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May 31, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 コンロンソウ

 本日の最高気温は13.4度。晴れ。

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 コンロンソウがいっせいに咲きはじめた。地味な花だけれどきらいじゃない。

 このところ運動不足で体がなまっているから、たまには散歩しようと思ったのだが、風が強かったのでやめにした。天気がいいのに風ごときで散歩を断念するのでは根性なしといわれてもしかたがない。

 しかし大型台風が襲来するというのに運動会を強行しようとする者はただのバカである……そういってもほとんどの方は賛成してくださると思う。もちろんバカにつける薬はないのだから、どうしてもやりたければ勝手にするがいい。しかし必ずや突風に見舞われて、役員席にふんぞり返る連中はテントもろとも成層圏まで吹き飛ばされるだろう。まあそのほうがスッキリするかも。

 さて明日こそは歩くぞ!

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May 27, 2021

Daily Oregraph: 儲け話捕物帖

 本日の最高気温は16.6度。曇り。今年初めての草むしりをした。

 -先生、今日は『三人のガリデブ(The Three Garridebs)事件』ですが、本題に入る前にまずこいつを……

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 -ははあ、電話ですな。たしか電話が登場するのはこの短編が初めてだと思います。

 -この事件は1902年という設定ですが、すでに1890年代には日本でも電話は使われはじめていましたから、意外に遅い。ロンドンでもベーカー街に普及するまでには相当時間がかかったのかも知れませんね。

 -うむ、あちこち電話をかけまくればすむようなことを、相変らず靴を磨り減らして調べているところを見ると、ロンドンといえども町中隅々にまでは普及していなかったのでしょうな。

 -先生、これはそつなく仕上げた短編といっていいんじゃないでしょうか。

 -さよう、手慣れたものですな。『赤毛連盟(The Red-Headed League)』の親戚筋に当たるストーリーだから、めったに出歩かない住人を夢みたいな儲け話で釣って外出させ、留守中に忍び込んで一仕事するつもりだなと、古くからの読者ならすぐにわかります。

 -ええ、だからワトソン先生は当然そこに気がついたはずですが、「ぼくには皆目見当がつかん」てなことをいってます。まるで間抜け扱いですよ。あまりにも気の毒な書かれようじゃありませんか。

 -ハハハ、たしかに損な役回りですな。ただそこまで気づいたとしても、儲け話の中身は奇想天外ですし、犯人の「一仕事」の目的がなにかはすぐにはわかりません。あんな途方もない話をよく考えつくものですよ。

 -あまりにもうますぎる話だからコロリと引っかかるものだろうかという疑問もありますが、最近の還付金詐欺から考えるに、老人が簡単にだまされたとしても不自然とはいえませんね。欲というのは恐ろしいもんです。

 -欲といえば、薄氷堂さん、あなた外れ富札がずいぶんたまっているじゃありませんか。

 -いやどうも面目ありません。ああ、アメリカのおじさんの遺産でも転がりこんで来ませんかねえ……

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May 26, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾノクサイチゴ

 本日の最高気温は21.8度。晴れ。いっぺんに気温が上がった。

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 -こいつはエゾノクサイチゴですぜ、先生。

 -ほう、きれいな花ではありませんか。実はなりますかな?

 -それがね、ここ十年ほどはさっぱりなんですよ。昔は小さな赤い実をつけたんですがねえ……

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 -おお、ユキヤナギが満開ではありませんか。

 -手入れをすればもちっと見栄えがするんでしょうけど、ほったらかしにしているからデタラメに伸び放題ですよ。

 -なあに、天気はよし、花も盛り。結構なことです。しかしこう陽気がいいと……

 -麦酒が飲みたいとおっしゃるんですな。

 -ハハハ、ご明察。面倒なことはしたくありませんから、捕物帖は明日に回すとしましょう。

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May 22, 2021

Daily Oregraph: 花は散っても花見酒捕物帖

 本日の最高気温は14.8度。曇り一時雨。

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 -やあ先生、いらっしゃい。もう桜はすっかり散ってしまいましたよ。

 -うむ、これで一区切りつきましたなあ。今日は先日のお返しに、薩摩名産芋焼酎を持参しました。

 -そいつはありがたい。さあどうぞお入り下さい。前回のつづき、『サセックスの吸血鬼(The Sussex Vampire)事件』はどうでした?

