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December 29, 2021

Daily Oregraph: 寒冷化も忘れずに

 本日の最高気温は0.9度。晴れのち雪。

 今朝の最低気温は-14.4度だったのに日中は暖かかった。この気温差を見ただけで、北国のプロ(?)ならただちに風もなくおだやかな一日であったことを見破るだろう。

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 19時撮影。幸いたいした降りではなさそうだ。

 さて温暖化温暖化とにぎやかなことだが、百年二百年など地球の歴史からすればほんの一瞬、いつ寒冷化に転じないともかぎらない。気の狂った荒野の予言者みたいなことはいいたくないけれど、きらわれるのを覚悟で警告しておきたいと思う。

 真冬の暖炉の火のありがたみをよく知るソロー先生も「北方からちっとばかり身を切るような風が吹けば、人類の命脈はいつでもたやすく断たれるだろう」と喝破している。寒さに身を置いた賢者の言、聞くべし。

 そんな日がいつ来るかはむろん神ならぬ身の知るよしもないが、もしそうなったら、それまで目の敵にしていた二酸化炭素をどんどん放出しようなどといい出すつもりだろうか? まさか、とは思うが……

 「脱炭素化」などという非科学的な標語は捨てて(科学者なら百もご承知のとおり脱炭素なんて絶対不可能なのだから、少なくとももっと正確に)、学者のみなさまには今のうちから寒冷化も視野に入れた対策を冷静に考えておいていただきたいと願っている。

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December 25, 2021

Daily Oregraph: 橋を渡って

 本日の最高気温は-2.2度。晴れ。

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 今朝は最低気温-13.2度とかなり冷えこんだけれど、空はよく晴れて風もなく気分爽快だったので、ひさびさに歩いて幣舞橋を渡った。

 -あら、おじさん、お久しぶりね。今日はどちらへ?

 -やあ、春ちゃん、すっ裸じゃ寒いだろう。なにね、ワクチンを打ちに行くのさ。

 -まあ、今ごろ?

 そう、今ごろ第1回目というのはいかにも遅いようだが、国産ワクチンが出回るにはまだ時間がかかりそうだから、これ以上待つのはやめて接種会場の市役所へ向かったのである。

 手慣れた担当者のみなさまのおかげでスムーズに事は運び、並ぶことも待つこともなく接種を終えた。一回目だからだろうか、幸い目立った副反応はなく、現在ほんのわずか疼痛を感じる程度である。

 日中も気温はマイナスだから、道路はツルツルである。おじさんはおっかなびっくり歩きながら帰宅しましたとさ。

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December 21, 2021

Daily Oregraph: 本日の幣舞橋

 本日の最高気温は4.4度。曇りのち晴れ。昨夜また少し雪が降った。

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 全国一千万の釧路ファンにお贈りする幣舞公園から撮った幣舞橋と北大通。京都へ行って三条大橋を見物しない人がいないように、釧路を訪れて幣舞橋を渡らぬ人はいないというくらいの名橋である。

 ウソだとお思いなら、コロナ禍がおさまったらぜひおいでになってお確かめいただきたい。ついでにうまいものをたらふく食べて、海産物など土産物をどっさりお買い上げくださるとまことにありがたい。

 年の瀬も迫ってきたが、ほんとうに来年こそは安心して旅行できるようになることを願っている。大都市の過剰にうんざりした方は地方へ、地方に退屈した方は大都市の混沌へ……これこそ気分転換の妙薬だと思う。

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December 17, 2021

Daily Oregraph: 雪かきはじめ

 本日の最高気温は0.6度。雪のち曇り。

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 この冬はじめての雪かき。幸い積雪はわずか 5センチ程度だったけれど、空は一日中曇ったままだから気がめいる。やはり雪のあとは青空が広がらなくてはおもしろくない。

 空あくまでも澄んで雪の白さが目にまぶしく、見慣れた通りの景色の値打ちがいっぺんに十倍くらいになれば、雪かきもそれなりに楽しいものだ。しかし見上げれば一面の雲、また降り出すんじゃあるまいかと思えばウンザリする。

 『ウォールデン』はさっぱりはかどらない。それにはもちろんいくつか理由があるけれど、文中で宣言しているように、作者のモットーは "Simplicity, simplicity, simplicity!" だというのに、文章は必ずしもシンプルとはいえず、ときどきくどさを感じてお腹いっぱいになってしまうのは無視できない欠点だと思う。

  さて予報では明日は晴れ。気分直しに散歩でもしたいところである。

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December 11, 2021

Daily Oregraph: 枯れた生活

 本日の最高気温は4.4度。晴れ。

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 万物が枯れてしまった……わけではなく、背丈こそ伸びてはいないけれど、畑の表面にはまだ雑草が青々と生えている。しぶとい連中である。

