Daily Oregraph: 塩の山
これがなんだか一目でおわかりになる方は少なかろうと思う。恐山で撮った写真ではない(笑)。実は野積みされた塩の山なのである。ちょっと不気味ではあるが、いわば偶然芸術のひとつ。
さて恐山、イタコとくればお告げである。あなた、決してお告げをバカにしてはいけませんぞ。案外当たるんだから。
西洋にはアト・ランダムに聖書を開いて、たまたま指を置いた箇所を読み、今後の指針を得る聖書占いというのがあるらしい。別に神様を信じなくても、古人の知恵を借りるという意味はあるのだから、一度お試しになってはいかがであろうか。
なにも聖書でなくても、定評ある古典ならどれでもかまわないだろう。そこで今日は方丈記をでたらめに開いてみたら、つい最近書かれたばかりといっても通用するような文章に出くわしたのでご紹介しよう。
それ、人の友とあるものは富めるを尊(たふと)み、懇(ねむごろ)なるを先とす。必ずしも、情あると、すなほなるとをば、愛せず。ただ、糸竹・花月を友とせんには、しかじ。人の奴たる者は、賞罰甚(はなはだ)しく、恩顧厚きを、先とす。(以下略)
(そもそもアベ友となる者を見れば、金持様々で、仕事や飯の世話をしてくれる人を優先している。必ずしも共感力のある人や、正直にものをいう人を愛さないのである。そんな連中を相手にするくらいなら、ギターや自然を友としたほうがよろしかろう。人にへいこらする者は、選挙資金をたんまりもらい、出世できるのをなによりとしている。)
結局現代も方丈記の時代も、たぶん聖書の時代も、人間様というのはほとんど変わらないものらしい。
Comments
>アト・ランダムに聖書を開いて、たまたま指を置いた箇所を読み、今後の指針を得る聖書占いというのがあるらしい
題名は忘れましたが、書籍でそういうのがありましたね。
私は携帯アプリで「bibliomancy」というのを
入れてまして、めくるとタロットカードやらトランプやらが現われて予言めいたことが出てきます。
先ほど試したら「女性に騙されているかも知れません。」って。笑
Posted by: しょうちゃん | April 01, 2020 00:30
>しょうちゃんさん
> 女性に騙されているかも知れません。
まことに失礼ながら、思いあたることがおありのようですから、聖書の助けを借りるまでもないかと存じます。
しかし……実にうらやましい(笑)。エイプリルフールでもいいから、いっぺん女性にだまされてみたいものです。
Posted by: 薄氷堂 | April 01, 2020 22:21
工業用の塩を港付近に野積みしているというのは聞きますが、これはなかなか凄い写真ですね。
結晶が大きくて綺麗です。
最近は私もコロナウィルスによって糸竹や花月を友としておりまして、ネットではなかなか見られない風景を見られるのが幸いです。
私は占いをすると良いことは当たらないのに不運はびくりするくらいによく当たります(笑
Posted by: Nori | April 02, 2020 11:42
恐山は・・・東北で生を受けたものとしては、どうしても一度行きたいところですね。うちのばあさまのお友達が恐山に行った土産話などをするものですから、ばあさまはどうしても行きたい・・・死んだ爺様に会いたいと言っていたのですが、体が弱かったものでねえ・・・その意思を受け継がねばという思いは充分にあるのですが、懐具合が充分ではないんでねえ・・・
Posted by: 三友亭主人 | April 02, 2020 22:26
>Noriさん
> 工業用の塩を港付近に野積み
図星です。食用の塩はもちろん倉庫内に保管されています。
さて、ほんとに良いことというのは当たらないというか、めったにないから良いことなんでしょうね。この世では悪いことのほうがふつうだと考えたほうがいいと思います。
その証拠に、地獄というのは容易に想像できるけれど、極楽とか天国というのはどうもピンとこないものです。もっとも、天国では「酒はうまいし、ねーちゃんはきれいだ」という、わかりやすい説を唱える方もいたようですが……
Posted by: 薄氷堂 | April 02, 2020 23:13
>三友亭さん
ぼくも恐山には一度行ってみたいと思っています。たしか温泉もあるはず。
> 懐具合が充分ではないんでねえ・・・
ご心配なく。いずれお上が旅行補助券をくださるはずですよ。そうだ、布マスクをして恐山へ!
Posted by: 薄氷堂 | April 02, 2020 23:21