 -これは前作よりずっと出来がいい。傑作とまではいえぬにしても、佳作といっていいでしょうな。

 -ええ、あたしもそう思いましたよ。「吸血鬼」というから、サルの血清の親戚かと思ったらそうじゃない(笑)。先妻の遺した少年と赤ん坊を産んだ後妻との間の暗闘というか心理戦に、息子を溺愛する亭主はまったく気づかないという、そのままではこじれる一方のむずかしい事態を、ホームズ探偵がみごとに解決したというところでしょうかね。

 -うむ、それに舞台設定もなかなかうまいですな。何世紀にも渡って新旧異なる様式で増築を重ね、全体の調和を欠いた古い屋敷という舞台は、いびつな人間関係にピッタリといえましょう。

 -崩れかけた家は床が落ち込んで曲がっていたってのは、脊椎に障碍のある少年を連想させますね。

 -この設定が意識的なものか、無意識のうちに自然と浮んだものかはわかりませんが、一応は成功していると思いますな。

 -案外批評家がほめてくれると考えたのかも知れませんよ(笑)。

 -結局は父親が鈍感だったに過ぎず、そう難事件というほどではありませんが、毒を塗ったままの矢が家の中に置かれていたという一点を除けば不自然なところはないし、ホームズの推理にも無理がなく、事件の解決もたいへん後味がいいですな。今回はガッカリせずにすみましたよ。

 -ところでその矢の毒は南米産のクラーレ(curare, 英語読みではキューラーリー)というんですが、アガサ・クリスティ女史の小説にも登場してましてね、芋焼酎とはちがって「クラーレは胃の中ではなく血流中に入れなくては効かない」てなことが書いてあります。

 -なるほど、だから赤ん坊の傷口から毒を吸い出して吸血鬼だと疑われても、後妻さんの体は無事だったわけですな。しかし薄氷堂さん、あんたも一文にもならんムダなことを知っていなさるものだ。

 -へへへ、おかげでいつまでたっても貧乏なままです。

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May 19, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 5月18日

 今日は昨日の写真を載せてお茶を濁したい。めったにないことだが(笑)、昨夜はデスクワークをしているうちに夜中を過ぎてしまったのである。

 5月18日。最高気温は16.6度。晴れ。

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 チシマザクラも満開。これをもって今年の桜シリーズはおしまい。

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 ユキヤナギが次々と開花しはじめた。

 捨てるつもりでも捨てきれないのが浮世である。ろくなニュースがなくていやになる。「ワクチン大規模接種東京センター予約システムの重大欠陥」を指摘した報道機関に感謝するどころか、政府自民党が逆ギレなのだそうだ。

 誤入力を受けつけないように事前にチェックをするのは常識中の常識、初歩の初歩、基本中の基本だろう。いくら急いで開発する必要があったとはいえ、絶対不可欠なチェックをしなかった言い訳にはならない。逆ギレとはもってのほかだ。恥を知るがいい。もしこの間抜けなシステムに多額の税金を投入したとすれば、切腹ものである。

 「東京都と大阪府に国が開設する予定の新型コロナワクチン大規模接種センターの予約方法はネットとLine のみ」だそうな。アホ抜かすな。世の中にはパソコンやスマホはもちろん、ガラケーすら使いこなせない爺さん・婆さんがいくらでもいるんだ。指を満足に動かせない(だからタイプはもちろん、文字も書けない)老人さえいることを知っているのか。

