃げられたのかもしれない。

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             作品 (京橋)

 激安自販機とクラブの看板とで、ひとつの意図せざる作品。どちらが欠けてもアートは成立しない。なお y2 club とは、ワイワイ・クラブと読むのだろうか?

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            黄色の涙 (京橋)

 これはすごい。シュルレアリスムである。みなさんはどうか知らないが、少なくともぼくは黄色い涙を流す人物を見たことがない。

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            階段アート (京橋)

 美術展や写真展へ行ったことのある方ならご存じのように、たとえよほどの傑作でも、十秒ほどながめたあとに「あら、なかなかうまいわね」といってもらえれば上等であろう。たいていの場合、鑑賞時間は一枚あたり平均ほんの数秒といっていい。

 じっくり見てもらうには工夫が必要なのだ。この階段アートの場合、まず3段目「アナタはどっち派!?」から視線を下に転じ、テッチャンかハラミを選択する。

 注意すべきは、ふつう下から読みはじめ、一段目→二段目→三段目の「どっち派!?」でハッと気づき、ふたたび二段目→一段目と視線が動くことだ。つまりテッチャンとハラミは二度読まれることによって、脳裏に深く刻まれるのである。

 その次は「昭和ホルモンへ ようこそ!!!」と下から上に変り、つづいてたぶん「No ホルモン No ライフ」(ホルモンなくしてなんの人生ぞ)だろうから、ふたたび上から下。ここも意味を考えさせられるから、人生におけるホルモンの重要性にあらためて気づかされることになる。

 ちょっと疲れたところで「あと8段でっせ」と励まされ、がんばってさらに上に登ろうとするあなたは、まちがいなく「I love ホルモン」。

 以下省略するが、実に巧みに視線を誘導するプロのわざを感じないわけにはいかない。学ぶべきことの多い階段である。あっぱれ。

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            ナント! (京橋)

 1,980円に驚いたのではない。水槽中のフグが、まるで額縁の中の絵のように見えたことに感心したのである。

 なにしろ実物を使っているわけだから、これは典型的なリアリズム作品。

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           存在理由 (京橋)

 BAR レーゾンデートル。もしかしたら、マスターは大学の哲学科でフランス哲学を専攻された方かもしれない。カウンターの裏には、いまや誰も読まなくなったサルトルの本あたりが無造作に置かれているのかも……

 客層もまた気になるところだ。しかしこちらは立呑み屋ではないからまだ開店前である。確かめることもできずに立ち去るしかなかった。

 アートとしてではなく、あまりにも心残りだから(笑)、本日最後の一枚として載せておいた次第。


(「天満編」につづく)

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April 21, 2017

京都足棒日記 植物編

 このたびはあまり収穫はなかったけれど、一応植物編としてまとめてみた。

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  今年初めて見た桜(3月26日 洛南高校)。

 今年はソメイヨシノの開花が遅く、残念ながら満開の花見を楽しむことは出来なかった。ちょうど入学式のころにはあちこちで「サクラ サク」ことになるのだろう。

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 そのかわり市内のあちこちで見かけたのが椿である(3月24日 南区)。

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 椿にはバリエーションがあるらしく、前の写真の花とは趣が異なる(3月27日 今宮神社近く)。

 花はボトッという音とともに地面に落下する。慣れないと少々驚くかもしれない。

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 稲荷山で見た竹藪とはまるでちがい、凜然とした姿はまこと禅寺にふさわしい(3月27日 大徳寺)。

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 ユキヤナギ(3月27日 同志社大学前)。

 わが裏庭でユキヤナギが咲くのは6月の初めだから、なんと二ヶ月もの時差がある。この季節感のちがいあるがゆえに、北海道人が古典の詩歌を理解するのは困難なのである。

 花をながめただけで、とうとう同志社のキャンパスには入らなかった。あいかわらず未知の領域のままである。次回はぜひと思っているので、嫌わんと中に入れてね。

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 満開の桜のかわりといってはなんだが(笑)……ちょっとさびしいから、華やかなレンタル着物おねえさんのグループを(3月28日 八坂神社)。

 おやおや、手前右のおねえさんはキヤノンの一眼レフか。やるもんだなあ。ジジイの負けである。

 さて順番でいえば、京都神社巡り編が残っているのだが、当然のことながら、地味な内容になりそうだ。次回から数回大阪編をはさんで、最後に神頼みをすることにしよう。

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