 さて『ウォールデン』を少しずつ読み進めているが、作者は奇人というより相当の変り者といっていいだろう。実にすがすがしい人柄なのは確かだけれど、金もいらねば邸宅もいらんという主義だから、本など書かずに湖畔でひっそりと暮していればともかく、朗々たる声で自説を発表するからには、なにかと世間と衝突を起こしそうでもある(そうだとしても、決してへこたれそうにないところはえらい)。

 同じく狭い小屋に住んだとはいえ、わが鴨長明先生とは大ちがいで厭世主義とはまったく縁がなく、自ら釘を打ってさっさと小屋を建ててしまうソローは体力に恵まれた行動派である。しかしだれもが森の生活をマネできるというわけもなければ、人生いろいろなんだからマネする必要もなし、彼の独特の主張には魅力を感じつつも、同時にいささか反発を抱く人がいてもおかしくはないと思う。

 なお神吉三郎先生の丁寧な翻訳を無料の青空文庫で読めるから、興味をお持ちの方はお読みになってはいかがだろうか。枯れた生活を送る爺婆がちょっぴり若さを取り戻すにはいい作品だと思う。

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December 05, 2021

Daily Oregraph: 冬本番

 本日の最高気温は3.2度。晴れ。

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 港町岸壁のあたりを少しだけ歩いてきた。

 風はそう強くはなかったが、ひどく冷たかった。水鳥たちがノンキそうにプカプカ浮んでいたけれど、鈍感といおうかなんといおうか、この連中はまるで寒さを感じないらしい。

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 もう昼も近いというのに水たまりに張った氷はまだ融けていない。いよいよ冬本番である。

 『カースタブリッジ』読了。本書のイントロダクションは大いに参考になった。考えようによっては、これもリモート授業の一種といえるかも知れない。ただし授業料を納めていないから、いくつか教えていただきたいところを先生に質問できないところがつらい。だから学校ではちゃんと勉強しておかなくちゃいけなかったのだ。

 うんと乱暴にいえば、この作品は性格がもたらす深刻な悲劇であって、シェイクスピアの悲劇と同様に、思わず涙がポロポロこぼれるような話ではない。ドライアイの治療薬としては、先日読んだ『荒涼館』のほうが効果的だろう(鬼の目にも涙……という場面がいくつもある)。

 しかし劣等生には長々と感想を述べる資格もなければ時間もない。すぐ次の作品に取りかかって、本棚にくすぶっている本を一冊でも多く減らさねばならないのである。

 お次は昔四分の一ほど読んで放り投げたソローの『ウォールデン(Walden)』に取りかかる予定である。これまたうんと乱暴にいえば、アメリカ版の合理的『方丈記』みたいなものだろうか(?)。まあ、コロナによる冬ごもりにはぴったりかも知れない。

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December 02, 2021

Daily Oregraph: 奇習の話

 本日の最高気温は5.6度。晴れ。昨日に引き続き風が強かった。

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 これは強風の吹き荒れた昨日、二階の窓越しに撮った太平洋。みごとに時化ている。雪にならなかったのは幸いである。

 The Mayor of Casterbridge は明日本文を読み終える予定。翻訳によって『キャスタブリッジの市長』や『カスターブリッジの町長』などとされているが、英国風に発音すると「カースタブリッジ」が最も近いと思う。小さい町だから町長でいいかも知れない。傑作だからぜひお読みになることをお薦めしたい。

 先日は本書からファーミティという小麦粥をご紹介したが、今回はスキミントン・ライド(skimmington-ride)という英国の田舎の奇習について、ちょっとだけ。

 たとえば亭主をないがしろにする悪妻の所行が目に余るとしよう。近隣の住民がそれをこらしめるため、というより笑いものにするために、わら人形に本人をすぐに特定できるような衣装を着せた亭主と女房の似姿を作ってロバなどに乗せると、行列を作ってそいつを引き回すのである。

 手近な道具や楽器をジャンジャン・ブーブーとやかましく鳴らしながら、行列は通りを練り歩く……というから、一種のリンチまたは村八分に近く、実に陰湿かつ残酷なものである。本書の注によれば、地方によっては loo-belling とか riding the stang ともいうらしく、さすがに1882年には法律で禁じられたけれど、1917年に一度行われたという記録があり、なんと1960年代にも似たようなことがあったらしい。

 歴史入門書には書かれていないからまったく知らなかったし、人間がいやになるような話だから、ちょっとショックを受けた。しかしこういうお上品な人々が顔をしかめそうなことを正面から書くところはさすがハーディだと思う。

 さて本文を読み終えてもイントロダクションが控えている。本書のそれはなんと約50頁(!)もある。そんなに長い前説を読んだらゲンナリすることまちがいなしだから(笑)、先日も「けっして先に読むな」と申し上げたのである。

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