 それだけではない。無事予約できたとしても、一人では移動もままならぬ大勢の高齢者は、いったいどうやって接種会場へ行けばいいのか? この調子だと、たぶん対策などまともに考えてはいないにちがいない。

 なんという情けない国だろうか。腹が立つというより悲しくなってくる。

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May 16, 2021

Daily Oregraph: 花見代りの捕物帖

 本日の最高気温は11.0度。曇り。

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 -はて、もうかなり花が散っているではありませんか。

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 -おや先生、これはおめずらしい。いえね、このとおり、まだツボミも残っているから満開じゃない。一昨日ものすごい雷雨がありましたでしょう。あれにやられたんでしょうな。

 -おまけにこの空模様では、とても花見気分にはなれない。どうです、たまには捕物話でも?

 -おお、久しぶりじゃありませんか。そいつは結構ですな。安酒でよけりゃ、たっぷりありますぜ。

 というわけで、二人は昼だというのに薄暗い座敷へ。

 -今日はね薄氷堂さん、『這う男(The Creeping Man)事件』です。もうお読みになられたかな?

 -ええ、あれは最初は風変りな事件で面白いと思ったんですが、最後がいけませんや。ありゃあ説明になっちゃいませんよ。

 -さよう、ちょっと無理がありますからな。サルの血清を注射するとサルみたいに身軽になるというのは、とても信じられない話です。

 -いい年をした大学教授が若い娘と結婚するってんで、若返りの秘薬としてサルの血清をこっそり注射するというのは涙ぐましいが、そんなものに効き目があるわけはない。どうせ藪井竹庵のニセ薬の類いでしょう。

 -天下の名門カムフォード大学のえらい生理学教授が、そんな途方もない薬に頼るというのはどうもねえ。

 -カムフォード(Camford)大学なんてのは聞いたことがありませんよ、先生。

 -ハハハ、ケンブリッジ(Cambridge)とオクスフォード(Oxford)を足して2で割ったんですよ。オクスブリッジ(Oxbridge)も同じで、どちらもちゃんと辞書に載っています。

 -へえ、なるほどね。ともかくサルの血清を打ってスルスルと壁を上るとすりゃあ、モモンガの血清なら枝から枝へ飛ばなくちゃならない。どうにもたわけた話じゃありませんか。

 -しかもホームズが薬の効能に疑問を抱いているふしはありませんな。色欲にかられた年寄りが若返ろうなどと自然に反することを考えちゃいかんのだ、などと大まじめに語っているから、拙者は吹き出しそうになりましたよ。

 -ねえ先生、ホームズのシリーズもだんだん読み進めてくると、底の浅いところが透けて見えてくるような気がしてならないんですよ。

 -う~む、ドイルさんの限界ですかなあ。文学部の先生がドイルさんをあまりほめないのは、そのへんに理由がありそうですぞ。

 -残り9編ですが、先生、どうしなさる?

 -ひとつくらい傑作が残っているかも知れませんしなあ。ここまで来たんだから、最後まで読みましょうよ。

 -そんなら今日はこの酒を最後のひとしずくまでといきますか。

 この日の酒はちと辛口だったようでございます。いつの間にか部屋はいっそう暗くなり、いつ降り出したのか、薄っぺらい板屋根に当たるパラパラという雨音が聞こえてまいりました。

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May 14, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 珍客

 本日の最高気温は17.7度。晴れというより薄曇り。16時頃すさまじい雷雨。

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 チシマザクラも咲いた。たぶん(雨で確かめなかったが)昨日開花したのだろう。

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 エゾヤマザクラはまだ満開ではない。花見は来週早々かな。

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 おや、どうしたんだろう。これはスイセン(だろうね)。園芸植物の知識はほぼ皆無だから、ぼくが自分で植えたものではない。ご近所の花壇から越境入学したものである(推薦入学ではないぞ(笑))。

 たしかにきれいな花ではあるが、農学部の実習に宝塚のお姉さんがまぎれこんだようで、なんだか場ちがいな感じがする。

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May 12, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 5月12日

 本日の最高気温は8.3度。晴れ。天気はいいのだが、風の冷たさときたら!

