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April 28, 2022

Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾエンゴサクの咲く頃

 本日の最高気温は15.1度。晴れ。

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 かつてはあちこちで歓声を上げながら駆け回っていた子どもたちを、最近町中ではあまり見かけなくなった。これでは国の活力が衰えるのも無理はない。もっともらしく少子化対策を唱えるんだったら、まずは非正規労働者を減らしたらどうだ。

 まともな賃金を支払えば、多くの労働者が結婚もできれば子どもも増えるのだし、国民の教育程度も全体に向上する。ぼくがいったってバカにされるかもしれないけれど、18世紀にアダム・スミス先生がちゃんとそう書いているんだ。常識にかなったもっともなお説だと思うのだが、いくらネトウヨでもまさかアダム・スミスを左巻きとはいうまいね(いや、いうかも知れないから恐ろしい(笑))。

 しかしこのあたりまえの理屈が、経済学者を自称する「新」自由主義者には通用しないらしい。だれのことをいっているのかおわかりになりますね。まったく21世紀にもなって困ったものだ。

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 めずらしくそんなことを考えて帰宅し、裏庭をのぞいてみると、おお、一面にエゾエンゴサクの花が咲いているではないか。ありがたい。子どもは減る、花も減るでは救いがないからなあ。

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April 21, 2022

Daily Oregraph: 足ならし-釧路観光案内

 本日の最高気温は11.9度。晴れ。

 いよいよ散歩のシーズンが巡ってきたので、今日は足ならし。風にはまだ芯があって、グラスに最後まで残った氷が消える寸前ほどの冷たさを感じたけれど、歩いているうちにうっすら汗ばんできたから、かえって心地よかった。

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 ここはいつ来ても日本離れした景色に胸躍る場所である。無国籍風景といってもいい。ギターを抱いた渡り鳥やエースの錠の登場する場面にはぴったりじゃないかと思うのだが、今どきの若者には通じないだろうな(笑)。

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 すぐ右手には釧路埼灯台がある。以前機会があって見学したけれど、崖の上の灯台だけに、てっぺんからの眺望は抜群である。

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 いつも灯台に入れてもらえるわけではないが、近くの崖からの眺めも十分満足できるものだ。

 左手の砂浜が知人の浜。石炭列車が廃止となったため砂利道になっている海岸沿いの線路は、ぼくの長年の散歩コースだったのだが、現在は通行禁止になっている。絶好の散歩道として市民に開放すべきなのに、心なきことをするものかな。

 知人の浜の右側には石炭関係の施設がまだ残っている。その先に倉庫が見えるのは、前回ご紹介した南埠頭である。

 ふだん見ることができない独特の景色を楽しみたい方はぜひ釧路埼灯台の崖においでなさい。ただし柵がないから足元には気をつけて。

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 景色に満足したあとは厳島神社に立ち寄って、本日の足ならしはおしまい。ほんの40分ほどの散歩だったが、昔仕事中に痛めた膝をいたわりながらだから、まずは上々の出来だったと思う。

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April 18, 2022

Daily Oregraph: 南埠頭の今

 本日の最高気温は9.8度。晴れのち曇り。

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 ひさしぶりに南埠頭に立ち寄った。ここはもうずいぶん以前に石炭ローダーが撤去されたため、景色が一変している。

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 防波堤側から見ると、重要文化財級の価値を誇る古い日通倉庫が残るだけで、あとはすっかり取り壊されたことがわかる。昔を知るぼくなんぞは、もはや立派な土地の古老である(だから大事にしてくれなくては困る)。

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 かつてはこのように石炭船が接岸して荷役を行っていた(写真は2013年1月17日撮影)。左側に見える赤い機械が石炭を積むローダーである。

 東港は北埠頭や中央埠頭だけでなく、南埠頭も昔の面影を失ってしまった。これだもの、紅顔の美少年が白髪頭のジジイになるのも不思議はない。ほんの数世紀もたてば、ここも十分考古学の対象になるのではないだろうか。

 -先生、ここはずいぶん石炭のかけらが出土しますね。ここいらの人は昔石炭で暖を取っていたのかしら?

