Daily Oregraph: ふたたび19世紀へ
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『ガリヴァー旅行記』読了。あまりにも有名な作品だから、内容については今さら触れる必要はないと思う。子ども向け絵本にできるのは小人国と巨人国くらいのもので、だんだん諷刺が辛辣の度を増し、特に最後の馬の国では人間(Yahoo?)のだめさ加減が容赦なく描かれているから、いかに工夫しても紙芝居にして小学生に見せるのは無理だろう。
拾いものだったのは、ペンギン版のマイケル・フット氏(Michael Foot, 1913 - 2010)の解説がべらぼうにおもしろかったこと。とにかく文章がうまい(と横文字の不得意な日本人が感心するんだから、本当にうまいにちがいない(笑))。この人は英国労働党の党首を務めたこともある、左派の大物政治家なのだが、総選挙には弱かったらしい(だから政治家なんかにならず、評論に専念してくれればよかったのに)。
さてお次は上記解説にも紹介されている、スウィフトとは政治的立場は異なるものの、そのよき理解者であった William Hazlitt, 1778 - 1830(ウィリアム・ハズリットまたはヘイズリット)のエッセイ集を読んでみることにした。20世紀のフォースターから 18世紀に逆戻りし、ふたたび 19世紀というわけ。このぶんだと生きているうちに 21世紀文学を読めそうにないなあ(笑)。
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