August 29, 2022
August 25, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 メイゲツソウの花
本日の最高気温は25.0度。晴れ。
今日は一時間ちょっと草むしり。
メイゲツソウの花が咲きはじめた。開き切ると花はもっと大きくなるけれど、そう美しいものではない。いつも悪くいって気の毒ではあるが(笑)、花といい葉といい全体にやぼったく、暑苦しいどてらを来てやかましい音を立てながら廊下を歩く山出しのような感じがする。
そこへいくとゲンノショウコは地味ながら可憐である。なんだ、おまえいつからそこにいたんだよ?
さて一昨日80年代アメリカ短編小説傑作選を読み終えた。たまに短編もいいものだと思った。いずれも著作権が切れていないので、ネットでタダ読みするというわけにもいかないし、一々感想を述べるのも面倒だから詳しく触れるつもりはないが、ひとつだけ。
アリス・マンロー(Alice Munro, 1931-)というカナダ人女流作家の『メネシティアン(Meneseteung)』という、19世紀カナダの一地方を舞台にした作品が特に印象に残った。
どんな人かしらと思って YouTube で検索したら、端正な顔立ちのお婆さんで、若い頃の写真を見ると美人である。なんとこの方は2013年にノーベル文学賞を受賞したとのこと。ああ、それほどの有名作家を知らなかったとは、おまえはどれほど不勉強なんだよ(笑)。だからたまには現代小説を読まなくちゃいけないんだ。
というわけで読みはじめたのがコリン・ウィルソン(Colin Wilson, 1931-2013)の『迷宮の神(The God of the Labyrinth)』である。「アリス・マンローのあとにそれかよ」といわれそうだが、これも昔数十頁ほど読んで放り出した一冊、1969年の作品だから一応は現代小説といえるだろう。
August 21, 2022
Daily Oregraph: 相生坂植物観察
本日の最高気温は24.0度。晴れ。
相生坂までやって来たのは、坂を下ってミヤマニガウリを観察するためである。目的の場所はこの先の二股を左に折れて下るのだが、まずはその手前で見かけた花をご紹介したい。
エゾトリカブト。猛毒でなければ部屋の中に飾ってもいいくらい美しい花だと思う。わが裏庭でも数年前には咲いていたのだが、去年は見かけなかった。今年はどうかな?
ヒヨドリバナ。牧野先生の図鑑によれば「北海道からフィリピン、支那にまたがる東亜の温、暖地に広く分布」するというから、めずらしい花ではない。ヒヨドリが鳴く頃咲くからヒヨドリバナというのだそうな。
さて真打ちのミヤマニガウリだが……いつも花を観察している場所にはまったく姿が見えない。どうやら草刈りをしたらしいのである。なんでも刈ればいいというものではない。宝石と砂利の区別がつかない(笑)人たちにはまったく困ったものだ。
しかし近くにはもう一箇所群落がある。おやおや、こちらも草刈りされていたのにはガッカリしたが、幸い一部は残っていた。
う~む、残念! 花がありそうな葉っぱをひっくり返してみたけれど咲いてはいなかった。少し時期をずらせば見られるかもしれないので、いずれもう一度足を運ぶつもりである。
おまけは弱った舗装の割れ目を突き破って顔を出したメイゲツソウ(ベニイタドリ)である。このずうずうしさを見ていただきたい。ぼくが畑の大敵だと敵視するのも無理はないだろう。なにがメイゲツソウだよ。
August 19, 2022
August 15, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾオオヤマハコベ四分五裂
本日の最高気温は24.1度。曇りのち晴れのち曇り。
今日も草むしり。さっぱりはかどらなかった。気合いを入れてもう一度土を起こし、青菜の種をまきたかったのだが、雑草の葉の中には虫食いでボロボロになったものもあるので今は時期が悪すぎる。
エゾオオヤマハコベ。一見してそう思ったのだが、どうも違和感がある。
こちらはほんの数メートル離れた場所に咲いていたものである。なんだ同じじゃないかと思われるかも知れないけれど、よく見くらべていただきたい。なんだか違うのだ。
写真を見くらべて違和感の原因がわかった。牧野先生の図鑑によると、エゾオオヤマハコベの花弁は5個で、その先端は不規則に5~12裂する(ふつうのハコベは2裂)。2枚目の写真を拡大して見ると花弁は5裂しているのだが、1枚目の写真は何度見ても4裂である。