 -ふん、石炭じゃしょうがないな。三角縁神獣鏡とはいわないが、銅鐸のひとつも出ればいいんだが。

 ああ先生、残念ながらそいつは出ないでしょうな(笑)。

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April 15, 2022

Daily Oregraph: 酒飲みの言い訳

 本日の最高気温は6.6度。曇り。

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 同じ気温でも太陽が出ているのといないのとでは体感温度がかなりちがう。今日は空がどんより曇っていたせいか、ずいぶん肌寒かった。午前8時過ぎには、ほんの一瞬ながら雪がちらついた。

 さて日本文学史は西鶴・近松・芭蕉のあたりを過ぎたところ。西鶴の作品は何冊か読んだし、芭蕉も多少はかじったけれど、近松はほんの一編を流し読みしただけである。江戸時代でこれだから、中世以前については切れ切れのお粗末な知識しか持ち合せておらず、いかに無学であるかよくわかろうというものだ。

 しかし日頃しきりに日本の伝統だの日本精神だのを強調している方々はどうなのだろうか? 案外幕末・明治以降の狭い範囲を伝統の基準とし、しかも何事によらずお上から与えられた情報を鵜呑みにしているような気がしてならないのである。時の政権を批判する人々をむやみに「反日」呼ばわりしたり(そういえば、プーチンの戦争に反対するロシア人は非国民ということになるね)、いわれなき反中国・反韓感情を抱いたりするような視野狭窄の原因はそのへんにありそうな気がする。

 文学史をざっと通読するだけでも、やはり一通りの歴史の勉強は必要だということがわかる。いい年をして気づくのが遅いといわれれば面目次第もない。勉強不足を深刻に反省しているのである。

 う~む、恥ずかしくてとてもシラフじゃいられない。アルコールを断てないわけだ。

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April 08, 2022

Daily Oregraph: アカデミック散歩

 本日の最高気温は6.1度。晴れ。

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 釧路市民としては恥ずかしいのだが、はじめて釧路公立大学の門をくぐった……といっても、たまたま用事があってめったに訪れない地域に来たら、目の前に大学があったので、ついフラフラと立ち寄ったのである。

 大学と名のつく場所を訪れたのは2017年3月27日、京都の佛教大学(浄土宗系)と大谷大学(浄土真宗系)のキャンパスに(勝手に)おじゃまして以来だ。人間毎日酔っ払ってばかりではいけない。たまにはアカデミックな空気の中に身を置きたいものである。

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 さてこちらは1988年に設立された経済学部オンリーの大学である。特徴のある校舎を見た瞬間、毛綱毅曠さんの設計だなとわかった。敷地はかなり広いけれど、一学部だから建物はほかに体育館らしきものがあるだけ。University を名乗る以上、学部を増やしてせめてもう一棟あればなあ、というのが率直な感想だけれど、諸情勢きびしき折ゆえ実現は難しいだろう。

 驚いたのはキャンパスに人っ子一人見あたらず(このあと帰るまでに二人だけ見かけたが)、シーンと静まりかえっていたことだ。実は新入学シーズンなのでもっと賑わっていると期待していたのである。ずらりと自転車が並んでいるから学生諸君が来ていることはまちがいなく、たぶん授業中だったせいだろう。

 もちろん校舎内に立ち入ることは遠慮したが、外側から見たかぎりでは地味で落ち着いた大学という印象を受けた。難をいえば、キャンパス全体がちょっと素っ気なさすぎる。通りがかった市民がもう少し気軽に敷地内を散歩したくなるような、つまり開放的な雰囲気の大学であって欲しいと思うのである。

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April 04, 2022

Daily Oregraph: 裏庭画報 花と雪と

 本日の最高気温は9.1度。晴れ。

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 フクジュソウを見に来たら、すっかり薹が立っていた。

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 こうして季節は確実に進行しているわけだが、家の裏手の日陰にはまだ雪の山が残っている。畑仕事をはじめるにはまだ早すぎるから、相変らず日本文学史を読みつづけ、いよいよ第6巻に入って、鎌倉幕府がまもなく滅亡しようとするところだ。

 時代が下るにつれてだんだん引用文の日本語が読みやすくなるのは大いに助かる。しかし天皇名や年号、名家の系図などはとても記憶し切れないし、いまさら受験するわけじゃないから緊張感ゼロ、人間関係が混乱して数ページ前を読み返すこともしばしば……ダメだ、こりゃ(笑)。

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April 01, 2022

Daily Oregraph: 四月の雪

 本日の最高気温は3.9度。雪が降ったり晴れたり曇ったり。

 昨日フクジュソウに春を確認したばかりだというのに、事務所の窓からの眺めは、

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 -あれっ、吹雪になりましたよ。

 -ほんとだ。さっきまで日が射していたのにね。

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 帰宅後太陽が顔を出してその威力を発揮すると、屋根に積った雪はみるみるうちに融けて滑り落ちるのであった。水滴がポタポタとにぎやかな音を立てる。その後も降ったり照ったり曇ったり、その昔北陸は金沢でお目にかかったような天気である。

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 これが21時の様子である。まあ夜の雪も悪くはない。しんみりウィスキーを味わうにはいいだろう。

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