Daily Oregraph: 裏庭画報 白い花ふたつ
もうずいぶん前の話だが、小さな宝石のような赤い実がなったので味見しようとしたら、ほとんど虫に食われていたのにはガッカリした。それ以来、先手を打ってやろうとしているのだが、一向に実がつかない。一粒でいいんだから食わせてくれよ(笑)。
去年草むしりしすぎたので、今年はどうかなと思っていたけれど、チゴユリが一輪咲いてくれた。
こいつはどう見ても薄幸の女性である。カイロ大学を首席で卒業したと威張っているわけではないし、それどころか万事が地味。もちろんジャズもロックも似合わないが、琴三味線の曲ならいけるかもしれない。
雨の日に湿った座敷の障子を開けて、ぼんやり川の流れを見つめている……わけじゃなく、いつもうつむいているから川なんぞ見えないのである。雨の音を聞いているのだ。何を考えて生きているのやら。
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