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 エゾヤマザクラ。気温が低いせいだろうか、満開まで少なくとも数日はかかりそうだ。

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 チシマザクラは咲きそうでなかなか咲かない。

 さて本日は先日に引き続き、納戸の大整理を敢行。数十年の間にたまった段ボール箱の中身をすべてチェックしてから、畳めるものを畳んで紐でくくった。いわゆる資源ゴミである。

 箱の中からはいろんなものが出てくる。各種ケーブル、昔のPCのキーボード、雑誌、ガラクタいろいろ。すっかり存在を忘れていたカセットデッキが1台出てきたのには驚いた。試しに通電してカセットを入れてみたら、アンプには接続しなかったけれど、メカニズムは完動するようなので、捨てるのは見合わせた。しかし使い途がないよなあ。

 段ボール箱もさることながら、梱包用の発泡スチロールがどっさりたまったのには閉口。一時的ゴミ屋敷である。これだから電器製品は買いたくないんだよ。

 疲れてもうなにをする気力もなし。しかし……ウィスキーを飲む余力は残っている。

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May 11, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 花咲く野辺のレクイエム

 本日の最高気温は12.0度。晴れのち曇り。

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 エゾヤマザクラ。次々と花が開きはじめた。

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チシマザクラ未だ開花せず。明日か明後日だろう。

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 オオバナノエンレイソウとニリンソウ。ニリンソウはツボミが散見され、まだ完全に咲きそろってはいない。


 コロナ禍によってあぶり出された大勢のバカを見ていると、気の弱いぼくは具合が悪くなってくる。正気を保つには、ぼくの場合、植物観察か音楽鑑賞だな。活字は心乱れてちょいとつらいから、読書への復帰が遅れている。

 それでもネットを眺めていればいやでもビックリするようなニュースが目につくものだ。新しいところでは例の「さざ波」教授(こんな人物が大学教授とかいうと笑笑)、「知識はあっても無教養」(この手の人物は意外に多い)を絵に描いたような傲慢なお方で、ここまでくればすがすがしさを覚えるほどであっぱれ、あの総理大臣にこの参与とはピッタリだと感じ入った。

 今夜はなにを聴こうか? 今の気分だとレクイエムかなあ。政府の無能無策によってお亡くなりになった方々よ、Rest in peace!

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May 10, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 開花宣言

 本日の最高気温は13.2度。曇りときどき晴れ。

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 エゾヤマザクラ。なあんだ、まだ咲かないや……と思ったら、

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日当りのよい枝の先では咲いていた。開花宣言である。しかしまだ花見にはちと早い。

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 こちらはチシマザクラ。ニュースによれば、根室では本日開花が確認されたけれど、わが家では明日以降になりそうだ。だから正確にいえば、日本で一番開花が遅いのはこのチシマザクラである。

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 写真を撮り忘れていたが、水菜は昨日発芽した。たいして家計の助けになりはしないけれど(笑)、今年もよろしく頼むぜ。

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May 09, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 5月9日

 本日の最高気温は16.9度。晴れのち曇り・雨。

 今日もこりずに植物観察。

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 ニリンソウが咲きそろってきたけれど、まだいくつかツボミも残っている。見ごろはこれからだ。

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 オオバナノエンレイソウ。こいつもこれからが見ごろ。

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 エゾヤマザクラ。いよいよ開花も間近である。気象庁では5月8日に釧路と稚内の開花を宣言したけれど、わが家では毎年必ず数日ずれる。日本一遅いエゾヤマザクラとしてつとに有名である(?)。

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May 08, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 5月8日

 本日の最高気温は16.2度。晴れ。

 昨日も書いたように、今の時期は毎日植物を観察するだけの値打ちがある。桜が開花するまでつづけてみようと思う。
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 ニリンソウが二輪草になった。葉が濡れているのは朝霧のなごり。