たぶん個体差にすぎないのだろうとは思うが、これまでに見たのはどれも5裂以上だから、初めて4裂に出くわして違和感を覚えたにちがいない。4裂と5裂とでこれほど印象が違うのだから、12裂もされた日にはまるで別の花に見えたっておかしくはない。まったく世の中いろいろあるものだ。
August 11, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 新入生紹介
本日の最高気温は25.0度。曇りときどき晴れ。
今日も少し草むしり。気温はさほどでもなかったけれど、湿度が85%もあったため少々蒸し暑かった。
環境が一変したせいか、このところ越境入学者が目立つ。本日みつけた新入生は……
まずは咲きはじめたばかりのコスモス。ついぞ園芸種の花を植えたことのないわが裏庭では明らかに新顔である。
こちらは先日掲載したスミレとは別の品種である。名前はわからない。
いずれも複雑な家庭の事情があって越してきたのだろうから、冷たく追い帰すようなことはしないけれど、うちは補助金ゼロの私立だからね、入学金も支払わずに入りこんだ諸君にはきびしく臨む。決して特別に保護することはないから、覚悟して生き延びてほしい。
August 07, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 キツリフネ
本日の最高気温は22.7度。曇り。
今日は40分ほど草むしり。残念ながら目立った効果はないのだが、放置しておけば半月後には悲惨なことになるから、黙々とむしる。だがこの空しい作業にも効用はあって、ほぼ無念無想、世間のいやな話題を束の間忘れることができるのはありがたい。
キツリフネ。おお、いつもの年とは花の場所が変っている。五月に土留めの工事をして広範囲の土を掘り返し、ナナカマドとユスラウメの木を切り倒した結果、環境が一変したのである。
これはスミレの仲間だが、こいつも去年まではここでみかけなかったから、今年越境入学してきたにちがいない。ぼくはどちらかというと園芸種には冷淡なのだが、まあ暖かく迎えてやることにしよう。
なんと、いままでは裏庭でみかけなかったムシトリナデシコが進出しているではないか。さては虎視眈々と機会をうかがっていたらしい。油断のならぬやつである。
だんだん虫も増えてきた。アリが身の丈に合わぬ大きな餌をかついで歩いている。雑草をなぎ倒すとクモが何匹も走り出てくる。蚊がプーンと音を立てて首の回りを飛び回る。だから今の時期は草むしりなんぞしたくないのだ。
さて推理小説はやめにして『1980年代アメリカ短編小説傑作選(The Best American Short Stories of the Eighties)』という選集を読みはじめた。1990年発行だから、たぶん30年くらい前に東京か札幌で買ったのだと思う。その昔は読みもしない(実は当時はろくに読めもしなかった)本をずいぶんと買いこんだもので、長年放置しているうちに紙に黄色いシミが浮いているばかりか、たまに開くとバリバリ音を立てて背が裂けてしまうものまで出る始末。こうして本も年を取るのだ。
1980年代の小説というと、ぼくにとっては超現代文学なので、ほとんど知らない作家ばかりである。本書に収録されている20人中、これまでに読んだことがある作家はジョン・アップダイク(John Updike)のみとは情けない。
ピーター・テイラー(Peter Taylor)という人の作品を一編読み終わったのだが、『白鯨』にくらべたら当然スケールはごま粒ほどに小さくなる代わりに、たぶん国はちがっても書かれた時代が近いせいだろう、共感をもって読むことができた。文章は……そりゃ1851年のしかも難解をもって知られるメルヴィルの文章にくらべたら読みやすいにきまっている。大体三倍速で読めると思う(笑)。
しばらく1980年代につきあってから、ふたたび19世紀に戻るとしよう。
August 05, 2022
Daily Oregraph: 翻訳家同情論
本日の最高気温は20.5度。曇り時々晴れ。
少し風があったので、窓を開けると室内は肌寒いくらいであった。
『白鯨』をやっと読み終えた。ふだんよりもずいぶん時間がかかったのは、たいへん読み疲れする文章のせいである。手元にある古い翻訳には明らかな誤訳がいくつかみつかったけれど、全体的には当然ぼくの頭の出来のほうが悪いから(笑)、苦労してお付けになった詳しい訳注のお世話にもなったし、教えられるところの方が圧倒的に多かった。
