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November 25, 2021

Daily Oregraph: 西港にて

 本日の最高気温は6.8度。晴れ。今朝の最低気温は-3.6度だから、ぐんと寒くなってきた。

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 西港の空気をたっぷり吸ってきた。こんなしょうもない写真しか撮れなかったけれど、まあ生存証明にはなるだろう。

 現場ではみなさんテキパキと働いていて、とても気持がよかった。ボーッとしてちゃいかんですね、お互いに。

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November 19, 2021

Daily Oregraph: 粥に酔う話

 本日の最高気温は11.0度。曇りのち雨。

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 今年最後と思って裏庭に残った落葉を片づけ、ついでに笹を少し刈った。大きなポリ袋2つに詰めこんだけれど、もう半袋分ほど残っている。竹箒で掃き集めたのだが、湿った地面に葉が貼りついているから、うまくまとまらないのである。

 このあと畑の落葉と雑草に取りかかるつもりだったが、雨が降り出しそうになったので断念。雪が降る前にもう一度出動しなければならない。厄介なものだ。

 さて先日からトマス・ハーディの『キャスタブリッジの市長(The Mayor of Casterbridge)』を読みはじめた。おもしろい話が書かれていたので、簡単にご紹介したい(もっともぼくは妙なものをおもしろがるクセがあるから、あまり期待していただいては困る)。

 とある村に市が立って、いろんな露店が並ぶ。その中にファーミティを食わせるテントがある。このファーミティ(furmity)というのは別名フルーメンティ(frumenty)ともいって、脱穀した小麦をシナモンや砂糖を加えたミルクで煮るのだが、この小説では小麦粉やレーズンなんかも入っている。要するに小麦粥なんだが、そいつを店のおばさんが「おいしいファーミティだよ!」と大声を出して客を集めるのである。

 そこまではふつうだが、おもしろいのはここから。客が目配せすると、おばさんは隠し置いたラムを取り出して、鉢に盛った粥の中に投入するのである。どうして隠しておくかというと、このラムは密輸品なのだ。当時は税金が高すぎたから密輸が横行したらしい。

 ラム入りの熱い粥を食うんだからたまらない。たちまちアルコールが体内に回る。何倍もお代りすると、粥に酔ってへべれけになるわけだ。その挙句に泥酔した主人公がその場で細君を競りにかけて売り払う……という信じられない話がこの小説の発端である。

 まさかと思うかも知れないが、19世紀(たぶん中頃まで)の英国の田舎では、女房を金で売ったという実例がいくつも記録に残っているらしい。もちろん違法だから、あとになってやっかいなことも持ち上がったにちがいない。

 女房の売買にも興味はあるが、酔いが回るほどの酒を粥に混ぜるということは日本国でも行われた(行われている)のだろうか? 識者(笑)のご教示を待つ。

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November 14, 2021

Daily Oregraph: リンゴを食う話

 本日の最高気温は13.2度。曇り。

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 京都通信員撮影による大阪市内の某墓地(「何々家」というのが全部読み取れるから画像処理を施した)。列車の窓から本州の田畑の間にいくつかの墓が並んでいるのを見た記憶はあるけれど、こういうのははじめてである。

 Bleak House を読了した。本文を昨日読み終え、本日は Introduction である。いくつかわからんところは残ったが、自分の実力を考えればそれは致し方ない。とにかく読み切ったというところをほめていただきたい(笑)。

 なにしろ大長編だし、複雑きわまる内容なので、感想を聞かれても困る。ただ一応ハピー・エンディングで終ってはいるけれど、万事めでたしという感じはしないといってもいいだろうと思う。最後まで死者の暗い影が去らないのである。

 さていつも疑問に思うのだが、あちらの本はどうして巻頭に詳しい解説を置くのだろうか? イントロダクションを最初に読むな、というのはおかしいとおっしゃるかもかも知れないが、けっして最初に読んではいけないというのがぼくの変らぬ意見である。