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 オオバナノエンレイソウ。まだ完全に開ききってはいないけれど、たった一日でこの変りようである。

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 エゾヤマザクラ。どうやら開く気満々(?)らしい。

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 小松菜がめでたく発芽した。

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May 07, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 5月7日

 本日の最高気温は14.7度。晴れ。

 記事はたいして変りばえしないけれど、植物には明らかな変化が見られる。今の時期は一日も目が離せないのである。

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 ニリンソウ。

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 オオバナノエンレイソウ。花が少し開きかけてきた。

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 エゾヤマザクラ。たった一日でずいぶん変った。

 さて本日聴いたのは、グレン・グールド弾くところのバッハ。ゴルトベルク変奏曲と平均律クラヴィーア曲集第1巻、どちらも YouTube で聴くことができる。

 グールドというピアニストは、はじめて聴いた人が「あれっ?」と思うほど独特の演奏をし、世間でいう優等生の枠にはとても収まらない人物であるような印象を受ける。

 放課後の高校の音楽室でだれかがピアノを弾いている。廊下を通りかかった音楽教師が不審に思ってのぞいてみると、これがグールド君なのであった。完全に自分だけの世界にひたって一心に弾いているから、声をかけるのもはばかられる。とにかく邪魔をしないで放っておくように、という一種のバリアが存在するようでもある。

 まことにあっぱれの腕前なのだが、独特すぎてみなのお手本にするのはためらわれるし、第一あの世界に入りこめるほどの生徒はめったにいまい……音楽教師はそう考えて腕組みしながら、この扱いのむずかしい不思議な生徒の弾くピアノの音色に聴き入るのであった。

 とまあ、素人が勝手にそんな想像をしたくなるような演奏は実に魅力的であって退屈とは無縁、つい聴きこんでしまう。ぼくは大変気に入っているけれど、案外好き嫌いは分かれるかも知れない。

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May 06, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 ニリンソウ開花

 本日の最高気温は 14.7度。晴れ。

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 まだ満開ではないが、ニリンソウは開花しはじめた。

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 エゾヤマザクラのツボミは明らかに変化しつつある。

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 昨日は気づかなかったオオバナノエンレイソウのツボミ。今の時期、植物はたった一日で劇的に変化するものだ。

 昨夜はリヒテルの演奏するシューベルトのピアノソナタ D. 840 を聴いて、ウ~ンと唸った。凡手が弾いたとしたら、たぶんあまり面白味を感じない曲なのかも知れないが、リヒテルのタッチは信じられないほど絶妙だから、退屈するどころか一音一音耳をじっと澄まして聴き入ってしまう。

 これほどすぐれた演奏を聴くのはめったにない経験だけれど、残念ながらぼくごときが千万言費やしたところで音は聞こえてきやしない。あいつ、また口から出任せをいってやがるとお疑いの方は、だまされたと思って読みかけの本を閉じ(笑)、こちらから聴いていただくしかないと思う(なお不自然な終り方をしているのは未完の作品だから)。

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May 05, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 ニリンソウ開花せず

 本日の最高気温は 10.3度。晴れのち曇りのち雨。

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 ニリンソウはまだ開花していなかった。明日あたりかな。

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 エゾヤマザクラもツボミにほんの少し変化が現われはじめたけれど、たぶん開花は一週間ほど先になるだろう。

 ひさびさにモーツァルトの「魔笛」をハイライト版で聴いた。メガネをかけたドリトル先生みたいなお顔をしたカール・ベーム博士の指揮で、オケはベルリンフィル。1965年録音だが、音質はきわめてよろしく、ソプラノの声に腰を抜かしそうになった(笑)。こんなガラスの割れそうな声の持主を細君にしたら、「ア~~!」の一撃で圧倒され、とても喧嘩口論はできまいと思う。

