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June 14, 2022

Daily Oregraph: 裏庭画報 チゴユリ

 本日の最高気温は13.8度。曇りのち晴れ。6月も半ばだというのに、なかなか気温が上がらない。

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 チゴユリが生きていた。ごく小さなユリだが、その小さいところがいい。つつましい美しさ。

 あちこちからササが顔を出していたので、かたっぱしから始末した。根っこは残るけれど、いまのうちなら頭の部分はスポッと抜き取れるのである。ササはにっくき敵だから当分この作業を続けようと思う。

 さて船員志願の青年イシュメイル君、ある港町にやって来たはいいが、あいにく宿は満室で、全身奇妙な刺青に覆われた怪人クイークェグと寝床を共にすることになる。最初は野蛮人と同衾するのをためらっていたけれど、よくよく観察してみればクイークェグはみかけによらずまともで親切な男である。

 おれも人間ならやつも人間だ。おれがやつを恐がるように、やつだっておれを恐がってもおかしくはない。酔っ払ったキリスト教徒と一緒に寝るよりは、シラフの人食い人種と寝るほうがましというものだ。(『白鯨』第3章)

 イシュメイル君のこの健全なる精神を、排外主義者にはぜひ学んでいただきたい。人間見た目は白かったり黒かったり黄色かったりするが、まずは虚心坦懐につきあってみることだ。理屈の通じない粗雑な日本人よりも常識をわきまえた外国人のほうがいい、というあたりまえのことがきっとわかると思う。ときには自分よりはるかに知識教養が深かったり、人間味あふれる人物に出会えることだってあるのだしね。

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