Daily Oregraph: カーメン・マクレエで音を決める
本日の最高気温は13.0度。まずまずの天気であった。
6月に納品と聞いていた CDプレイヤー(Marantz CD6007)が届いたので、印象を一言。オタクな話だから適当に読み流していただければありがたい。
高音寄りかと予想していたけれど、線は決して細くなく、低音がよく出る。音域・音場ともにやや狭いかなという印象を受けるけれど、そのかわり音がみっしりつまった感じがするところは悪くない。
アナログ出力を使うかデジタル出力にするかで大いに迷った。CDを取っかえ引っかえして聞き比べた結果、オーケストラの全合奏のとげとげしさが明らかに少ないアナログ出力に傾いたけれど、今ひとつ判断しきれなかった。
なにげなく USBメモリに記録していたジャズヴォーカルを聴いているうちに登場したのがカーメン・マクレエの After Glow というアルバムで、これが決定打になった。ちがいがハッキリわかったのである。
デジタル出力(光デジタルケーブル使用)だと歌声が穴の開いた瓢箪みたいに聞こえるのである。なんのことかわかりにくいかもしれないが(笑)、つまり本来一人の人間の発する声は全音域連続してまとまっているはずなのに、途中でいくつか穴が開いた瓢箪みたいに音が漏れて、中身がつまっていないのだ。
アナログ出力に切り替えたとたんにアッと驚いた。一個の肉体を持つ人間が発する声に聞こえたのである。そのちがい歴然たるものがあって、スカスカだったマクレエさんに肉体が戻って、声もピタリと定位した。すばらしい歌声である。これにてアナログ出力使用に決定。
カーメン・マクレエ恐るべし(笑)。これまで彼女の大ファンというほどではなかったが、すっかり見なおした。もちろん声の録音が素直でよかったせいもあるのだろう。いじりにいじった録音がやたら多いから、音質を判断する際には要注意だと思う。
なおこの CDプレーヤー、USBメモリが使えるのは長所だけれど、ひとつ予想外の欠点がある。TEAC のプレーヤーとは異なり、USBメモリに限ってはリモコンの数字ボタンでは任意の曲を一発選曲できないから、スキップボタンを押しまくらなくてはならないのだ(別法あるも面倒さはさほど変わりない)。音質に不満はないのだが、実に惜しいと思う。
……てなわけで、畑を放りっぱなしにしている。いかん、いかん、地道に働かなくては、お天道様に申し訳ない。明日こそやるぞ。
Comments
薄氷堂さん、こんにちは。
マランツのCDプレイヤー、外観が見事ですね。
なんだか一体型オーディオ装置に見えます。
デジタル出力ということは、外部DACを使うのでしょう?
たぶんマランツの最新DACのほうが優秀に思えますが……
よくわかりませんが、アナログ出力のほうが良い、
そう判断できるのが素晴らしいと思いました。
Posted by: 只野乙山 | April 29, 2021 10:32
>只野乙山さん
デジタル出力→アンプ内蔵のDACです。
不思議なことに、同じファイルをPC→アンプのUSB-DACで再生すると、マランツのアナログ出力との音のちがいは僅差です。たしかに聞こえ方はちがうんですが、どっちでもお好みでというくらいでしょうか。ぼくの好みではマランツのほうですが、比較しなければわからない程度。
ぼくの耳の性能(?)はたいしたことがありません(第一左耳の聴力はほとんどありませんし)。ぼくに判別できる程度音がちがえば、けっして気のせいや思い込みではありませんから、どなたにも判別できると思います。
なおコロナ禍による引きこもりのせいで、オーディオ製品の需要は結構あるみたいですが、路上で酔っ払うよりはよほどマシだと思いますね。
Posted by: 薄氷堂 | April 29, 2021 23:35