Daily Oregraph: 目玉焼きの味
10月16日17時50分。気温14度。
いつものパターンではあるが、橋を渡れば、なにが待っているかというと……
カキの茶碗蒸し。いうまでもなく、美味であった。こいつには日本酒だろう、と思うのは素人の浅はかさ。達人は黙って芋焼酎 on the rocks を味わうのであった。
これはメンメ。今や超高級魚に出世したけれど、昔はたくさん獲れたから、庶民の魚だったのである。このサイズだと、ギョッとするくらいのお値段にちがいない。
このほかにもご馳走が三皿も出たのだが、とても食べきれなかった。同席したN氏はもりもり食べていたが、こちとら年だから、胃がまったく受けつけないのである。
ぜひともあれが食いたい、これを飲みたいという欲が、このところ急速に失せつつある。人様がご馳走を食べていても、ちっともうらやましくない。
庶民がなにかの記念日に財布をはたいてご馳走を楽しむのならもちろん話は別だけれど、だれかの太鼓持ちをして、「へへ、これは乙でげすな」とヘラヘラ笑いながら、超高級ランチを食って得意がっている連中など、いい年をしてバカじゃないかと思うだけである。
目玉焼きをしみじみうまいと思って味わう(笑)心境など、おまえたちにはわかるまい。
Comments
メンメって言ったら、世にいう「キンキ」ですよね。
私の国では「キチジ」って言ってましたね。たぶん「金売吉次」からきているんでしょうが・・・高いですよね、ほんと。
まあ、関西ではめったに目にすることはありませんが。
そのかわり、目玉焼きはよくお目にかかっています。ほぼ毎日かな・・・
Posted by: 三友亭主人 | October 19, 2019 07:50
>三友亭さん
キンキ地方にはメンメがないんですね。
さて、子路がご馳走を持って孔子を訪ねますと、先生いましも目玉焼きを食べようとしているところ。
-やや、先生、イギリス人の朝飯じゃあるまいし、そんなものはお下げになって、こちらをお召し上がりください。
-ほほう、おまえさん、ずいぶん太ったものだね。さぞ毎日王様といっしょにうまいものを食べているのだろうが、まだ学問が足りませぬ。おまえに目玉焼きの味がわかるまでには、まだ二十年はかかるだろうて……
そういうと、先生はお土産には見向きもせずに、目玉焼きに箸をつけるのでした。
すっかり恥じ入った子路は、顔を真っ赤にして、こそこそと帰っていきましたとさ。どっとはらい。
Posted by: 薄氷堂 | October 19, 2019 22:02