それにしてもよくもまあこういう面倒な小説の翻訳を引き受ける方がいるものだと思う。知識経験のない分野については、いくら辞書をひっくり返してもピンと来ない部分は残るもので、専門の人からあれこれ突っ込みが入ったとしてもしかたがない。それにかなりできる方でも何かの拍子にふだんならしない誤読をすることはあるものだ。
しかしプロの翻訳家としてはわからんではすまされないから、わからなくとも期限内になんとか原稿用紙を埋めなければならないのである。だからまちがいの一つや二つあったからといって責めるのは酷というものだ(もちろん全体にあまりにも低レベルな翻訳は話が別)。
それにふつうはだれでも早く先を読みたいものだから、なんだかよく意味の取れない文章が混じっていたとしても、いちいち原文にあたって確かめるような閑人はいないだろうし、第一そんなことをされた日にはたまらない(笑)。意地の悪い人に鬼の首でも取ったようにまちがいをさらされては、世に翻訳家のなり手はいなくなるにちがいない(※付記参照)。
『白鯨』の文章はかなり手ごわく、この大作を最後まで翻訳するだけでもご立派、ようおやりになりましたなあ、先生にエイハブ船長の執念が乗り移ったにちがいありませぬ、と感心しましたよ。
翻訳についてはともかく、『白鯨』が天下の奇書の一つであることはまちがいなく、むずかしい理屈をこねなくとも「重厚な」冒険小説として十分楽しめると思う。鯨と戦う場面の描写からはすさまじい迫力が伝わってくる。素直にハラハラドキドキを味わうのもまたよし。
さて苦闘の結果、ようやく積ん読本が一冊減った。次をどうしようかまだ思案中だが、その前に軽い推理小説でも読んで一息つこうと思っている。
付記:結局そうして誤りを含む翻訳書が世にまかり通ってしまうのだから、よりよい翻訳を実現するには、一人でもいいから協力者が必要だと思う。人によって目のつけどころがちがうので、思わぬミスを防げる可能性が高いからである。老練の船長といえども、年下の一等航海士の助言に耳を傾けるべきときはあるものだ。
August 03, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 今日の花ふたつ
本日の最高気温は20.8度。曇り。明け方に寒さで目がさめ、夜具を厚めのものに取り替えた。
ハキダメギク。すでに何度か写真を掲載したが、花茎わずか5ミリという小さな花である。
牧野先生もひどい名前をお付けになったものだと思っていたけれど、「掃溜めに鶴」という言葉もあるから、良いほうに解釈しておこう。掃溜めに平蔵じゃシャレにもなるまいが(笑)、なにしろこちらは畏れ多くも菊だからね。そこな町人、頭が高い、控えおろう。
ムシトリナデシコ。こいつは裏庭ではなく、玄関の近くに毎年花を咲かせる。ネバネバの茎に虫がくっついているのを一度見たことがある。たいへん鮮やかな赤い花は蛍光色を思わせるほどで、とても写真では再現できない。
どちらの花も北海道から九州まで広く分布しているので、たぶん身近でごらんになれるだろう。たまにはこのブログのごとくマイナーな花にも注目していただきたいと思う。
August 01, 2022
Daily Oregraph: 裏庭画報 今日の花々
本日の最高気温は20.1度。曇り。
気温がいっぺんに13.4度も下がってしまった。窓を開けると身震いするほど冷たい風が入ってくる。それでも昨日飲み忘れたビールを飲んだ。
ハコベ。ハコベにはちがいないのだが、実はたくさん種類があって同定は意外にむずかしく、めしべの先が3裂だの5裂だの(こいつは3裂に見える)、場合によっては実体顕微鏡が必要になる。わが家にもなぜかオリンパス製の顕微鏡はあるのだが、引っぱり出すのが面倒だから、ハコベですませておこう。
メイゲツソウ(ベニイタドリ)の咲きはじめ。名前は立派なくせに、みかけはあまりよろしくない。繁殖力がすさまじく、畑の大敵である。できれば根絶やしにしたいのだが、地中にどこまでも根を延ばすらしく、どこからでもボコボコと生えてくるからお手上げ。二世三世のバカ議員みたいに迷惑で嫌なやつだ。
ご親切な読者のおかげで、めでたくハタザオキキョウの名前はわかったけれど、本日似て非なる花を発見した。ハタザオキキョウの花は横向きだが、こいつは上向きである。花のサイズは一回り以上大きい。ネットで「紫の花」をざっと調べてみたが、今のところ正体不明。ほんとにいろいろあるものだ。
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