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January 18, 2020

Daily Oregraph: 1月18日 港町氷見物

200118_01
 用事があって外出したついでに生存証明写真を一枚。

 港町岸壁は、この前来たときとはちがって、風もなくおだやかであった。水面の氷は少し緩んでいるようだ。遠くに雌阿寒岳が見える(見えない方は心眼でご覧いただきたい)。

 もう何ヶ月も色気のない文章を読みつづけているせいか、頭がすっかり実学モードに切り替わってしまい、味気ないことといったらない。

 今の仕事に取りかかる直前までは、こんな小説を読んでいた(中途半端なところから入るが……)。

 こいつは本物の高級時計だ。がっちり銀のケースに収まってるから、遅くまで飲んだ帰りに、こいつでドアをノックしてかみさんや家の者を叩き起こしたってかまわない。ノッカーなんぞは郵便配達に取っとけばいいんだ。そしてディナーの皿が6枚。赤ん坊がむずかったら、シンバル代りに鳴らしてやるといい。おっと待った! おまけをひとつくれてやろう。麺棒だ。赤ん坊の歯が生えかかったら、そいつを口にぐいと突っこんで歯茎をいっぺんこすってやれば、くすぐられたみたいに大笑いして、歯が倍も出てくるぞ。待った! あんたの面が気にくわないから、もうひとつおまけだ。だってお前が損をしなけりゃおれは買わんぞという顔をしているぜ。それにな、今夜は金を稼ぐより損したい気分なんだ。鏡をくれてやるから、値をつけないんなら、そいつでそのまずい面を見てるがいい。これでどうだ? さあ! 1ポンドだって? いや、あんたそんなに持っちゃいない。10シリングだって? 無理だね、あんた掛売りにだってもっと借りがあるだろう。それじゃどうしてやるか教えてやろう。馬車の踏台に一切合財積んでやる、そうら! カミソリに火のし、フライパンに高級時計、ディナーの皿に麺棒、それに鏡だ。4シリングで全部持ってけ。そしたら手間賃に6ペンスくれてやらあ!(ディケンズ『ドクター・マリゴールドの処方箋』より)

 訳がいいかげんなところはご容赦いただきたい。要するにイギリス版寅さんのお話なのだが、ホロリとさせるところも同じである。おっと、こんなことに時間を費やしているヒマはなかったのだ(笑)。

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