Daily Oregraph: 五輪特攻隊?
早いなあ、もう六月だよ。本日の最高気温は15.7度。上天気の割にはさほど気温上がらず。
本日の船上セキュリティ・チェックポイント。たまに港の空気を深々と吸うのは気持がいいものだ。
さてTVを見ていたら、ある大学の先生(ごめんなさい。お名前を失念しました)が十分に対策さえすれば「五輪の開催は可能」だと解説されていた。上から目線と批判されぬよう用心されたらしく、十分に言葉をお選びになっていたところは好感が持てた。
でもね、先生、そりゃ通りませぬ。
もちろん可能か不可能かといえば可能に決まっていることは、いわれなくてもわかります。オリンピックの開催自体は、たとえ「対策が不十分でも」可能だと思いますよ。物理法則に反しないかぎり、たいていのことは可能ですからね。たとえば台風の最中に看板が飛んでこようとも、瓦が落ちてこようとも、風の抵抗に耐えうるかぎりは、無理をして外を歩くことは不可能ではなく可能です。
実際台風が来るたびに、「危ないからおよしなさい」といさめられても「なあに、気をつけるから大丈夫」といって用水路の見回りに行ったり、屋根の様子を確かめに上ったりするご老人がいますよね(そして命を落とすことも!)。しかしまともな人ならそんな日には無理に外出しないものです。嵐が過ぎるまでは用心して家でじっと大人しくしているのが普通です。
相手は台風同様聞き分けのないウイルスなのですから、「十分な対策」とは慎重に構えて無用な危険を冒さないことではないかと思いますよ。しかもご自分お一人だけが嵐の中に突撃するのならまだしも(ご勝手にどうぞ)、「大学のえらい先生がいうんだから大丈夫」とばかり、大勢の人がうっかり嵐に突っこんで危険にさらされるとしたらどうでしょうか?
先生のおっしゃるとおり、ひょっとしたら開催しても「大丈夫」かもしれません。しかし「大丈夫ではない」可能性も無視できませんよね。ぼくは大丈夫でないほうに一万円賭けますが(懐が寂しいので一万円でご勘弁下さい)、かりに可能性が五分五分だとしましょうか(どちらが六分でも七分でも同じですけれど……)。
その場合、結果的にどちらかが間違いになるわけですけれど、ことは大勢の国民の安全に関わる重大事なのですから、同じく間違うのならより安全なほう(「大丈夫ではない」という予想)を選んで間違うのが賢明ではないでしょうか。国民の生命をあずかる政府ならより慎重な予想を選択するのが当然ではないでしょうか?
もはや「できるかできないか」を考える段階ではなく、「やっていいのか悪いのか」が問題なのです。たとえ先生から単位をいただけなくても(笑)、安全安心など誰も保証できない現状ではオリンピックを開催していいわけがないとぼくは考えます。
Comments
>かりに可能性が五分五分だとしましょうか(どちらが六分でも七分でも同じですけれど……
確かにそうですよね。ことがことだけに100%大丈夫って言ってもらわないと、少なくとも表面上の祝意さえ示すことは難しいですからねえ…
そんな中では競技する人たちだって…ねえ…
むろん彼らはそんなことは覚悟で参加するんでしょうが…
しかしまあ、前政権から、今の政権も、確か危機対応能力が御自慢だったはずなんですが、全くの期待外れ。挙句の果てはご自分、そして身内の危機すらきちんと対応せずに知らぬ存ぜぬでやり過ごそうとする始末…いやもしかしたら、それが彼らの危機対応?
Posted by: 三友亭主人s | June 05, 2021 06:59
>三友亭さん
電車が接近して警報がカンカン鳴っているのに踏切に飛び込もうとするバカはいないと思ったら、いるんですね。それも一人や二人じゃない。
無能な指導者が白旗の揚げ時を逸すれば悲惨なことになると、先の戦争で学んだはずなのですが……
Posted by: 薄氷堂 | June 05, 2021 10:23