 解説を担当するのはたいてい名のある大学のえらい先生である。なにしろ文学を飯の種にするくらいのえらい先生だから、実際読みが深い。だからこそ影響力も大きく、本文を読む前に先生の手ほどきを受けてはいけないのだ。まずは無心に本文を読むべきである(この点は美術も音楽も同じだな)。そのあとで解説を拝読して、なるほどと膝を打ち、ときには異議を唱えるのが読者の道(?)というものだろう。

 もうひとつ、えらい先生の解説というのは、頭がいいだけにたいてい立派な文章にはちがいないけれど、ぼくの乏しい経験によれば、作品そのものよりおもしろいということは決してない。リンゴを知るにはリンゴを食うにしかず、といったのはたしか毛沢東だったと記憶しているが、たしかに毛さんのいうとおりである。甘いの酸っぱいのという先入観を持たず、まずはリンゴを食おう。

 えっ、おまえ毛沢東主義者だったのか……などとトンチンカンなことをいうお方にはお引き取りいただくとして(本当にいそうだから困る(笑))、ただいま次に食うリンゴをどれにしようか思案しているところだ。もう余命いくばくもないから、深く研究なんてしているヒマはないのである。

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November 09, 2021

Daily Oregraph: 冬支度

 本日の最高気温は14.8度。曇り。

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 毎年のこととはいえ、ドキリとする光景である。

 諸君、もう冬支度は出来ているだろうか? 雪の降りつむ屋根の下で太郎が眠っている最中に、大石内蔵助が近所迷惑な陣太鼓をドンドン打ち鳴らし、夜回りの爺様が鼻水を垂らしながら拍子木をカチカチ、女に振られたばかりの鼻ぺちゃの若い衆が「てやんでえ。親爺、熱いのをもう一本!」とわめきながら屋台でやけ酒をあおる冬がもうじきやって来る。

 いいですか、のんびり構えている場合ではありませんぞ。

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November 06, 2021

Daily Oregraph: あいかわらず引きこもり

 本日の最高気温は11.4度。曇りのちときどき晴れ。

 昨日までは天気が悪かったけれど、本日は昼前に青空が出たし、風もなかったからちょっとだけ散歩してきた。引きこもりのジジイにも運動は必要である。

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 弥生中学校跡の空地。あいかわらずガランとしている。太平洋を一望できる土地なのにもったいない話である。ぼくに資金があれば市にドーンと寄付して立派な図書館でも建てたいところなのだが、あいにく色男には金がない(笑)。

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 住宅街のワビサビ。最近ちっとも町へ行かないし、まったく遠出しないものだから、いよいよ撮るものがなくなったのである。

 しかし遊びに出ない分だけ Bleak House ははかどって、ただいま727頁目。まだかなり残っているから、先生よくもまあこんな長い小説を書いたものだと感心する。

 これでストーリーがつまらなければ癇癪を起こすところだが、読んでいるうちに複雑なジグソーパズルの全体像が少しずつ見えてくるようなおもしろさがあり、娯楽作品としても実によく出来ていると思う。いよいよ佳境に入ってきたので、当分町へ行くのはよそう。

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November 01, 2021

Daily Oregraph: 11月の光

 本日の最高気温は14.2度。晴れ。風も弱く、ポカポカとして散歩日和であった。

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 輝かしい(?)11月のスタートである。ひさびさの港町岸壁では漁師さんたちがきびきびと働いていたし、岸壁上に置かれた道具類もきちんと整理されており、おかげさまでこちらの気分までなんだかスッキリした。

 衆院選の結果は少々残念だったが、それでも例の幹事長氏の落選はめでたい。この御仁、「私には未来が見通せる」と頭のおかしな予言者さながらに豪語しておきながらちっとも先が読めず、「自分自身もここまで苦戦するとは思っていなかった」とはこれいかに?

 投票率をあと10%上げなくちゃいけないことはわかっているのだが、毒の回ったTV局をはじめとする大手マスコミを相手にするには、インターネットはまだまだ非力だと思う。もともとなにもいわなくてもわかる人々同士が仲間内で正論を言い合っても、なかなか広く一般には伝わらないからだ。

 その点では、むずかしい言葉を愛用しがちな学者や左翼には特に反省が必要だと思う。深くて暗い河があるのは男と女の間だけではなさそうだ。

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