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March 22, 2020

Daily Oregraph: 人影絶えて……

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 人影まばらな哲学の道。ここはしばらく自分の足でテクテク歩くことになるから、もともと観光客でごった返すというほどではなかったと思うけれど、やはり人が少ないのはまちがいない。

 撮影した京都通信員によれば「ミーハーがめっきり減った」ので、これまで敬遠していた清水寺や嵐山にも行ってみようかと考えているらしい。

 観光客が激減すると困る人も多いにはちがいないけれど、バスの混雑も緩和されて、ほとんどの市民は一息ついているらしい。三年前のことだが、京都駅前のバスステーションでは、有名観光地向けのバス乗り場が観光客でごった返しているのを見て呆然とした記憶があるから、ここ一二年はどんなだったか、想像もつかない。

 伏見稲荷などはあまりにも外国人が多いのでたまげたけれど、いわゆるインバウンドというやつらしい。これ、どういうことかというと、実は日本が落ち目になった証拠のひとつなのである。京都だけでなく、北海道のリゾート地も同じ。多くの日本人は貧乏になったから物見遊山もままならず、安く遊べる日本に殺到する外国人に頼らざるをえなくなったわけだ。

 その現実を直視せず、相も変わらず世界に冠たるニッポンすごいですね、中国や韓国などは間もなく崩壊、アジア諸国などはしょせん後進国と、ゆえなき優越意識を鼻にかけていたところへコロナショックである。たかがマスクでさえ手に入らない、意地でもウィルス検査はさせない、それでいてオリンピックは完全実施などと狂ったことを抜かしているのだから、観光客が姿を消して閑古鳥の鳴くいまこそ、いいかげん先進国面をするのはやめたほうがいいと思う。

 ……てなことを考えながら歩くのが哲学の道だろう。

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