Daily Oregraph: 泣いてたまるか
本日の最高気温はマイナス3.9度。しかし太陽の力は偉大である。
屋根に積った雪は見る見るうちに融けていく。ツララからもさかんに水滴が落ちている……ところを撮るつもりだったけれど、残念、うまくいかなかった。デジタル一眼の高速連写を利用するか、動画を撮って静止画を切り取るのが現実的な方法なのだろう。
捕物帖はご無沙汰のまま。なんと半世紀前の1971年に発行された桂圭男著『パリ・コミューン』(岩波新書)を読んでいるのである。例によってなるほどもっともだと思ったところを引用してみよう。1871年3月25日に国民軍中央委員会が発した選挙公示宣言の一部である。
市民諸君。
諸君に最もよく役立つ人は、諸君の間から諸君が選ぶ。諸君自身の生活を生き、同じ困難に苦しんでいる人々であることを見失なってはならない。
成り上がり者とともに、野心家を信用してはならない。両方とも自分の個人的利益しかはからず、最後には自分が不可欠な存在だと思いこむ連中である。
多くの政治家が諸君自身の生活を生きず、同じ困難に苦しんでいないことは、コロナ禍の現在ますます明らかになりつつあり、ふだん呑気な人々もさすがに気づきはじめたのではないだろうか。
成り上がり者と野心家は探すまでもなくすぐに見つかる。頭の中身が19世紀の段階にとどまり、社会に害悪をもたらす不要な存在なのに、自分が不可欠な存在だと思いこんでいる人物も、「ああ、あいつだ」とすぐに思いあたるのが悲しい。誰とはいわないけれど(笑)、つい最近も世界に恥をさらした失言ジジイがいたっけ。いったいどこの後進国だよ。
しかしいくら情けなくとも、ツララみたいにめそめそ泣いているわけにはいかない。市民諸君、面倒がらずに次の選挙には投票所へ出かけようではないか。
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