 この浮世離れした歌劇の中でもぼくが一番好きなのは「おいらは鳥刺し」という歌。まことに純真にして素朴、気分が浮き浮きしてくる。卑しい利権政治家どもとは対極の世界である。モーツァルトには毒消しの効果あり。

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May 03, 2021

Daily Oregraph: 裏庭画報 カタクリの咲く頃

 本日の最高気温は 11.3度。晴れたり曇ったり。

 五月といえば恒例の一人植物観察会である。あまり似合わないけれど、高尚な趣味(笑)と自慢しておこう。

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 カタクリが咲いていた。毎年律儀にも同じ場所に二輪だけ。増えも減りもしない。

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 ニリンソウのつぼみ。もちろん花もいいけれど、ツボミにはちょいと上品な色気がある。

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 エゾヤマザクラが咲くのはまだ。こいつはたぶん日本で最も開花が遅いと思う。

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May 01, 2021

Daily Oregraph: 続・USBメモリ ファイルソート物語

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 本日の最高気温は 13.6度。風もおさまり、絶好の散歩日和なので相生坂を下りて少し歩いてきた。

 さて昨日の記事の続編である。

 TEAC CD-H750 の取扱説明書によれば、「●再生可能な最大フォルダ数:99 ●再生/録音可能な最大ファイル数:2000」となっており、1フォルダ当たりの最大ファイル数については記載されていない。

 marantz CD6007 ではどうかというと、再生可能なのは「フォルダの階層数 8階層(ルートフォルダ=ルートディレクトリを含む);フォルダ数 255;ファイル数 65025(USBメモリの容量に依存)」となっている。1フォルダ当たりの最大数についてはやはり記載されていない。

 これをお読みになって、あなたはどう判断されるだろうか?

 サブフォルダをいくつか作った場合、それぞれのファイル数を合計して最大許容範囲以内であれば、各フォルダ内のファイル数には特に制限はないと考えるのが自然だと思う。つまりすべてのファイルをルートディレクトリに保存した場合、USBメモリの容量が十分あれば、TEAC では 2,000 まで(marantz では 65,025 まで)ファイルは認識されるはずだとぼくは最初考えた。

 ところが TEAC を使用中、たしかファイル数が 500 を越して、正確には忘れたけれど 510 あたりで認識されなくなってしまった(ファイル名の長さなどによって、認識するファイル数には多少の増減があるかもしれない)。まあ500もあればふつうは十分だから、それ以来 USBメモリ1本あたり 500 ファイルまでを目安にしていた。

 marantz の場合はファイル制限がその約半分、250+αなのであった。つまり250を目安にして、残りのファイルを別フォルダに移さなくてはならないから、昨夜はその作業をしたのである。ファイルを削除・追加・移動すると、あらためて前回の記事で述べた (b)→(a) の手順を踏む必要があるから、結構時間がかかる。BGM にジャズを流していなければ癇癪を起こしていたかもしれない(笑)。

 TEAC にせよ marantz にせよ、問題なのはフォルダ内のファイル数制限があることではなく、取扱説明書にそれが明記されていないことだ。USBメモリ入力端子のある CDプレーヤーは他社製品にも存在するが、そのへんについてはきちんと説明されているのだろうか?

 オーディオ製品は「いい音が出さえすればいい」というわけではない。使用にあたってユーザーに誤解を与え、余計な手間をかけさせるようでは困る。万事厳密であるはずの優秀な理系技術者のみなさんが、駄文学部卒に苦情をいわれるようでは情けないではないか。

 同じフリーソフトによって処理した USBメモリを使って、認識されるファイル数がかたや約 500、かたや約 250 なのだから、ぼくの誤解ということはないと思うが、もしこの問題を回避する方法があればぜひお教え願いたいと思う。

 それにしても……音楽を快適に聴くためにパソコン操作が必要な時代になるとは!

【追記】

 強引に修理した(?)パイオニアの CDプレーヤー PD-01A(1996年製)は、その後何事もなかったかのように完全動作している。驚異的に優秀かつタフなメカニズムだと思う。

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