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January 09, 2020

Daily Oregraph: 積雪数センチ

200109_01

 積雪2~3センチというところだろうか。たとえ3センチでも雪かきはせねばならないが、やっと風邪が治ったばかりだから、雪が少ないのは大助かりである。

 一応仕事には復帰したけれど、風邪の後遺症であろうか、まだ少しボーッとしている。文法用語でいえば受動態である(笑)。そんな次第で、ネタもなにもありはしない。

 しかしそれではあまりにも愛想がないから、三日前に見た夢の話でもしよう。

 わが家の近所とおぼしき古い木造の一軒家に、なぜか高橋和巳が一人住まいしているのである。彼は白いワイシャツに黒っぽいズボンという格好で、泣きも笑いも怒りもせずに、黙ってくたびれたソファに座っている。まばたきもせずに、暗い瞳でどこかわからぬ一点を見つめているのである。

 若い男女から年寄りまで、さまざまな人々が、あまり明るくない電灯のついた部屋に出入りしている。みな互いにボソボソと小声で話し合っているのだが、だれも高橋和巳に話しかけようとはしない。どういう集まりなのか見当もつかないし、ぼくも話しかけるきっかけがないからボンヤリしていると、やがてだれかがいった。

 -おや、高橋さんはどこへ行った?

 なるほどいつの間にか彼の姿は消えていた。ぼくはハッと気がついた。さきほどからなにかおかしいと思っていたわけが、いっぺんにわかったのである。高橋さんはとっくの昔に亡くなっていたのだ。

 彼の幽霊がなぜ不熱心な読者の夢に、しかもはじめて現れたのか、もちろん深いわけなどあるはずもないのだが、妙に気になるのである。お迎えが近いのかもしれない。

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Comments

>やっと風邪が治ったばかりだから

おやおや、それはそれは・・・

それにしても高橋和己の夢とはねえ・・・私など糸度も夢に出てきてはくれませんが、それは不熱心な読者過ぎるが故でありましょう・・・

ところで、高橋和己と言えば、私の高橋和己について書いたかなり前の文章にコメントを下さった方がいらっしゃって・・・なんでも、「悲の器」を英訳しているということなので・・・かの「語る会」のサイトを見たならば、もうすでにリンクを・・・

私など英語で書かれると何のことかさっぱりなのですが、世の中には奇特な方もいらっしゃるのだと、つくづく感心したものです。

Posted by: 三友亭主人 | January 10, 2020 22:28

>三友亭さん

>それにしても高橋和己の夢とはねえ・・・

 こういう夢を見るとは、腐っても駄文学部(笑)、というところでしょうか。でもねえ、たしかに意外でした。

 『悲の器』の英訳をなさっている方は、ほんとうに奇特なお人だと思います。頭が下がります。

Posted by: 薄氷堂 | January 11, 2020 10:23

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